バリバリ女子レーサーの一刀両断
国内レースJ-GP3に参戦するなど活躍を続ける女性レーサー・岡崎静夏さん。今回彼女が試乗するのは、「手の内に収まるパワー&サイズ感がお気に入り」という’19ホンダCBR250RR〈ABS〉だ。女性らしい細やかなインプレッションをお届けするにあたり、まずはこのモデルのディティールをあらためて紹介/解説する。
岡崎静夏がPCX HYBRIDに試乗「優しく後押ししてくれるハイブリッドシステムが◎」
’19ホンダCBR250RR〈ABS〉
CBR250RRが、直列2気筒エンジンと”RR”の称号を引っ提げて登場したのは’17年。スロットルバイワイヤシステムをコアとし、3つのライディングモード切り替えを搭載。倒立フロントフォークなど、走りの装備はクラスを超えている。’19最新モデルはカラーリングを変更している。
◆“いかにも速そう”な先鋭的スタイリング
スピード感とレースイメージたっぷりのフルカウルスポーツモデルで、シャープでエッジの効いたフォルムがエキサイティングな走りを予感させる。コンパクトな車格で老若男女幅広いライダーに対応するのも大きな特徴のひとつだ。
―― ’19ホンダCBR250RR〈ABS〉主要諸元 ■全長2065 全幅725 全高1095 軸距1390 シート高790(各mm) 車重167kg ■水冷4スト直列2気筒DOHC4バルブ249cc 最高出力38ps/12500rpm 最大トルク2.3kg-m/11000rpm 6速リターン 燃料タンク容量14L ■タイヤサイズF=110/70-17 R=140/70-17 ●税込価格85万4700円 (グランプリレッド|ストライプの場合)
―― ’19ホンダCBR250RR
―― 身長158cmの岡崎さんでも、両足のカカトが軽く浮く程度でしっかり着地。サーキットを走るとステップ位置をもう少し上げたくなるが、ツーリングではこれぐらいのヒザの曲がりが快適とのこと。
◆カラーバリエーションは4色
CBR250RRのカラーバリエーションは、グランプリレッド(ストライプ)、グランプリレッド、マットガンパウダーブラックメタリック、パールグレアホワイトの4色だ。
―― (上左)グランプリレッド(ストライプ)(上右)グランプリレッド(下左)マットガンパウダーブラックメタリック(下右)パールグレアホワイト
CBR250RRのディテール解説
◆エンジン:常用域での扱いやすさと高回転域での刺激をバランス
CBR250RRのエンジンには、アルミシリンダースリーブや、モリブデンコーティングを施したピストンなど、独自の軽量化技術とフリクション低減技術を投入。低・中回転域での扱いやすさと高回転域の爽快感を両立させている。
―― ’19ホンダCBR250RR
◆250ccクラス初のスロットルバイワイヤを搭載
スロットル開度を機械式ワイヤー構造ではなく電気信号で伝達する「スロットルバイワイヤ」により、ライダーのスロットル操作に対して、より緻密なスロットルバルブ制御が可能になった。それが上質でリニアな加速フィールに貢献している。
―― スロットルバイワイヤ構造
◆状況や好みに応じて3つのエンジン特性から選択
エンジン特性が明確に変わるライディングモードは、オールラウンドな「Sport」、ハイレスポンスな「Sport +」、リラックスして走れる「Comfort」の3つを設定。左ハンドルのスイッチで設定する。
―― ’19ホンダCBR250RR ライディングモード
◆軽快な運動性能を生み出すトラス構造のフレーム
CBR250RRのフレームには、高剛性としなやかさを両立した鋼管トラス構造が採用されている。アルミ製スイングアームは左右非対称で、右側の「への字形状」がマフラーの張り出しを抑え、より深いバンク角の実現に貢献している。
―― ’19ホンダCBR250RRのフレーム&スイングアーム
◆ブレーキ&サスペンション
足回りについては、倒立式フロントフォーク、プロリンク採用のリヤサスペンション、ウェーブ形状のブレーキディスクなど、本格的な装備。ライダーの操作に対して予想通りの動きをしてくれるので、安心感が高い。
―― ’19ホンダCBR250RR
◆マフラー
右側2本出しのデザインがアグレッシブな印象を与えるマフラー。3室に分けたサイレンサーの、2室、3室それぞれから排気管を設けたデュアルテールパイプ仕様が採用され、そこから放たれる排気音はスポーツ気分満点だ。
―― ’19ホンダCBR250RR
◆ウインドプロテクション
―― コンパクト&スマートながら十分な風防効果を発揮してくれるカウル&スクリーン。あちこちに空力特性を考えた形状が採用されていて、見た目にもカッコいい仕上がりです。
◆燃料タンク
―― サーキット走行時にヒジでホールドしやすいタンク形状。燃料キャップは便利なヒンジ式。
◆シート&ステップまわり
―― 直列2気筒エンジンながらシート前方がギュッと絞り込まれており、足着き性を高めてくれています。タンデムシートはエマージェンシー用ですね。ステップのローレット加工や肉抜きが本格的です。
◆積載性
―― スポーツバイクらしく積載性は割り切っています。シート下の収納も書類と車載工具でギリギリという感じ。ヘルメットホルダーも付いていますが、力とコツが必要で女子にはちょっと難しいかな。
◆メーター
―― ニーゴーとは思えないほど情報量が豊富なデジタルメーター。モードの設定が見やすい!
◆左右スイッチ
―― ごく一般的で操作しやすいスイッチ類です。左ハンドルにはモード切り替えスイッチも。
◆スタンド
―― 短めのサイドスタンドは引き起こしが楽。反対側に傾かないよう置き場所に気を遣います。
◆車載工具
―― ヘルメットホルダー用ワイヤ、ヒューズクリップなど。フックレンチでリヤサス調整も!
次稿にて岡崎静夏のCBR250RR試乗インプレをお届け!
●まとめ:高橋 剛 ●写真:楠堂亜希 ●取材協力:ホンダモーターサイクルジャパン
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