■モスクワ「赤の広場」をパレードする「アウルス」とは
2021年5月9日にロシアの首都モスクワでは、プーチン大統領をはじめとする政府や軍の要人が参列した第2次世界大戦の対ドイツ戦勝を記念する軍事パレードがおこなわれました。
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そのなかで、プーチン大統領が乗るクルマとして「アウルス」という自動車ブランドがパレードに参加していましたが、どのようなブランドなのでしょうか。
世界各国の首脳陣や要人が乗るクルマとして、それぞれの国では自国の自動車メーカーの最高級モデルが用いられるケースが大半です。
日本では、首相や各省庁大臣、要人などはトヨタ「センチュリー」を筆頭に「クラウン」やレクサス「LS」が用いられています。
アメリカではGM社のGMCトップキック(シボレー・コディアック)のシャシにキャデラックのボディを載せた大統領専用車(通称:ビースト)が知られています。
そうしたなかで、プーチン大統領などロシアの要人を乗せるのがアウルスです。
アウルスは、2018年開催のモスクワモーターショーでセダンの「セナート」が初公開されました。アウルスブランドの展開やセナートの開発は、ロシア国営の中央自動車エンジン科学研究所(NAMI)がおこなっています。
アウルスブランドのなかで大統領専用車となるのが、セナートのロングホイール仕様となる「セナートリムジン」です。
セナートリムジンは、ボディサイズが全長6630mm×全幅2020mm×全高1695mm、ホイールベース4300mm、最低地上高170mm、総重量6950kgというまさにロシア大統領の公用車に相応しいスペックを誇ります。
パワートレインは4.4リッターV型8気筒エンジン+ハイブリッドシステムに9速ATを組み合わせた4WDとなり、最高出力598馬力を発揮することで最高速度は160km/h、0-100km/h加速は12.5秒となっています。
エクステリアでは、フロントデザインがロールス・ロイスのような縦基調の大型フロントグリルや左右のロアグリル、厚みのあるLEDヘッドライトなどの採用や20インチアルミホイールを装着することで、存在感かつ威厳を示しています。
インテリアは、黒を基調としたレザー仕上げとなっているほか、随所にクロームをアクセントとして加えることで高級感漂う雰囲気です。
また、要人を乗せることが前提なことから4ゾーンオートエアコンを採用しているほか、後席にはリアマルチメディアシステムが備えられ車内Wi-Fiによってインターネットに接続することができます。
安全装備においても、世界の高級車同等を兼ね備えていますが、最大の特徴はそのセキュリティ装備です。
ロシアの大統領をはじめとする要人を乗せることからも、国際規格に準ずる防弾レベルのなかでもVR8/VR10というトップクラスを誇ります。
また防弾性の高いホイールや防火防爆性の高い燃料タンク、消火およびクリーンエアシステム、外部インターホン、非常口などが備えられています。
※ ※ ※
なお、アウルスではセナートとセナートリムジンの2車種のみのラインナップとなっており、ともにロシア国内ならび海外の要人用に用いられることが大半なようです。
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ロールス・ロイスでもよいのでは?