ニンジャ7ハイブリッドと同時発売
カワサキは、量産モーターサイクルとしてニンジャ7ハイブリッドとともに世界で初めてストロングハイブリッドシステムを搭載した「Z7ハイブリッド(Z7 Hybrid)」を6月15日に発売すると発表した。
ドライバーについている「六角」は何のため?【DIY整備のギモン】
エンジン横の冷却ダクトなど、ハイブリッドならではのデザインを施す
海外仕様のニンジャ500/Z500/エリミネーター500が搭載する451ccエンジン(国内は398cc)をベースに、量産モーターサイクルとして世界初のストロングハイブリッドシステムを組み合わせた「Z7ハイブリッド」が2024年6月15日に発売される。
その名が示す通り700ccクラス並みの動力性能を発揮し、燃費は250ccクラス並み、車体サイズは600ccクラス並み。さらに、ニンジャe-1/Z e-1で初導入した『eブースト』を使用すれば発進加速の瞬発力は1000cc並みと、ハイブリッドシステムを燃費低減のためだけに利用しているわけじゃないところがカワサキらしさだ。
ガソリンエンジンは最高出力58ps/10500rpm・最大トルク4.4kg-m/7500rpmで、これにモーター出力を合わせることでシステム全体では69ps/10500rpm・6.1kg-m/2800rpmを実現。モーターは最大トルク3.7kg-mを0rpmから発揮するため、ゼロ発進ですでに400ccクラスの最大トルクが得られていることになる。
ちなみにスペック表の燃料消費率は23.6km/Lとなっているが、これはスポーツハイブリッドモードのMTによるもの。エコハイブリッドやEVモードを駆使すれば、さらに伸ばすこともできるはず。
トランスミッションは電子制御され、左手元のシフトセレクタによってマニュアル操作も可能。クラッチレバーは装備せず、油圧クラッチシステムはマシン側で自動制御されるため、AT限定大型二輪免許で運転できる。
走行モードはエンジンとトラクションモーターをフル活用する「SPORT-HYBRID」、モーターで発進し、必要に応じてエンジンが協調する「ECO-HYBRID」、静かでクリーンな低速用の「EV」の3つ。eブーストはスポーツハイブリッドモードのみで作動させることができ、5秒間限定で加速力が大幅に強化される。
このほか、ハイブリッドシステムならではのエネルギー回生システム、アイドリングストップ機能などによる燃費低減、アイドリングストップ機能や、何速で停止しても発進時に自動的に1速を選択してくれる“オートマチック ローンチ ポジション ファインダー(ALPF)”、スロットルを前または後ろにひねることにより、前進(約3km/h)/後進(約2km/h)で進めることができるウォークモードなど利便性の面でも万全だ。
―― 各モードの比較表。スポーツハイブリッドモードではMT操作のみでエンジンをフル活用かつeブーストが有効としているのに対し、エコハイブリッドモードはMT/ATが選べ、バランスよく使用しながらエネルギーを無駄遣いしないよう抑制している。MT設定の場合でもALPFのON/OFFは任意で選ぶようだ。ウォークモードはいずれの走行モードでも選択可。
―― エンジン+モーターの組み合わせはコンパクトで、普通の内燃機関を搭載していると言われたらわからないかも? Z400に対しスイングアームが延長されているのは、シート下にバッテリー搭載スペースを確保するためと強い発進加速に対応するためだろう。
車体は、ニンジャ400/Z400などでおなじみのスチール製トレリスフレーム。理想的な前後重量配分を実現するために、車体の中心近く(具体的にはシート下)に48Vリチウムイオンバッテリーを搭載する。車体カラーは、マット仕上げのライムグリーンを施したアンダーカウルと、シルバー×グラックのボディワークを組み合わせた。
フルカラーTFTメーターにはライディオロジーアプリのカスタムバージョンを介したスマートフォン接続機能を採用している。
このほか、国内仕様では高速道路で便利なETC2.0車載器キットを標準装備。また、1か月目点検に加え、3年間の定期点検とオイル交換(フィルター含む)を無償で受けられる“カワサキケア”も付帯する。発売日は2024年6月15日、価格は184万8000円だ。
KAWASAKI Z7 Hybrid[2024 model]スタイリング
―― KAWASAKI Z7 Hybrid[2024 model]
―― KAWASAKI Z7 Hybrid[2024 model]
―― KAWASAKI Z7 Hybrid[2024 model]
Z7ハイブリッドのスペック
