2022年のF1には新たな技術規定によるマシンが導入され、コース上では接近戦が演じられている。ただ、フェラーリのカルロス・サインツJr.はこの新世代のF1マシンによって、ドライバーが身体的な問題を抱えることになると警鐘を鳴らしている。
2022年のF1マシンは、ダウンフォースを発生する上でグラウンドエフェクト効果に頼る割合が増えたこともあって、プレシーズンテストの段階から”ポーパシング”と呼ばれるマシンの上下動に悩まされてきた。チームはこの動きを抑制するために、サスペンションを固くセットアップする傾向にあるが、サインツJr.はその影響により、ドライバーの首や背中にかかる負担が長期的な問題になると考えている。
F1メカ解説|アップデート多数。アストンマーチンはレッドブル”コピー”
motorsport.comにモナコGPで今シーズンのF1マシンがどうなるかと尋ねられた際、サインツJr.は次のように答えた。
「大きなチャレンジになるだろうと思っている」
「既にマイアミの縁石で、このマシンはかなり攻撃的なモノだと感じた。イモラの路面のバンプも、身体にかなりの負担がかかっていたんだ」
「モナコのこと以上にF1やドライバーとして、この種の哲学によるマシンによって、F1キャリアにおける”背中の健康”に対してどれだけの代償を支払うべきなのか? ということを考える必要がある。もっと開かれた議論をすべきだと思うよ」
「この(現行の)レギュレーションは素晴らしいと思う。彼らはレースが必要としている事をきっちりと行なってきた。でもこのマシンで、首や背中に負担がかかるような走りをする必要があるのか? ということなんだ」
「僕にとって、これはより哲学的な問題だ。F1や皆に、ドライバーがキャリアにおいて、戦うために自身の健康を代償として支払う必要があるのかを、もう一度考えてもらえないかと思う」
「モナコはタフなものになるだろう。でも僕は、もっと長期的なことを考えているんだ」
サインツはマイアミGPのフリー走行で激しくクラッシュ。決勝では首の痛みに悩まされながら、3位をもぎとった。そうした個人的な経験から、彼はこうした訴えを口にしている。
「専門家からのアドバイスは貰っていない」
「背中と首の張りには普段のチェックをしているんだ。今年はどこでもキツくなっていると思う」
「既にそう感じているんだ。専門家からのアドバイスが無くとも、これなら今後10年は大変になるだろうというのは理解できるし、動きや柔軟性に対して多くの取り組みが必要になるだろう。健康、そして身体全体の健全を保つことに投資する必要があるだろう、と思っている」
サインツJr.はこうした話題が、F1ドライバーとしては大々的に語りづらい問題だという認識も示した。
「おそらく、ドライバーとしてはあまり話したくない問題だと思う。僕らは弱音を吐きたがらないからね」
「僕は強いし、しっかりと健康な身体を持っているし、自分ではF1ドライバーの中でも健康な方だと思っている。それにF1のレースで苦しんだことは無い」
「でも、これはもっと長期的な話なんだ。僕ら全員の利益のためにも、この件について話し合い、どんな選択肢があるかを確かめるべきだと思う」
この件についてFIAが関与する必要があるかどうか尋ねられると、サインツJr.は「特定の方向に進むと決めたなら、FIAの関与も必要になるだろう。この先どうなるか次第だ」と答えた。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
みんなのコメント
耐えうる身体を作るのもプロの仕事だと思います。