1台がQ2に進出するも12番手に終わり、もう1台はQ1で敗退して16番手にとどまるというF1第17戦アゼルバイジャンGPの予選結果は、RBとしては2週間前のイタリアGPの予選とまったく同じだ。しかし、内容はまったく違う。
イタリアGPではアップデートされた新型フロアを使用した角田裕毅が、旧型フロアを使用したチームメートのダニエル・リカルドの後塵を拝して予選16番手に終わったのに対して、今回は2台とも新型フロアを使用した上で、角田が予選12番手となったからだ。つまり、モンツァで失速したペースを、角田とチームはバクーで取り戻したのである。
角田裕毅、悔しいQ2敗退も、新型フロアには好感触「前戦と違って良く機能している。今後のレースも楽しみ」
「モンツァに比べると、新しいフロアは確実に機能しています。まったく違う感じです。チームはデータの分析で素晴らしい仕事をしてくれました。別のサーキットへ行ったら、また違う状況になるかもしれませんが、少なくとも次のサーキットもここと同じようなコースなので楽しみです」
バクー・シティ・サーキットには高速コーナーがなく、コーナーのほとんどが低速か直角コーナー。中~高速コーナーでのダウンフォースが安定しないRBのマシンにとっては、バクー・シティ・サーキットは彼らが持っているデメリットが出にくかったと考えられる。
モンツァと異なる結果は、開発陣にとっても勇気づけられる結果となった。テクニカルディレクターのジョディ・エギントンは今後に向けて次のように抱負を述べた。
「モンツァで導入されたフロアをバクーで試した結果、我々はパフォーマンスが期待通りのものであることを確認した。これは今後の開発に向けて、自信につながった。中団グループの戦いは非常に接近しており、小さな改善でも大きな成果をもたらすため、次の予定されている空力アップデートの重要性は変わらない。我々は熾烈な戦いを予想しており、後れを取らないよう準備している」
エギントンは以前、「モンツァかバクーで一度アップデートし、その次はオースティンになるだろう」と語っていた。アメリカGPの舞台であるサーキット・オブ・ジ・アメリカズは高速コーナーが多い。高速コーナーを不得手としているRBにとっては、アップデートがどこよりも必要となるコースだ。
そのアップデートの開発を進めるも止めるも、今回の結果次第だった。そのなかで角田は予選で12番手という結果を出した。これにより、スペインGPで投入し、その後お蔵入りとなったフロアの開発は、しっかりと軌道修正が図られ、新しい方向性を示してくれた。
その角田をエギントンは「ユウキはマシンからいいレベルのパフォーマンスを引き出してくれた」と称えていた。
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