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電気だけが答えじゃない! 水素エンジン&バイオ燃料車に一気乗りしたら想像以上に「普通」で驚いた

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電気だけが答えじゃない! 水素エンジン&バイオ燃料車に一気乗りしたら想像以上に「普通」で驚いた

 この記事をまとめると

■スーパー耐久シリーズの第2戦として「NAPAC富士SUPER TEC24時間レース」が開催

レースが再び走る実験室に! 富士24hレースでメーカーの威信をかけた「次世代車」の闘いが繰り広げられた

■会場ではメディア向けにカーボンニュートラル対応モデルの試乗会が実施された

■各モデルのインプレッションをお届けする

 水素カローラは瞬時に5000回転に到達!

 スーパー耐久シリーズの第2戦として6月3日~5日、富士スピードウェイを舞台に開催された「NAPAC富士SUPER TEC24時間レース」には既報のとおり、水素エンジンを搭載車した「GR Corolla H2 concept」を筆頭にカーボンニュートラル燃料を使用した「GR 86 CNF concept」や「BRZ CNF concept」、さらにバイオディーゼル燃料を使用した「MAZDA 2 Bio concept」など、カーボンニュートラルに向けて開発されている次世代マシンが登場。多くの注目を集めていたが、この富士24時間レースでは、そのカーボンニュートラル対応モデルの試乗会がメディア向けに実施されていた。

 用意されたモデルは水素エンジンを搭載したGRヤリスH2とカーボンニュートラル燃料を使用したGR86およびBRZ、そしてバイオディーゼル燃料を使用したCX-5で、富士スピードウェイのトヨタ交通安全センター“モビリタ”に設けられたパイロンコースで各マシンをドライブ。まずはGRヤリスH2から試乗してみたが、なかなか驚きの体験だった。

 試乗用のGRヤリスは左ハンドルの6速MTで、スーパー耐久の参戦車両であるGR Corolla H2 conceptとほぼ同じユニットを搭載。制御に関してもアクセルのオン・オフにリニアに反応するようにレーシーな味付けにセットアップされており、3000回転前後のパーシャルなアクセルワークにはギクシャクとした走りになる状態となっていた。

 加えてLSDおよび競技用のダンパーがインストール。航続距離や給水素の問題があるものの、ジムカーナ競技であればすぐにでも参戦できそうな仕上がりで、かなり楽しいマシンとなっていた。

 水素はガソリンに対して燃焼速度が早いことから、低速トルクの立ち上がりが速いと聞いていたが、本当に気持ちのよい吹き上がりで瞬時に5000回転へ到達。しかも、エンジンサウンドはガソリンエンジン車とまったく変わらない状態だ。

 富士24時間レースでGR Corolla H2 conceptのステアリングを握るドライバーたちは「言われなければ水素エンジンとわからない」と語っていたが、まさにそのとおりで、これは驚きの体験であり、久々にワクワクさせてくれるクルマだった。

 ちなみにGRヤリスH2もGR Corolla H2 conceptと同様に後席に水素タンクが搭載され、隔壁が設けられていたことから、後方視界や搭乗人数、荷物の積載を犠牲にしているが、試乗会場で展示されていたコンセプトモデル「カローラクロスH2コンセプト」は後席の下に水素タンクを搭載することでリヤシートおよびラゲッジを確保。GAZOO Racingカンパニーの佐藤恒治プレジテントは「水素エンジンの市販化への道のりを富士登山に例えると6合目まで来ていると思います」と記者会見で説明していたが、カローラクロスH2コンセプトは市販化へ向けた大きな一歩となるに違いない。

 スバル、マツダもニュートラル燃料車で自然なフィーリングを実現

 次に筆者が試乗したのが、BRZのカーボンニュートラル燃料車で、比較対象としてガソリン車にも試乗してみたのだが、これもまた驚きの体験だった。というのも、BRZのカーボンニュートラル燃料車とガソリン車を乗り比べてみたのだが、まったく違いがわからない状態。

 いや、トヨタの記者発表会でカーボンニュートラル燃料の値段が「リッターあたり、1桁は違う」と聞いていたことから、そのプラシーボ効果なのだろうか。筆者はちょっとだけ、カーボンニュートラル燃料車の吹き上がりが気持ちよく感じたのだが、それを指摘したらスバルのエンジニアに苦笑いされたので、ここだけの秘密にしておこう。

 そして最後に筆者が試乗したのが、CX-5のバイオデーゼル燃料車で、MAZDA 2 Bio conceptにも使用されているユーグレナ社のサステオを約20%採用。マツダのエンジニアによれば「サステオが100%だとノッキングが出てしまうので、レーシングカーではそれに合わせたチューニングを行なっていますが、今回はそれができないので20%に落としました」とのことだ。こちらも比較対象としてガソリン車にも試乗したのだが、その直後でも「?」と思うほどで、まったく違いがわからなかった。

 いや、正確には「サステオは1リッターで1万円」と聞いていたので、その高級燃料がまたしても筆者の脳内でプラシーボ効果を発揮したのだろう。不覚にもバイオディーゼル燃料車のほうが軽い吹き上がりに思えたのだが、こちらもマツダのエンジニアに失笑されたので、ここだけの秘密だ。

 カーボンニュートラル燃料車もバイオディーゼル燃料車も同じフィーリングで、各メーカーの担当者も違いがわからないという。逆に言えば、今回の試乗車のように燃料を入れ替えるだけで、カーボンニュートラルに繋がるのはお手軽な方法である。課題はカーボンニュートラル燃料にしても、バイオディーゼル燃料にしても「価格」となるが、ユーグレナ社のサステオは大量生産で1リッターあたり200円前後まで引き下がる見通しを持っているだけに、価格がガソリンと同等になってくれば、カーボンニュートラル燃料車&バイオディーゼル燃料車も脱炭素ビークルの主流になりえることだろう。

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みんなのコメント

13件
  • リッター2キロ V8 7.3ℓのアメ車がいいね!
  • 「エネルギーを使わない、消費しない」社会へのシフトが必要となっている
    燃料がどうとか、発電所の方式だとか、そんなことではなく、もっと根本から変えていかなければ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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