レッドブルのセルジオ・ペレスは、F1カナダGP決勝の52周目にクラッシュしリタイアとなったが、すぐにマシンを止めずに走行を続けたとして、次戦スペインGPで3グリッド降格のペナルティを受けることになった。
ペレスはスリックタイヤを履いたレース後半、13番手を走行していたが、52周目のターン6で右側のタイヤでウエットパッチを踏んでしまい、クラッシュしてしまった。
■ペレス、契約延長も直近3戦で獲得したポイントはわずか4点。レッドブル代表は改善を求む「以前の状態に戻ってもらわなくては」
ペレスはアウト側のウォールに激突してリヤウイングに大きなダメージを負ったが、チームからマシンをピットに戻すよう要請された。
半周以上スロー走行しながらピットに戻り、そこでレースを終えたペレスだったが、多くのデブリを撒き散らしながらの走行となったため、レーススチュワードはレッドブルが安全でない状態で走行を続けさせ、レギュレーションに違反したのではないかレース後に審議することになった。
結果、スチュワードはペレスとレッドブルが競技規則の該当条項に違反したとみなし、ペレスに次戦スペインGPでの3グリッド降格ペナルティを科した。また、チームは違反行為に対して2万5000ユーロ(約422万円)の罰金を支払うことになる。
レッドブルはスチュワードのヒアリングで、セーフティカー出動を避けるために、ペレスにステイアウトすることを求めたと認めた。
当時、ペレスのチームメイトであるマックス・フェルスタッペンがレースをリードしており、2番手のランド・ノリス(マクラーレン)に5秒のギャップを作っていたが、これが帳消しになることをチームは恐れたのだ。ただ結局、他にもクラッシュが発生したため、54周目にセーフティカーが出動している。
スチュワードは声明の中で、その判断を次のように説明している。
「ターン6でバリアに接触した後、ドライバーは大きく損傷したマシンでその周の残りを走り続け、ピットに戻る途中でカーボンファイバー製のパーツをいくつか落とした」
「チームはヒアリングの中で、セーフティカーが出動するような状況を避けるため、ドライバーにマシンをピットに戻すようアドバイスしたことを認めた」
「スチュワードは、チームに対する金銭的なペナルティだけでなく、事故の安全性への影響から競技的なペナルティも必要だと判断した。ペナルティは前例に沿って科される」
スペインGPでのグリッド降格は、ペレスにとって散々だった週末のきつい追い討ちとなってしまった。
チームとの契約延長後の初戦で、ペレスは予選をQ1で敗退し、16番グリッドからの追い上げを余儀なくされた。レース展開次第ではポイント獲得のチャンスも残されていた中で、自らのクラッシュでレースを終え、これで2戦連続のノーポイントに終わっている。
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