現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 2021年のような“泥沼化”はごめんだ。マクラーレン代表、バトル時の規則厳格化を提唱「今回もマックスのライン変更に警告を出していれば……」

ここから本文です

2021年のような“泥沼化”はごめんだ。マクラーレン代表、バトル時の規則厳格化を提唱「今回もマックスのライン変更に警告を出していれば……」

掲載
2021年のような“泥沼化”はごめんだ。マクラーレン代表、バトル時の規則厳格化を提唱「今回もマックスのライン変更に警告を出していれば……」

 F1オーストリアGPではトップを争っていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とランド・ノリス(マクラーレン)が接触し大きな話題となった。これについてマクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、コース上で見応えあるバトルを見せ続けるために対策を打つ必要があると考えている。

 結果的に今回の接触に関しては、オーバーテイクを仕掛けたノリスに幅寄せをする格好となったフェルスタッペンにタイムペナルティが下った。ただノリスがレースをリタイアした一方で、フェルスタッペンは生き残って5位でチェッカーを受けチャンピオンシップのリードを広げているため、ステラ代表はこの処分が過失に見合わないと考えている。

■メルセデス代表、”勝てるぞ”無線を猛省……「調子に乗ってしまった。本当に恥ずかしい」

 しかしながら、ステラ代表がFIAの対応に疑問を呈しているのは、どちらかというとこのレースに限った話ではない。FIAはフェルスタッペンがブレーキング中にラインを変えるという行為について、これまで厳しく対処すべきだったと主張しているのだ。

 ステラ代表は、今回のようなバトルがクラッシュを引き起こさないよう、問題点を深く掘り下げる必要があるとコメントした。

「今回のレースは、いくつかの点を修正する上で有用な情報を多く与えてくれた。それは、チェッカーフラッグが振られるまでこのようなバトルを楽しめるようなレースをするためのものだ」

「私が残念だったのは、最後の6、7周(のバトル)を見られなかったことだ。とても面白いことになっていただろうからね。それはひとえに、ルールによる強制力がなかったからだろう」

「(ブレーキング中の進路変更について)マックスに黒白旗のような警告を与えれば十分だっただろう。そうすればやらなくなっただろうからね。彼はランドに対してドアを閉めるのにもっと慎重になっただろう」

 そしてバトルの最中にノリスはトラックリミット違反を犯して5秒ペナルティを受けたが、これについてステラ代表は、バトル中のオーバーシュートでトラックリミット違反を取られてしまうと、コース上のバトルが減ってしまうのではないかと指摘した。

「トラックリミットに関して言えば、誰かを追い越そうとして少しロックアップした時もそれが適用されてしまうなら、どうやってレースをすればいいのか疑問だ」

「ドライバーはオーバーテイクを試みることさえしなくなるだろう。『ああ、これ(トラックリミット違反)で1ストライクだ』などと考えてしまうからだ」

「これは簡単に解決できると思う。我々はこれに腹を立てているのではない。間違っているとは思っているが、将来に向けて解決することが重要だ。レーシングライン(を超えるという点)でアドバンテージを得る正真正銘のトラックリミット(違反)と、大きなロスをしてしまうトラックリミット(違反)が区別されるのを見たい。後者は皆が楽しんでいるレースの動きに関わってくる」

 なお、この5秒ペナルティはフェルスタッペンとの接触直後の緊急ピットインで消化された。チームはイギリスGPでのグリッドペナルティを避けるため、壊れたマシンの状態を確認する前に5秒間静止したのだという。

「そういうことだ。我々はそこからマシンの状況を確認したが、残念ながらフロアだけではなくボディワークが完全に破壊されていたので、レースを続行できる状態ではなかった」とステラは言う。

 ステラはまた、フェルスタッペンに科された制裁の重さにも疑問を呈している。10秒のタイム加算のペナルティは、結果的にフェルスタッペンのポジションを落とすことに繋がらなかったからだ。

 フェルスタッペンとそのライバルの接触という点で言えば、2021年のルイス・ハミルトン(メルセデス)とのバトルが記憶に新しい。激しいタイトル争いを繰り広げる中、両者は度々接触した。ステラは、F1があのようなトラブルを繰り返さないための対策を講じることを望んでいる。

 今回のペナルティについて、ステラは次のように語った。

「裁定が軽い場合もあるので複雑だ。今回のように、1台のマシンが脱落してもう1台のマシンは大きくポジションを落とす、といったケースもある」

「すべてを単純化したり、『ああ、あれは間違いない』といった立場はとりたくない。しかし10秒(ペナルティ)というのは、事実として効果がなかったと思う」

「ポイントランキングで追いかけようとしているドライバーに、10ポイントも取られてしまった。これは間違いなく見直すに値することだろう」

「FIAはこのケースを、分析すべき豊富な事例を与えてくれるエピソードとしてとらえ、どのようにすれば前に進めるかを考えるアプローチをしてくれるだろう」

「2021年のような事態は避けたい。F1のレースという点で、あれはあまりいいことではなかったと思う。エンターテインメントではあったかもしれないが、良いものではなかった」

 ステラは新たなレギュレーションを導入することよりも、ルールの施行を厳格化することを提案している。

「ボーダーラインについて引き締め、公平性を保つために既存のルールのいくつかを厳格化する良い機会と捉えるべきだ」

「これらのルールが悪用され、同じような動きを2回、3回して3回目に事故が起きるようなことがあってはならないということをはっきりさせる必要がある。統計的に見ても、あれは事故を誘発するだろう」

