フェラーリF1のシャルル・ルクレールは、2024年F1日本GPに10年前に事故死したジュール・ビアンキをトリビュートした特別カラーリングのヘルメットを使用して臨んでいる。
ジュール・ビアンキはルクレールにとってとても親しい友人であり、そして師匠的な存在だった。同じフェラーリ・ドライバーズ・アカデミーの一員でもあったビアンキは、ルクレールよりも一足早くF1にデビューしたが、2014年に雨のF1日本GPでコースオフし、クラッシュ。大怪我を負ってしまい、帰らぬ人となった。
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2024年シーズンの日本GPは春に開催時期が変わったため、ビアンキの事故から丸10年というわけではないが、今年で10年という節目を迎えている。ルクレールは今回の日本GPに向けて、ビアンキが2014年に使用していたヘルメットのデザインをベースにした、トリビュートヘルメットを製作。特別仕様で日本GPに臨んでいる。
「当然だけど、ここは凄く特別な場所だ。ここに来ると、ジュールのことが頭の中に浮かんでくる」
ビアンキの事故から10年目となることについて訊かれた際、ルクレールはそう答えた。
「ジュールのことはよく思い出すんだ。彼は僕がここにたどり着くのを助けてくれただからね」
「2010年に、彼は僕がF1に行く助けを得るためにすでに(マネージャーとなる)ニコラス・トッドと話をしていたんだ。彼は、僕のキャリアのゲームチェンジャーだった」
「そしてそれ以前から、僕らはとても、とても仲が良かった。今も彼らの家族ととても親密な関係にある」
「だから、ここにいるというのは、とても特別なんだ。今週末、僕は彼のためにヘルメットを用意しているけど、当然いつも通り彼は僕の心の中にいる。それから、今週末いい成績を獲得するのも、とても重要になるだろう」
また同郷のフランス人ドライバーであるアルピーヌのエステバン・オコンとピエール・ガスリーは、次のスタードライバーになるはずだったビアンキの早すぎた死を悼んでいる。
「悲劇的な日だった」と、オコンは語る。
「ジュールの身に起きたことは、僕ら全員が悲しく思っている」
「彼はフランスのモータースポーツにとっての希望だったんだ」
「これから来るはずだった若手で、間違いなく成功していただろうし、どこかでチャンピオンになる可能性が高かったはずなんだ」
「そしてそれ以上に、(カートコースの)ブリニョールで何度も走り、彼のドライビングを見て、若き日のシャルルと一緒にいた僕にとって、ここに来て彼のことを思い出すのは、言うまでもなく悲しいことだ」
「だけど僕らはレースを続ける必要がある。彼ならそうしただろうし、僕らもそうするんだ」
またガスリーはビアンキが若いフランス人ドライバーに大きな影響を与えた存在だと振り返った。
「間違いなく、ジュールは彼がどんな人間だったかということをずっと記憶される人だと思う」
ガスリーはそう語る。
「ドライバーとしては言うまでもないし、それだけじゃなく人としてもそうなんだ。とても優しい人だった」
「彼は多くのドライバーにとって模範になっていたけど、フランスではとくにそうだった」
「エステバンやアントワーヌ(ユベール)や若いドライバーと一緒にフランスのチームにいたときのことを覚えているよ。僕たちは彼のことをF1での次のビッグスターだと尊敬していた。だって彼が最終的にフェラーリへ入るだろうことは、誰もが認めるところだったんだ」
「ここで起きたことを思い出すのは、間違いなく悲しいことだ。彼はF1に、そしてF1を超えた足跡を残しているし、僕はずっと彼のことを覚えているだろう」
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