インディカーの第12戦の予選がインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行なわれ、これがシリーズデビュー戦となったクリスチャン・ルンガー(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は予選4番手といきなり速さを見せた。これには、ルンガー本人も驚きを感じており、「家族が結果を知ったら心臓発作を起こすんじゃないか」と語った。
アルピーヌの育成ドライバーであるルンガーは、普段はFIA F2選手権を主戦場としているが、インディアナポリスのロードコースでも高パフォーマンスを発揮。1時間のプラクティスからチームのレギュラードライバーであるグレアム・レイホールや佐藤琢磨を上回り、7番手タイムを記録した。
■インディカー第12戦インディGP2:オワードが僅差のPP。デビュー戦ルンガーが奮闘4番手、佐藤琢磨はQ1敗退
予選でも、ソフトコンパウンドであるレッドタイヤのグリップ向上にも動じず、ポールポジション争いを展開。0.0286秒差の4番手となった。
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、3台体制でのフルタイムエントリーも検討中であり、ルンガーはその候補のひとりだと公言している。アルピーヌF1チームへの昇格が望めない今、ルンガーはインディカーのシートを手にするために、素晴らしいアピールをしてみせたと言えよう。
「家を出るときには、まさかこんなポジションにいるとは思っていなかった」とルンガーは語った。
ルンガーはそう語った。
「家族は今、眠っているだろう。朝、目が覚めたら心臓発作を起こすんじゃないかな!?」
「ここにいることができて、本当に幸せだ。一秒一秒を楽しんでいる。ヨーロッパとは全然違うからね。ファンの皆さんの姿を見るだけでも素晴らしい」
「今年のF2レースでは、ファンが集まったことが1度か2度あったけど、収容人数は半分程度だった。だからここに来て、多くの人が僕たちの近くにいるのを見るのは、本当に素晴らしいことだ」
7月にバーバー・モータースポーツ・パークで行なわれた1日のテストで初めてインディカーマシンをドライブしたルンガーは「今のところいい感じだと思うけど、このポジションは予想していなかった」と話す。
「テストを終えて、クルマの状態はわかっていた。でも僕がテストをしたのはバーバーだったから、何が起きるかは分かっていなかった。でもマシンがかなり似ていることが分かったんだ」
「もちろん、若干の違いはある。でもレースカーはレースカーだ。クルマの限界を見つけることが重要だ。それをすぐに見つけられたと思う」
「F2マシンとインディカーは、どちらもダラーラ社製だ。かなり似ている部分もあると思う。クルマの走らせ方だけなら、それほど大きな違いはない。だからこそ、すぐに慣れることができたのだと思う」
ルンガーは、さらなるスポット参戦の可能性について、状況は今のところはオープンだと語った。
「将来については、様々な選択肢があると思う。これ(インディカー)がそのひとつではないと言うつもりはない。間違いなく選択肢のひとつなんだ。でも他にもある」
「レースをしにここに来れたということは、将来の決断に向けて良いことだと思う。今日のパフォーマンスからすると、将来は明るいようにも思える。でもそれ(インディカー)をやると言うつもりはない。非常に多くの選択肢があるんだ」
「つまり、僕は探求するためにここにいるんだ。おそらく後で、他のいくつかのことも試してみるだろう」
「F2はまだ半シーズン残っている。僕はまだF2でチャンピオンシップのポジションを上げるに焦点をあてているんだ」
FIA F2では現在ランキング12番手と物足りない結果となっているルンガーだが、アメリカのファンには鮮烈な印象を与えたことだろう。決勝でさらなるアピールができるか注目だ。
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