国産車に限ったことではないが、クルマはモデルチェンジのたびに大きくなり、重くなる傾向がある。これには、安全基準に適合させるためや居住空間の拡大などの理由があるが、運動性能や燃費など、小さくて軽い方が有利なことだってある。そこで今回は、ダイエットに成功して明るい未来を手に入れたクルマたちを紹介しよう。
文/木内一行、写真/スズキ、日産、マツダ
やっぱり軽いは正義だった!! [ダイエット]して生まれ変わったクルマ4選
【画像ギャラリー】軽くなったらめちゃ良くなったクルマたち!(15枚)
「原点に立ち戻ったザ・ライトウエイトスポーツ」 マツダ・ロードスター(現行)
歴代ロードスターで最も短くなったボディは、先代よりもAピラーを57mm、カウルを77mm後方へ移動し、人を中心に配置した美しいプロポーションを構築。印象的なヘッドライトは「瞳」を表現したという
初代、2代目と、ライトウエイトスポーツとして世界中で大ヒットしたロードスター。
しかし3代目ではエンジンが2リッターになり、ボディも3ナンバーサイズに拡大。これによりロードスターの良さがスポイルされたとなり、昔ながらのファンからは敬遠されることになってしまったのだ。
そこで現行NDでは原点に立ち戻り、軽量コンパクトを追求。
シャシーやボディに自慢のスカイアクティブ技術を盛り込み、マツダの歴代スポーツカーが取り組んできた「グラム作戦」を推進したことで、先代よりも100kg以上の軽量化に成功。シャープなマスクと美しいプロポーションのボディは、初代と比べて全幅は60mm広いものの、全長は40mmも短くなっている。
フロントミッドに搭載されるエンジンは1.5リッター自然吸気のスカイアクティブG 1.5。これはアクセラにも搭載されていたユニットだが、各部を専用設計することで全域でのトルクアップと高回転化を実現。スペック的には大したことないが、1トン程度の車重ゆえ走りは痛快だ。
2016年にはリトラクタブルハードトップのRFも登場。車重は増加したが日本仕様には2リッターエンジンが搭載され、ソフトトップとは違う魅力や楽しみが感じられる。
3代目はシャシー性能が高くパワーもありクルマとしての潜在能力は高かったが、ロードスターらしさは薄れてしまった。そういう点では、やはり現行NDがロードスター本来の姿なのだろう。
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「思い切った変革で軽く、そしてコンパクトに」 マツダ・デミオ(3代目)
今では世界共通のマツダ2に改称されたものの、マツダのコンパクトカークラスを長らく担ってきたデミオ。
初代は「自由形ワゴン」をコンセプトに大ヒットし、2代目はそれを正常進化させたわけだが、2007年デビューの3代目では路線が大きく変わった。
目指したのは「パーソナル・スマート・コミューター」で、見た目だけで乗りたくなる個性的なデザインと、日常での使い勝手を高めるパッケージ・機能性を実現。
先代よりも30~40mm短く、全高を55mm低くしたボディは、扱いやすさとスタイリッシュなフォルムを両立。その一方、デザインとパッケージングの追求によりゆとりある室内空間を確保し、日常で十分に満足できる積載性も確保した。
そして、特にこだわったのが軽量化。ロードスターやRX-8などの開発で培ったノウハウを活用してボディやシャシーを刷新し、先代比で約100kgの軽量化を達成したのである。
エンジンは進化した1.5リッター/1.3リッターユニットに加え、新開発の1.3リッターミラーサイクルエンジンを搭載。マツダ初のCVTも採用された。
さらに2011年には、現在のマツダのコア技術となるスカイアクティブエンジンを初搭載。アイドリングストップ機構を組み合わせ、30.0km/Lという低燃費を実現した。
ダイエットとともにシェイプアップも行った3代目デミオは、路線変更が見事にハマった好例だ。
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「1トン切りで痛快さが増したホットハッチ」 スズキ・スイフトスポーツ(3代目)
躍動感あふれるフォルムのエクステリアは、国内のスイフトで初の3ナンバーボディを採用。カーボン調シボを施したグリルやスポイラー類がスポーツらしさを際立たせている。デュアルエキゾーストパイプは先代から受け継いだ
スイフトスポーツといえば今や希少なホットハッチ。
2005年に登場した初代(スズキ公式の分類)以来、元気のいいエンジンと軽快な走りで高い評価を獲得。2017年にモデルチェンジした3代目では、より高性能なホットハッチに進化した。
一番の見どころは、なんといっても軽さだ。軽量化と高剛性を両立させた新プラットフォームの「HEARTECT(ハーテクト)」を軸に、エンジンや足回りなど車両全般にわたり徹底した軽量化を図ることで、先代比マイナス70kgの軽量化に成功。車両重量は1トン未満を実現した。
トレッドを前後とも30mm拡幅してシリーズ初の3ナンバーサイズとなったボディは、空力パーツの作り込みにより揚力と空気抵抗の低減を高レベルで実現。先代よりも空気抵抗は10%向上し、ノーズを前方に迫り出させたマスクが特徴的だ。
パワーユニットは、スイフトスポーツ初のターボとなる1.4リッター直噴ターボのK14C。エスクードに先行して搭載されたエンジンだが、専用チューンを施すことで140ps /230Nmを発揮。エキゾーストサウンドもスポーツを体感できるようこだわったという。
ちなみに、デビュー当初の新車価格は6MTで183.6万円也。軽量コンパクトで楽しく走れ、なおかつリーズナブル。こんな理想的なスポーツハッチは国宝級だ。
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「取り戻したFRスポーツの軽快な走り」日産・シルビア(7代目)
デートカーとして人気を獲得するとともに、手頃なサイズのFRターボということで走り好きからも支持された5代目S13シルビア。
しかし、次の世代のS14ではボディが3ナンバーサイズになり、車重も増加。こういった変化を受け入れられなかったファンも多く、日本では評価を下げることになってしまった。
そんな失敗を糧に、起死回生を狙ったのが1998年に登場した7代目S15だ。
メーカーの資料には「見て、乗って、走って、エモーションを感じる軽快コンパクトなスポーティクーペ」を開発コンセプトとしたことが明記されており、この文言からも明らかに軌道修正を狙ったことが感じ取れる
ボディは再び5ナンバーサイズとなり、低くスラントしたフロントノーズとサイドの強烈なキャラクターライン、大きく張り出したリアフェンダーなどが特徴的。FRらしさや速さを表現したフォルムで、いっそう走りのイメージを強調している。
プラットフォームは先代からのキャリーオーバーのため、サスペンション形式やホイールベースに変更はない。ただし、搭載されるSR20は改良されて自然吸気、ターボともにパワーアップ。ターボには6MTがおごられた。
ちなみに、車両重量は先代から10~20kgほどしか軽くなっていない。しかし、ボディサイズ縮小との相乗効果により、シルビアの魅力であった軽快な走りが復活したのである。
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みんなのコメント
ダイエット生まれ変わったなのだから
何キロが何キロになったを表記すべき
制動距離も短くなります(同一の条件にするのは中々難しいですが。)
燃費は間違えなく向上は見込めます。
過剰な装備が少なくなれば部品点数も減りコストカットから車両価格も場合によっては重量税も安くなります。
道路にも優しいですね。
皆さんも軽い車に乗りましょう!