2022年モデルをもって生産を終えると噂され、中古車相場の高騰を引き起こした日産 GT-R。ところが東京オートサロンでまさかの2024年モデルが発表されたことで流れが変わった。数千万円が当たり前とされた中古GT-Rの相場はどうなっているのか。最前線を取材した。
文/萩原文博、写真/日産自動車、ベストカーWeb編集部
まさか2024年モデルが投入されるとは……R35 GT-Rの中古車相場がダダ下がり! で今が買い時?
■2022年モデルがファイナルと思われたR35型GT-R
2021年9月に発表された日産 GT-R(R35型2022年モデル)。写真の100台限定特別仕様車「T-spec」はあっという間に完売した
2021年9月、日産R35型GT-R 2022年モデルが発表された。100台限定の特別仕様車「T-spec」は瞬く間に完売。
そして2022年春の時点で、GT-Rのホームページには、
「GT-R 2022年モデルは、世界的な半導体不足と新型コロナウイルス感染拡大による諸外国でのロックダウン等により、一部の部品供給が大幅に制限されている中、非常に多くのご注文をいただいている関係で、新規の商談並びに、ご注文の受付を停止させていただいております。」
というアナウンスが書かれていた。
また、この時点でR35型GT-Rは欧州での新しい騒音規制やオーストラリアでの安全基準をクリアできず生産終了となっていたこともあり、日本の騒音規制に適応することなく、このままフェードアウトする、と多くの人が考えたのだろう。
その結果、何が起こったのか。ご存じのとおり中古車相場の暴騰だ。2022年1月の時点でR35GT-Rの中古車の平均価格は約900万円だった。その後3月には約1,287万円。5月には最高額となる約1,540万円まで上昇した。
その後はわずかな上げ下げは見られたものの、それでも10月までは約1,400万円台と高値をキープ。最高値の中古車は約7,000万円という驚異の価格だった。
そして2023年1月13日。幕張メッセで開催された東京オートサロン2023の会場で、日産R35型GT-R 2024年モデルが公開され、春に発表・発売(GT-R NISMOは今夏発売予定)とアナウンスされ、アシュワニ グプタCOOの口から「R35型GT-Rの集大成ともなるモデル」と語られた。
本当のラストモデルとも言える2024年モデルが発表されたR35型GT-Rの中古車相場はどのように動いているのか。最新情報を紹介しよう。
■さらに磨きがかかった2024年モデルが登場!
2023年1月の東京オートサロン2023で発表された日産 GT-R(R35型2024年モデル)
中古車相場を紹介する前に、公開されたR35型GT-R 2024年モデルの特徴を紹介しておきたい。フロントのデザインが大幅に変更され、空力性能を向上させ、洗練された乗り味を実現させている。
最高出力を維持しながらも走行時の不要なノイズと振動を低減することで、綿密に法律された感性に響くサウンドを実現。同時に車内快適性も向上させたのが特徴だ。
2022年で登場した特別仕様車の「T-spec」も設定され、プレミアムエディションT-specでは、専用のサスペンションセッティングと専用カーボンセラミックブレーキなどを採用し、よりしなやかで上質な走りと意のままに操れる楽しさを両立している。
また、GT-R NISMOは、空力性能の磨きこみをはじめ、サスペンションのチューニング、フロントメカニカルLSDを追加することでコーナリング性能を向上させることにより、GT-R史上最高のパフォーマンスを発揮するという。
つまり、懸念されていた国内の騒音規制をクリアした最強のGT-Rというのが2024年モデルということなのだ。まだ価格や詳しいスペックは未発表だが、その期待値は大きい。
先ほども書いたとおり、R35型GT-Rの中古車相場は、2022年モデルの生産終了、受注停止を受けて、2022年1月~5月のわずか5カ月で平均価格が500万円以上という暴騰ともいえる値上がりとなった。
■2022年モデルの相場は大きく落ちるはず
東京オートサロン2023でのデモ走行
しかし、1月の大幅改良が発表される直前の12月から値落ち傾向が始まっていたのだ。2022年12月の平均価格が約1,390万円。2023年1月に大幅改良が発表されると約1,343万円までダウン。そして2023年2月現在では約1,313万円とわずか2カ月で約77万円もダウンしているのだ。
とはいえ中古車の価格帯は、依然として約588万~約6,280万円と新車価格を大きく上回るクルマが流通している。その理由はこの後説明する。
知り合いの中古車販売店のスタッフに、最新のオークション価格を聞いてみると「NISMOは3~400万円落ちていますね。以前のように価格が付かなくなっています。」ということで、すでにオークションにおいて、プレミアム価格は終焉を迎えている。
しかし、販売店は高値で仕入れてしまっているので、値下げしたくてもできないのが正直なところだろう。これが現在も高額な中古車が流通している理由だ。
一方、高性能化した2024年モデルの新車価格は、3,000万円以上というプライスにはならないと考えられる。したがって、100台限定で販売された「T-spec」を除けば、R35型GT-Rの中古車相場は今後もさらに下がるのは間違いない。
特に最終モデルになるのではないかと思われていた2022年モデルの値落ちはかなり大きくなるだろう。
2024年モデルの登場によって、R35型GT-Rの中古車相場は適正に向かうということになるのは間違いない。
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みんなのコメント
同じように長期間製造され930ターボがラインナップに入っていた2代目ポルシェ911を彷彿させます。
日本メーカーも儲け捨てて本気になったらポルシェと同じ事が出来ると言うのが判りました。