「もちろん悔しさはあるが、重要なのはこれをFIAやF1にとってのチャンスだと捉えること。そうすれば将来的にはもっと良いバトルを楽しめる」

こんな記事も読まれています

フェルスタッペンと接触のノリス「自分の行動を変えるつもりはない」……バトル中の判断の難しさについても言及
フェルスタッペンと接触のノリス「自分の行動を変えるつもりはない」……バトル中の判断の難しさについても言及
motorsport.com 日本版
タイヤ内圧違反で10位に落ちたマルケス、不可抗力を主張。将来的にはFIMがルール見直しか?「検討の余地があると言われている」
タイヤ内圧違反で10位に落ちたマルケス、不可抗力を主張。将来的にはFIMがルール見直しか?「検討の余地があると言われている」
motorsport.com 日本版
ノリス、トラックリミット違反の運用に疑問符「姿勢を変えなければ、レースが退屈になってしまう」
ノリス、トラックリミット違反の運用に疑問符「姿勢を変えなければ、レースが退屈になってしまう」
motorsport.com 日本版
レッドブルF1代表、怒り心頭マクラーレンからのフェルスタッペン批判に反論「間違っているしフェアじゃない」
レッドブルF1代表、怒り心頭マクラーレンからのフェルスタッペン批判に反論「間違っているしフェアじゃない」
motorsport.com 日本版
マクラーレン代表、フェルスタッペン&ノリス接触の原因は“3年前”にあると指摘「マックスを厳しく罰して来なかったから」
マクラーレン代表、フェルスタッペン&ノリス接触の原因は“3年前”にあると指摘「マックスを厳しく罰して来なかったから」
motorsport.com 日本版
フェルスタッペン、自身への批判は意に介さず。ノリスとの友情を最優先「これからも全力で戦うと話し合った」
フェルスタッペン、自身への批判は意に介さず。ノリスとの友情を最優先「これからも全力で戦うと話し合った」
motorsport.com 日本版
”接触エンド”は回避できたかも? レッドブルF1、ノリスへのペナルティ付与の可能性をフェルスタッペンに伝えず「我々にも落ち度がある」
”接触エンド”は回避できたかも? レッドブルF1、ノリスへのペナルティ付与の可能性をフェルスタッペンに伝えず「我々にも落ち度がある」
motorsport.com 日本版
ノリス、フェルスタッペンへの謝罪要求は撤回。「あの時はアドレナリンがドバドバでイライラしてたから」
ノリス、フェルスタッペンへの謝罪要求は撤回。「あの時はアドレナリンがドバドバでイライラしてたから」
motorsport.com 日本版
F1オーストリアGPで効果発揮した“新トラックリミット”、シルバーストンでも実装へ。ドライバーやファンからの不満を一掃できるか?
F1オーストリアGPで効果発揮した“新トラックリミット”、シルバーストンでも実装へ。ドライバーやファンからの不満を一掃できるか?
motorsport.com 日本版
「マックスはタフなレーサー」元同僚リカルド、フェルスタッペンが再びライバルと激突も戦い方に問題なしと評価
「マックスはタフなレーサー」元同僚リカルド、フェルスタッペンが再びライバルと激突も戦い方に問題なしと評価
motorsport.com 日本版
かつてないプレッシャーを感じた予選……それを跳ね除けポール獲得ラッセル「母国で自分の名前が首位でコールされるのは最高だね!」
かつてないプレッシャーを感じた予選……それを跳ね除けポール獲得ラッセル「母国で自分の名前が首位でコールされるのは最高だね!」
motorsport.com 日本版
アルピーヌF1、チーム内“交戦規定”は効果ナシ? オーストリアでまたも対峙。ガスリー「チームは気に入らないはず」
アルピーヌF1、チーム内“交戦規定”は効果ナシ? オーストリアでまたも対峙。ガスリー「チームは気に入らないはず」
motorsport.com 日本版
フェルスタッペン、勝てたはずの1戦逃し「ひどい1日だった」レッドブルの戦略や作業ミスに苦言|F1オーストリアGP
フェルスタッペン、勝てたはずの1戦逃し「ひどい1日だった」レッドブルの戦略や作業ミスに苦言|F1オーストリアGP
motorsport.com 日本版
フェルスタッペンの行動は“2021年の対処が甘かったこと”によるものだとマクラーレンF1代表が主張。規則の強化を望む
フェルスタッペンの行動は“2021年の対処が甘かったこと”によるものだとマクラーレンF1代表が主張。規則の強化を望む
AUTOSPORT web
これがマクラーレン節約の知恵。前戦でダメージ受けたノリスのマシンに、修復した”かつて壊れたフロア”を使用
これがマクラーレン節約の知恵。前戦でダメージ受けたノリスのマシンに、修復した”かつて壊れたフロア”を使用
motorsport.com 日本版
フェルスタッペン、ノリスとの接触は”攻撃的すぎたわけじゃない”と釈明「ブレーキング中に動いたわけじゃない。だって……」
フェルスタッペン、ノリスとの接触は”攻撃的すぎたわけじゃない”と釈明「ブレーキング中に動いたわけじゃない。だって……」
motorsport.com 日本版
接触に憤るノリス「マックスに失望。無謀でやけくそな行為」フェルスタッペンは「悪いことをしていない」と処罰に不満
接触に憤るノリス「マックスに失望。無謀でやけくそな行為」フェルスタッペンは「悪いことをしていない」と処罰に不満
AUTOSPORT web
マクラーレン、ピアストリのタイム抹消に抗議も却下。ステラ代表「厳しいペナルティには明確な証拠がなければ」
マクラーレン、ピアストリのタイム抹消に抗議も却下。ステラ代表「厳しいペナルティには明確な証拠がなければ」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村