3年前にSUVの開発をアナウンスし“プロジェクト・カリナン”と命名されたロールスロイス史上初の新型4WDモデル『ロールスロイス・カリナン』が、5月10日にイギリスでついにワールドプレミアされた。オールアルミニウム構造の最新アーキテクチャーを用いて、同社の代名詞である“マジック・カーペット・ライド”をオフロードでも継承したと謳われ、日本市場にも6月の上陸が予定されている。
これまでに発見された世界最大のダイヤモンドに因んで命名された『ロールスロイス・カリナン』は、先にデビューを果たした最新世代の『ファントム』にも用いられた同社初のモジュラーシャシー、“アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー”を採用。オールアルミニウム製でありつつ、SUV初の試みとして『3ボックス』の構造とし、後方のパーティションがラゲージコンパートメントから独立した環境を作り出すなど、最高級ラグジュアリーSUVとしての新機軸が数多く盛り込まれている。
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こちらもロールスロイス伝統の排気量となる6.75リッターのV12エンジンには、新たにツインターボを装備。563PSのパワーと850Nmのトルクという“必要充分”な出力を発生する。
そのパワーを受け止める最新型自動レベリング式エアサスペンションは、毎秒数百万回の計算を行い、車体と車輪の加速に応じた入力情報とカメラ情報で管理。
ダブルウィッシュボーン式フロント・サスペンションと5リンク式リヤ・サスペンションには、四輪ステアリングを追加したのに加え、前後方向のラテラルロール・シアフォース制御を可能とした。
さらに、キーのアンロック時や美しい触感のステンレススチール製ドアハンドルに手を伸ばすだけで、自動的に車高を40mm下げる機能なども備え、オフロード走行時には“エブリウェア”ボタンを押すだけで最適な駆動配分制御を行うなど、ロールスロイスの名に恥じないあらゆる機構を盛り込んでいる。
そしてロールスロイス史上初となるテールゲートは『ザ・クラスプ』と名付けられ、リヤコンパートメント開口部はふたつに分かれたD-Back様式を採用。さらに後席はオーナーのニーズに合わせて『ラウンジ・シート』と『パーソナルシート』のふたつのコンフィギュレーションが用意された。
この選択肢のうち、『ラウンジ・シート』コンフィギュレーションでは後部に3人用のスペースを備え、こちらもロールスロイス史上初の折りたたみ式シートを採用。トランクまたはリヤドアポケットの該当ボタンを押すと、シートが設定した数だけ電動で折り畳まれそれぞれのボタンを1回押すと、各バックレストが折りたたまれるとともに、シートクッションに跡が付かないようにヘッドレストを同時に押し上げる制御も盛り込まれた。
そのトランクリッドエリアは560リットル分の収容スペースを備え、プライバシーカバーを外すと600リットル分に増加。さらに、リヤシートのベースはトランク床面よりも高く、両方のリアシートを畳んでも他社のSUVと異なりトランク内の荷物が前に滑り出さない、安全面にも配慮された設計手法を採っている。
一方の『パーソナルシート』仕様では、独立2座の間をウィスキーグラスとデカンタ、シャンパンフルート、クールボックスを収納したキャビネット付き固定式リヤセンターコンソールで分割。「荷物を持って旅行することがなかった時代からインスピレーションを得た」というガラス製パーティションにより、SUV有数の室内静粛性に加えて、ラゲッジ使用時でも車内の温度環境が快適に保たれるなど、最上のおもてなしを可能としている。
さらに、ロールスロイス『レクリエイション・モジュール』も多数用意され、ビスポーク・コレクティブの部門で用意されるモジュールにはフライフィッシング、写真、ロッククライミング、スノーボーディング、パラセーリング、カイトボーディング、ベースジャンピング、ボルケーノボーディングなど多岐に渡り、オーナーの趣味に必要な道具・用具を収納できる電動引き出しが備わり、リヤコンパートメントに簡単に搭載可能となっている。
注目の価格設定はイギリスで21万ポンド(約3130万円)。日本市場での価格は6月のジャパンプレミアにて発表される予定となっている。
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