グローバルサプライヤー「ボッシュ」の日本法人は2024年9月6日、2024年5月から稼働している横浜市都筑区の新本社に加え、同敷地内に建設をすすめていた都筑区民文化センター(愛称:ボッシュ ホール)、全天候型広場を含めた施設一帯の竣工に合わせ、オープン記念イベントを実施した。
テープカットのセレモニーには、山中竹春横浜市長がゲストとして参加している。
ボッシュ新本社オープニングセレモニー。左からタニア・リュッカート本社役員、クラウス・メーダー日本法人社長、山中竹春横浜市長ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバーであり日本担当役員のタニア・リュッカートは記者会見で、「日本のようなテクノロジー先進国にふさわしい、エネルギー効率に優れた最新鋭の新本社が、ここ横浜に誕生したことを大変誇りに思います。都筑区、そして横浜市とこのような公民連携プロジェクトに携われたことを、非常に光栄に思います。わたしたちは、地元の自治体と協力し続けながら、地域のコミュニティや人々のために賑わい創出することを使命としています。これは、日本市場、そして本社を置く地域に傾注し続ける証であり、今後も日本における113年の歩みを継続していきます」と述べた。
マルチパーパスルーム:ワークショップ、社内の懇親会など、さまざまな用途で全従業員が利用できる部屋新本社の移転に伴い、東京・横浜エリアに点在していた8拠点から2000人の従業員が新本社に集約されたている。新本社は、同じ横浜市都筑区牛久保にある既存の研究開発施設から約2kmの場所に位置しており、これらふたつの施設にボッシュ・グループ全体の4割以上の従業員が集約されたのだ。また2024年にモビリティ事業を再編したことで、事業部をまたいだ協業が促進され、さらに今後は国内の研究開発体制のさらなる強化を見込んでいる。
ヘビーラボ・チューニングルーム中小型実験・研究設備新本社では、自動車の電動化や自動化、さらにソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)など自動車開発のトレンドに対応するため、研究開発設備を強化している。その一例として、年内に新設予定の半無響室が挙げられる。これは自動車における搭載製品の作動音、振動が車両全体にどのように伝達されるかをテストする設備だ。電気自動車やハイブリッド車の普及にともない、静かな車室内での機械作動音を気にするユーザが増えている傾向にあることから、音、振動に対する試験の重要性が高まっている。
新本社 1階また、先進運転支援システム(ADAS)に必要なレーダーの測定を行なう電波暗室を新設している。ミリ波レーダーは、レーダ位設置場所の材質、塗装色、形の違いが性能に影響を与えるため、開発車両のパーツを使って測定を行なう必要がある。従来、ボッシュのドイツやハンガリーの拠点で測定をしていたが、国内に新設備を備えたことで、試験期間の短縮や対象パーツの輸送コストの削減に貢献する。
さらに車載インフォテインメントシステムから、車内における通話品質やハンズフリーでの音声コントロール品質を調整するチューニングルームを新設。開発車両を試験機器に接続して調整することで、車内での音声認識の品質が国際基準や各種メーカーの基準に満たしているかどうかを試験することを可能としている。
地下1階と2階の大型の実験・研究設備に加え、業務フロアの地上2階から4階にはガラス張りの中小型実験・研究設備を設置。複数拠点で働いていた様々なチームが新本社で協業し、さらに業務フロアに研究開発設備を隣接し、かつオープンにすることで、事業部間・開発チーム同士との連携も取りやすくなっている。
例えば、研究開発エリアで働くエンジニアと、オフィスエリアで働くプロジェクトマネージャーの間で、情報交換やプロジェクトの進捗確認をすることが容易になっている。
このように、新本社ではこれまで複数拠点に点在していたエキスパートが連携し、チーム内や他の事業部と密にコミュニケーションを取りながら研究開発を進めている。
またもう一つの特長として、ボッシュは横浜市都筑区における区民文化センター等整備予定地活用事業における事業者として横浜市から選定されているため、2022年から新本社および都筑区民文化センターの建設を進め、今回計画通りに竣工を迎えた。
ボッシュ新本社に隣接する都筑区民文化センター:ボッシュ ホールこれはボッシュ・グループ初となる公民連携プロジェクトで、自社の拠点と地域施設を一体化し、地域の賑わい創出を担うことは、ボッシュにとって初めての試みとなる。都筑区民文化センターは、ボッシュと横浜市とのネーミングライツ契約のもと、「ボッシュ ホール(英語名:Bosch Hall)」という愛称で、2025年3月に開館予定だ。
一般の人々が利用可能で、コーヒーやソフトドリンク、ドイツ料理が楽しめる「cafe 1886 at Bosch」ボッシュ新本社1階は、ブランド認知向上に向けた様々な施策を採用している。2024年9月7日には、「cafe 1886 at Bosch」がオープンを迎え、一般の人々の利用が可能となる。このカフェではボッシュの本社があるドイツに関連したメニューも取り揃え、地域の人々にとって、憩いの場になることが期待されている。
ソーセージとポテトのカリーブルストカイザーシュマーレンまた、ボッシュの最新製品やテクノロジー、サービスを紹介するショールームを構え、自動車部品から電動工具に至るまで多岐にわたるボッシュの製品を展示する。さらに新本社の近くに位置する横浜市歴史博物館と連携し、横浜市にゆかりのある所蔵品を常時展示する。さらに2025年春以降、大会議室および中・小会議室の一部を有料で一般向けに貸出す予定で、ボッシュは今後も、都筑区における地域活性化や文化振興へ貢献するとしている。
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