今季からVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの併催イベントとして創設されたピックアップ・トラックによるレースシリーズ、ECB豪州スーパー・ユート。その6車種目の参戦モデルとなる『いすゞD-MAX』が、ゴールドコースト近郊ノーウェルのトラックでシェイクダウンを行った。
オーナードライバーであり、スティーブ・ウィルソン・レーシング代表を務めるウィルソンがステアリングを握り、共通パーツ開発も担ってきたロス・ストーン・レーシングが製作したD-MAXをドライブ。
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2時間のセッションでトラブルフリーの走り出しとなり、新たなディーゼル・ターボ・ピックアップ・トラックの公式戦デビューに向け重要な一歩を踏み出した。
このD-MAXは、開幕戦となった先月初旬のアデレードには投入が間に合わなかったものの、5月中旬にビクトリア・サーキットで開催される第2戦に先立ち、4月2週にはそのウィントンでさらにテストを重ねる計画となっている。
参戦車両はディーゼルターボ搭載モデルでダブルキャブ形状のボディを持つピックアップトラックと規定されており、その生産車ベースのエンジンに対して共通ターボとECUで性能をコントロール。
また車体側でも多くの共通部品が採用され、ロールケージ、リヤサスペンション、ブレーキ、ステアリング、ペダルユニット、Motec製データロガーなど、多くのコンポーネントが指定部品となっている。
「今回は本当の意味でロールアウトだったけど、すべてがうまくいった。大きな問題は発生せずに満足しているよ」とステアリングを握ったスティーブ・ウィルソン。
「(昨季までドライブした)V8ユートとは違って、ターボにブースト圧が掛かるときはかなり異なるフィーリングだけど、感触は悪くないよ」
「次回のウィントンテストはさらに前進できるだろうし、今回築いたベースは悪くない。(マシン製作を担当した)ロスたちが他のクルマから得たいくつかの情報もフィードバックされていて、とくに熱害の問題は最初からクリアになっていた」
すでに開幕戦でデビューを果たしている『マツダBT-50』、『トヨタ・ハイラックス』、『ホールデン・コロラド』、『ミツビシ・トライトン』、『フォード・レンジャー』に加えて、6車種目のモデルとなったD-MAXだが、その導入はウィルソンの熱意により実現したものだと言える。
「僕はいすゞの大ファンだからね。豪州国内で展開するビジネスの目的も加味して、この選択をすることは必然だった」とウィルソン。
「他の誰かが作ったものや、同じ仲間がいれば開発も少し楽になったかもしれないが、それでもこうして挑戦することで、カテゴリーに新たなマニュファクチャラーを加えられたのは良いことだ」
「開幕戦のアデレードはTVで観戦したけど、自分がそこにいてトラックを走らせていないことに少しフラストレーションを覚えたよ。でもECBスーパー・ユート・シリーズは見栄えもよくて、とてもよい商業的価値を創出したように感じる。もちろん、この先も成長を続けていくはずだ」
4月2週に開催されるウィントン・テストには、シーダーズ・レーシングの『マツダBT-50』、『トヨタ・ハイラックス』、『ミツビシ・トライトン』なども参加し、開幕戦で発生したターボチャージャーの熱対策や、ディーゼルの出力調整が行われ、今後はVASCシリーズの技術部門と共同で、信頼性だけでなくパフォーマンスアップ方向の調整が予定されている。
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