現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 「筑波53秒入りを賭けて戦う2台の魔改造BNR32を比較!」サポートショップは同一ながらマシンメイクは全く異なる!?

ここから本文です

「筑波53秒入りを賭けて戦う2台の魔改造BNR32を比較!」サポートショップは同一ながらマシンメイクは全く異なる!?

掲載 更新
「筑波53秒入りを賭けて戦う2台の魔改造BNR32を比較!」サポートショップは同一ながらマシンメイクは全く異なる!?

どちらも54秒台を保持する筑波の名物アタッカー

タイムアタックシーンの最前線を駆け抜ける2台のBNR32

アメリカのトヨタ好きが大集結する「オール・トヨタフェスト2019」が熱すぎる!

筑波サーキットを中心に、激しいチューニング合戦が繰り広げられているタイムアタックウォーズ。ほぼ改造無制限ということもあり、各アタックマシンのメイキングは信じられない速度で進化を続けている。

埼玉県のチューニングショップ“アドミクス”がメンテナンス&サポートする2台の第二世代GT-Rは、そんな筑波タイムアタックシーンの最前線を走り続ける名物チューンドたちだ。しかし、同じショップがサポートする車両ながら、それぞれ全く異なるアプローチで作り込まれ、タイムの更新状況は一進一退。どちらも54秒台をマークしており、完全にライバル同士の関係になっているのだから興味深い。

まず、ベストタイム54秒118の記録を持つ黒いBNR32「seyamaxADMIX・GTR」から。もともとドリフト仕様だったという経緯もあるが、GT-Rの代名詞とも言うべきアテーサE-TS(4WD機構)をキャンセルし、FR駆動で戦い続けているのが大きなポイントだ。

エンジンは、海外製のアルミブロックを利用したRB26改2.8L仕様。T88-33Dタービンを組み合わせ、最高出力は800馬力/80kgmに設定しているが、2018シーズンより最高出力は20馬力ほどパワーダウンさせて、エンジンの耐久性を重視したセットアップに変更してきた。

制御系はLINKフルコンを使用し、追加メーターはモーテックC187を組み合わせる。なお、純正ダッシュボードなど内装の重量物を取り除き、カーボンパネルで成型することで車重は1150kgまでシェイプ。ミッションはホリンジャーのシーケンシャルだ。

足回りはアドミクスオリジナルのダンパーをベースに、スプリングはフロント28kg/mm、リヤ32kg/mm。アーム類やアライメントなども、FR化に合わせてアドミクスで最適化されている。タイヤはアドバンA050(295/35-18)だ。

また、これまで部分的に行なっていた空力チューンだが、2019シーズン前に総仕上げとしてリヤディフューザー形状などを変更し、フロアもフラットボトム化を敢行。

現在はバランスの最適化に向けてセットアップ中だが、エアロパーツを手がけたボルテックスの中嶋代表のアドバイスを受け、徐々に安定方向に向きはじめているそうだ。

そしてもう1台、スカイブルーのBNR32「ADMIX・スノコ・ショーリン・ケミテック種馬R」は、アドミクスで製作した2.9L仕様のフルチューンRB26ユニットを搭載。GTX3584RSタービンを組み合わせることで最高出力711ps、最大トルクは84kgmにまで高められている。ベストタイムは54秒828だ。

また、スロットルはワイヤー式からZ33用の電子制御式に変更し、LINKフルコンでアンチラグやオートブリッピング機能を実装している点も注目したい。

空力特性はマシンの動きにも大きな影響を及ぼすため、現在セッティングを煮詰めているところ。2019シーズン前に、リヤのアンダーディフューザーを装備してフラットボトム化を充実させてきたことがトピック。

このエアロの開発製作を担当するのは静岡県のベネテック。レース用空力デバイスも製作するなど高い技術を有するドライカーボンパーツサプライヤーだ。

足回りは、ニスモ製アームなどを使用してタイムアタックに最適化したアライメントを実現。ダンパーはエンドレスのジールファンクションをベースにしたアドミクスオリジナル仕様、 スプリングはHAL(F34kg/mm、R28kg/mm)だ。タイヤは、アドバンA050(295/35R18)を履く。

一方のボディは、ストリート仕様からタイムアタック専用に転向したこともあり、室内を中心に軽量化を進めている最中だ。ロールケージにはガゼット付きのクロスバーも取り入れ、ボディ剛性アップと安全性を両立。純正形状のダッシュボードは実はカーボン製。メーターはモーテックC127を配置し、視認性を高めながら情報の一括管理を行っている。ミッションはホリンジャーのシーケンシャルだ。

このように、どちらの車両も2019シーズンに向けてエアロデバイスの見直しによるダウンフォースの増強を狙ったが、その開発(アップデート)作業は、それぞれ異なるエアロコンストラクターと組んで行っているというから面白い。

アドミクス本嶋さん曰く「まったく異なるアプローチですが、不思議なことに両車のタイムはここ数年常に僅差で推移しています。エンジンのアップデートに関しても、それぞれ求めるものが違いますし、空力もしかりですね」とのこと。