―― 車名Z7 Hybrid型式8AL-CX500A全長×全幅×全高2145×805×1080mm軸距1535mm最低地上高130mmシート高795mm装備重量226kgエンジン型式水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ総排気量451cc内径×行程70.0×58.6mm圧縮比11.7:1最高出力(エンジン)58ps/10500rpm大トルク(エンジン)4.4kg-m/7500rpmモーター水冷交流同期電動機定格出力(モーター)8.2ps/2800rpm定格トルク(モーター)2.0kg-m/2800rpm最高出力(モーター)12ps/2600-4000rpm最大トルク(モーター)3.7kg-m/0-2400rpmシステム最高出力69ps/10500rpmシステム最大トルク6.1kg-m/2800rpm変速機常時噛合式6段リターン(オートメイテッド)バッテリーリチウムイオン(54V/27.2Ah)/重量13kg燃料タンク容量14LWMTCモード燃費スポーツハイブリッド(MT)=23.6km/L(クラス3-2、1名乗車時)キャスター/トレール25.0°/104mmタイヤサイズ前120/70ZR17タイヤサイズ後160/60ZR17ブレーキ前φ300mmディスク+2ポットキャリパーブレーキ後φ220mmディスク+2ポットキャリパー価格184万8000円車体色メタリックブライトシルバー×メタリックマットライムグリーン(SL1)発売日2024年6月15日
ディテール解説
―― 3つのドライブモードによる出力の違い。eブーストが使用できるのはスポーツハイブリッドモードのみだ。
SPORT-HYBRIDモード
– エンジンフルパワー
– エンジンは常時作動
– e-boost利用可能
– MT操作のみ
ECO-HYBRIDモード
– モーター始動+EV/HEV切替
– アイドリングストップ機能
– e-boostなし
– 選択可能なMT/AT
EVモード
– モーターのみ作動
– AT操作(1速-4速ギヤのみ使用)
– 低速、短距離のライディング
―― 451cc水冷4ストローク並列2気筒エンジン(ICE)のシリンダー後方にコンパクトなトラクションモーターを搭載。ストロングハイブリッドシステムを採用したパワーユニットは量産モーターサイクルとして世界初だ。φ36mm電子制御スロットルを採用し、スリーブレスシリンダーにはニンジャZX-10RやニンジャZX-6Rと同様のメッキボアを採用。吸気経路はダウンドラフトとしている。ライムグリーンのダクト類や、シフトペダルがないことなどがハイブリッドを感じさせる。
―― 新開発のコンパクトなLEDヘッドライトを採用。カワサキの革新的な世界初ストロングハイブリッドの証としてリバーマークを採用している。
―― ロアカウルに設置された冷却ダクトは、右側がシート下のバッテリーパックへ、左側はISGへと導風する。
―― 電子制御6速トランスミッションは油圧クラッチとギヤシフトを機械側が行うが、走行モードによってライダーが左ハンドルのシフトセレクタによってマニュアル操作することも可能だ。右手側にeブーストボタンがある。
―― スポーツハイブリッドモードではギヤシフトがマニュアル操作に。eブーストが使用できる。
―― エコハイブリッドモードはギヤシフト操作がMT/AT選択可。全モードでバッテリー残量が画面左、燃料残量が画面右に表示される。
―― EVモードはモーターのみの駆動となり、ギヤ操作はなくATのみ。
―― 取り回しで便利なウォークモードでは画面がオレンジ色になる。
―― ニンジャ7ハイブリッドと異なりネイキッド版のZ7ハイブリッドはバーハンドルを採用。綺麗に整理されたスイッチ類やクラッチレバーレスが新世代の乗り物を意識させる。
―― スマートフォン接続なども含め、各種セッティングはメーター画面上で行う。右側インジケーターの亀マークはモーターの熱管理上eブーストが使用できないときなどに表示される。
―― 燃料タンクは14Lと小さめだが、エコハイブリッドモードなどを駆使すれば十分な容量だろう。シートは快適性を考慮した肉厚なタイプ。
―― 【EICMA 2023にて】Z7ハイブリッドは上体がごくわずかに前傾する自然な乗車姿勢。ステップ位置は低めで膝の曲がりは穏やか。足着きは両足の親指付け根がしっかり接地し、不安は少ない。(身長170cm/体重71kg)
―― フロントはφ300mmダブルディスク+スライド式2ピストンキャリパー。フロントフォークは正立タイプだ。リヤには長めのスイングアームを採用。ディスクブレーキにはφ220mmディスク+2ピストンキャリパーを装備する。
その他のZ7ハイブリッドの写真
―― KAWASAKI Z7 Hybrid[2024 model]
―― KAWASAKI Z7 Hybrid[2024 model]
―― KAWASAKI Z7 Hybrid[2024 model]
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みんなのコメント
舐めてる。