ムジェロ・サーキットでMotoGP第7戦イタリアGPが行なわれた。最高峰MotoGPクラスの決勝レースは、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤが勝利した。
2日目のスプリントレースはポイントリーダーのホルヘ・マルティン(プラマック)が転倒リタイアに終わる一方で、スプリントを課題にしていたバニャイヤがトップを快走して勝利。決勝レースに向けて弾みをつけた。
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予選でポールポジションを獲得したのはマルティンだ。バニャイヤも2番手タイムを記録したものの、初日プラクティスで他車の走行妨害があり3グリッド降格ペナルティが科され、決勝は5番グリッドからのスタートになった。
なおこのペナルティの結果、マルク・マルケス(グレシーニ)が3番手フロントロウに並んだ。マルケスはスタートを課題と捉えているが、フロントロウスタートがドゥカティでの初優勝に向けどう作用してくるかも注目だった。
イタリアGP決勝(全23周)は気温22度、路面温度40度でスタート。遠方の空に暗い雲がかかりつつも、天気の心配はせずに済みそうなコンディションでレースが始まった。
スタートではドゥカティ勢が横並びでターン1へとなだれ込み、激しいトップ争いが展開。ターン2まで続いたバトルを制したのは青色の特別カラーリングをまとったバニャイヤで、後ろにはマルティン、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)、マルケス、ペドロ・アコスタ(GASGAS)という面々が続いた。
レースはバニャイヤが先頭でペースを作り、マルティンに対して優位に展開を進めて行く。一方で2周目にバスティアニーニを抜いて前を追いたいというアクションを見せたマルケスは、抜き切ることができずにむしろ差が広がってしまった。
2番手を走るマルティンは、レースベストラップを更新していくハイペースのバニャイヤについていくことができず、ギャップが広がっていく。1秒以上にまでその差が広がることは許さなかったが、序盤7周を終えた時点では0.7秒の差となっていた。
バニャイヤ、マルティン、バスティアニーニ、マルケスの差は中盤に入ってもほぼ変動がなく、レースは我慢の状況が続いた。ただその中でもマルケスがバスティアニーニに0.2~0.3秒と少し接近。また序盤に5番手で食らいついていたアコスタは少しずつギャップが広がり、レース中盤には完全に表彰台争いから脱落した。
マルケスはラップによってはバスティアニーニと0.1秒差まで迫る時があったが、なかなか追い抜きを仕掛けるまでには至らない。ギャップも安定せず、そのまま4番手でラップを消化していき、レースは終盤7周となった。
トップ争いでも同じような構図が繰り返された。マルティンが0.4秒差ほどに差を縮めていったかと思えば、バニャイヤも差を再び0.7秒に戻すという形だ。
動きがあったのは残り6周。マルケスがターン1にかけてバスティアニーニに並びかけ、そのままオーバーテイク。3番手が入れ替わった。
この時、3番手に立ったマルケスと2番手マルティンとの差は約1.2秒あった。2人のペースはほぼ同じで、マルケスはギャップを削れない……むしろピタリと後ろにつけるバスティアニーニからのプレッシャーを退ける必要もあった。
残り3周、マルティンが最後のスパートをかけて、バニャイヤと一気に0.3秒差まで縮めた。だがバニャイヤは余力を残していて、マルティンの接近を感知すると一気にペースアップ。再びギャップを広げにかかり、ラストラップに1秒差で突入した。
そしてバニャイヤはラストラップを危なげなく走りきり、トップチェッカー。ドゥカティにとっても、本人にとっても母国戦であるイタリアGPを、チャンピオンの余裕を感じさせる走りで勝利した。これで彼はスプリントと決勝を制し、レースウィークで獲得できる最大ポイントの37点をもぎとった。
2位争いはラストラップの最終コーナーまでバトルが続いた。マルケスを追い抜いたバスティアニーニがマルティンに接近すると最終コーナーでインに飛び込み、マシンをコンパクトに曲げて、立ち上がりでオーバーテイク。バニャイヤとバスティアニーニでドゥカティファクトリーのワンツーフィニッシュとなった。
3位は最後に競り負けたマルティン。スプリントでのノーポイントも響き、ポイントランキングでは2番手のバニャイヤに18ポイント差まで接近を許した。4位はマルケスで、連続表彰台には一歩届かなかった。
苦戦が続く日本メーカー勢だが、ヤマハのアレックス・リンスが15位で最上位。ホンダはヨハン・ザルコ(LCRホンダ)の19位がトップだった。中上貴晶(LCRホンダ)は14周目に転倒リタイアに終わった。
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