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16号車ARTA MUGENの福住仁嶺が今季2度目のPP。後続にコンマ5秒差の驚異のコースレコード【第7戦GT500予選レポート】

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16号車ARTA MUGENの福住仁嶺が今季2度目のPP。後続にコンマ5秒差の驚異のコースレコード【第7戦GT500予選レポート】

 戦績によるサクセスウエイト(SW)を積む我慢の時間も終わり、いよいよ“重り半減”の終盤戦を迎えた2023年のスーパーGT第7戦は、10月14日に九州大分県のオートポリスでGT500クラス公式予選が争われ、16号車ARTA MUGEN NSX-GTのQ2アタッカーを担当した福住仁嶺がコースレコード更新の驚異的アタックで今季2度目のポールポジションを獲得。その背後には、午前から好調さを披露したトヨタ陣営のGRスープラが、明日の長丁場に向け4台並んでの“包囲網”を形成するグリッドとなった。

 記録的猛暑となった夏の時期を経て、全国的に秋の深まりを感じさせる冷涼な気候の続く第7戦の週末は、走行開始土曜早朝に阿蘇一帯にも雨が落ち、午前9時25分開始の公式練習は気温16度、路面温度は18度のダンプ路面という想定より低い温度帯での走り出しとなった。

【順位結果】2023スーパーGT第7戦オートポリス 公式予選Q2

 序盤こそ各陣営とも持ち込みタイヤのウォームアップに苦心するような状況が続いたものの、日差しの戻ったコース上はみるみるドライアップが進み、最終的にGT500占有走行までにクラス最多周回となる34周を走破した37号車Deloitte TOM’S GR Supra(SW:9kg)が1分32秒548のトップタイムを記録する。

 背後には16号車ARTA MUGEN NSX-GT(SW:37kg)、19号車WedsSport ADVAN GR Supra(SW:27kg)が続くと、4番手の1号車MARELLI IMPUL Z(SW:32kg)を挟んで、この週末でクラス唯一の燃料リストリクター“1ランクダウン”の措置が残る3号車Niterra MOTUL Z(SW:51kg/搭載バラスト:34kg)が5番手で良好なラップペースを示し、選手権上の直接ライバルである6番手の36号車au TOM’S GR Supra(SW:49kg)に先行するなど緊迫度の高まる内容に。

 シリーズでも屈指の『タイヤに厳しいサーキット』として知られるここオートポリスで、明日は初の試みとなる450kmのレース距離が控えるだけに、午後の予選に向け掛け値なしの真っ向勝負が期待された。

■Q1:ARTAが修復完了するも敗退。ニッサンZの4台もノックアウト
 その占有走行枠終了間際に最終セクターの『さよりんブリッジ』下でバランスを崩し、左コーナーのアウト側タイヤバリアに回転しながら車体の左側からクラッシュを喫していた8号車ARTA MUGEN NSX-GTもギリギリ修復が間に合い、これで全15台が揃って15時34分にGT500予選Q1の勝負が始まる。

 15時ちょうどのGT300のQ1A組開始時点で気温は18度、路面温度は25度と午前対比でもわずかな上昇に留まる。その気温の低さがあってか、各陣営とも早めの動き出しでコースに向かい、必要なグリップ発動に向け入念な熱入れを進めていく。

 セッション開始3分を過ぎ、ピットレーン待機組に回った8号車ARTA MUGEN大湯都史樹がカーボンブラックのフェンダーと右フリックボックスの左右非対称のカラーをまといコースイン。14号車ENEOS X PRIME GR Supraを最後に、セッション残り3分から各車がアタックに入っていく。

 まずは1分32秒768の基準タイムを記録した24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zに、待機組の23号車MOTUL AUTECH Zもすぐさま1分33秒台で2番手に続き、残り1分でニッサン陣営がワン・ツーとすると、ここで午前最速37号車Deloitte TOM’Sの笹原右京が各セクター最速の1分31秒895としてあっさり首位に浮上する。

 チェッカーラップでは前戦SUGOでの大クラッシュから修復なった100号車STANLEY NSX-GTが1分32秒フラットで2番手に飛び込み、直前に17号車Astemo NSX-GTの記録したタイムを上回っていく。

 これで決したかと思われたその背後から、待機組としていたGRスープラ勢が軒並みタイムアップを果たし、19号車WedsSport ADVANが1分32秒132でコントロールライン通過時点で3番手、さらに14号車ENEOS X PRIME山下健太が1分31秒900で2番手、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraの関口雄飛が1分32秒061で3番手と、ここでトヨタ陣営が1-2-3構築の速さを披露する。

 最終的に38号車ZENT CERUMO GR Supraを含む5台がQ2進出を決めたのに対し、序盤はカットライン上にいた選手権首位のニッサン陣営3号車は、同ランク2位の36号車au TOM’Sとともに惜しくもバンプアウトの9番手へ。ホンダ陣営は100号車、16号車ARTA、そして昨季はこのオートポリスの土曜午前にクラッシュを喫しながら、午後は手負いのポールポジションを得た17号車の3台が挑む構図となった。

■Q2:16号車の福住が2番手に0.5秒差のポール。GT500デビューの木村もアタックを完遂
 引き続き、雲で陰りがちのトラックにて16時12分からのQ2を迎えると、選択したタイヤコンパウンドの影響か、約1分半経過で39号車DENSO KOBELCO中山雄一を先頭にコースインが始まり、これが九州ラストアタックの38号車ZENT立川祐路も早めにトラックへと向かう。

 残り6分半から37号車Deloitte TOM'Sのジュリアーノ・アレジを最後尾に、残る6台が立て続けにピットを離れ、各車ともトラックポジョンを気にしながらのウォームアップが続く。

 先行した39号車と38号車に対し、グリップ発動が早い残り6台の構図となるなか、セッション残り1分を切ってからの1発勝負と化したアタック合戦は、ここで1分31秒131とコースレコードを大幅に更新した16号車ARTAの福住仁嶺が後続を約コンマ5秒も引き離す圧巻の驚速ラップで、今季2回目のポールポジションを射止めてみせた。

 以降、フロントロウ2番手に19号車WedsSport ADVANの阪口晴南が続き、以下39号車DENSO中山、14号車ENEOS X PRIME大嶋和也までが1分31秒台後半を記録し、5番手37号車Deloitte TOM'Sまで4台のGRスープラが並ぶグリッドに。17号車Astemoを挟んで38号車ZENT立川は7番手、GT500初の予選アタックとなった木村偉織の100号車STANLEYが8番手となっている。

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