チューンドGT-Rとしては未知の領域となる、53秒台へ突入するのはどちらが先なのか。その先の世界まで見せてくれるのか。男の意地とプライドを賭けた戦いは、まだまだ続く。

●取材協力:アドミクス 埼玉県比企郡川島町上大屋敷403 TEL:049-299-1771

関連タグ

こんな記事も読まれています

アナタの“アメ車イメージ”は過去のもの? GM 2023年度の「サステナビリティレポート」発表
アナタの“アメ車イメージ”は過去のもの? GM 2023年度の「サステナビリティレポート」発表
AUTOCAR JAPAN
新車が140万円引きになる!! 中国車の関税がゼロ円!? 電気自動車の補助金の闇
新車が140万円引きになる!! 中国車の関税がゼロ円!? 電気自動車の補助金の闇
ベストカーWeb
間に合うのか!? 日産「パルサーGTI-R」でパイクスピークに参戦! 3度目の挑戦車両の現状を報告します
間に合うのか!? 日産「パルサーGTI-R」でパイクスピークに参戦! 3度目の挑戦車両の現状を報告します
Auto Messe Web
たった数百円の輪っかがクルマの走りを激変させる! ホイール交換の際に装着してほしい「ハブリング」ってどんなパーツ?
たった数百円の輪っかがクルマの走りを激変させる! ホイール交換の際に装着してほしい「ハブリング」ってどんなパーツ?
WEB CARTOP
アバルトF595の限定カブリオレモデルの第2弾が日本デビュー
アバルトF595の限定カブリオレモデルの第2弾が日本デビュー
カー・アンド・ドライバー
MotoGP、昨年初開催のインドGPが開催中止か? 代替戦には洪水被害で延期のカザフスタンGPを見込む
MotoGP、昨年初開催のインドGPが開催中止か? 代替戦には洪水被害で延期のカザフスタンGPを見込む
motorsport.com 日本版
テインの車高調「フレックスZ」がホンダ・フィットなど5車種の適合を追加
テインの車高調「フレックスZ」がホンダ・フィットなど5車種の適合を追加
レスポンス
【カワサキ】今年も8耐と併催!「2024 Ninja Team Green Cup 第3戦 鈴鹿サーキット」のエントリーが6/6よりスタート
【カワサキ】今年も8耐と併催!「2024 Ninja Team Green Cup 第3戦 鈴鹿サーキット」のエントリーが6/6よりスタート
バイクブロス
全長5m級! ホンダの「最上級セダン」登場! “流麗デザイン”×めちゃ「上質インテリア」採用! 「新型アコード」どんな人が買ってる?
全長5m級! ホンダの「最上級セダン」登場! “流麗デザイン”×めちゃ「上質インテリア」採用! 「新型アコード」どんな人が買ってる?
くるまのニュース
ボルボ 次世代EV「EX60」にメガキャスティング導入か 生産効率アップ、CO2削減&軽量化も実現
ボルボ 次世代EV「EX60」にメガキャスティング導入か 生産効率アップ、CO2削減&軽量化も実現
AUTOCAR JAPAN
マツダ初の乗用車「R360クーペ」は軽自動車初のAT搭載! 360ccなのに大きなナンバープレートを装着している理由とは
マツダ初の乗用車「R360クーペ」は軽自動車初のAT搭載! 360ccなのに大きなナンバープレートを装着している理由とは
Auto Messe Web
GW期間のJAFロードサービス受付、前年比減少
GW期間のJAFロードサービス受付、前年比減少
レスポンス
DSブランドのCセグメントモデルのDS4に特別仕様車「DS4 RIVOLI BlueHDi Coquelicot Edition」を設定
DSブランドのCセグメントモデルのDS4に特別仕様車「DS4 RIVOLI BlueHDi Coquelicot Edition」を設定
カー・アンド・ドライバー
アルプスアルパイン、経営構造改革へ 3000人超の人員削減 不採算事業も撤退
アルプスアルパイン、経営構造改革へ 3000人超の人員削減 不採算事業も撤退
日刊自動車新聞
家の駐車場からの「はみ出し」は違反なの? 「タイヤ1個は?」 どれだけ道路に出るとアウト!? 道交法の答えは
家の駐車場からの「はみ出し」は違反なの? 「タイヤ1個は?」 どれだけ道路に出るとアウト!? 道交法の答えは
くるまのニュース
マセラティの新世代4シーターオープンカー「グランカブリオ トロフェオ」の日本における受注がスタート
マセラティの新世代4シーターオープンカー「グランカブリオ トロフェオ」の日本における受注がスタート
カー・アンド・ドライバー
BEVでも「駆けぬける歓び」を実現したi5を展示! 最新コンパクトSUVの「X2」には試乗も可能です! BMW出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
BEVでも「駆けぬける歓び」を実現したi5を展示! 最新コンパクトSUVの「X2」には試乗も可能です! BMW出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
LE VOLANT CARSMEET WEB
ポルシェ、WECスパでのカスタマー勝利を称賛「ポルシェ963プログラムの証明になった」
ポルシェ、WECスパでのカスタマー勝利を称賛「ポルシェ963プログラムの証明になった」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

95.2105.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.088.0万円

中古車を検索
ストリートの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

95.2105.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.088.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村