F1は、早ければ2023年にも女性ドライバー限定のチャンピオンシップ設立に動き出しているが、関係者は同じコンセプトのレースシリーズであるWシリーズに直接対抗するモノではないと主張している。
新設予定のF1直下の女性ドライバー限定のシリーズは、Wシリーズよりも若い16歳以上のドライバーを対象としており、FIA F3やFIA F2へ直接つながるフィーダーシリーズになると見られている。
■財政難によるWシリーズのシーズン途中終了……ハミルトンはF1側の責任を追求「F1は潤っているのだから、援助もできたはず」
まだ確定事項はないが、このシリーズではF4マシンが使用される可能性が高く、既存のF2・F3の運営団体の傘下に組み込まれる予定だ。マシンは既存カテゴリーに参加しているチームから提供され、グリッドは12~15台程度になると見込まれている。
F1から具体的な情報は得られていないものの、広報担当者は次のように語っている。
「F1は才能ある女性ドライバーが最高峰に到達するため、より多くの機会を確保することを約束する」
WシリーズはF1のサポートレースとして併催されていたが、創立3年目となった今季は財政難により2戦を残して閉幕。運営組織の2023年以降の将来は不透明な状況となっているが、F1関係者によると、仮にWシリーズが2023年に戻ってきたとしても、より速いF3スタイルのマシンと年齢層の高いドライバーがグリッドに並ぶWシリーズと並び立つことができるという。
Wシリーズを始め、女性ドライバーへの支援を求める声はF1内からも上がっている。ハンガリーGPの際にWシリーズのパドックを訪れていたルイス・ハミルトン(メルセデス)は、Wシリーズ存続の危機に関してF1側の努力不足を指摘していた。
「これまでのF1の歴史では、女性がフォーカスされることはあまりなかった」
そうハミルトンは語る。
「今もまだ十分ではない。そんな中で、そこで行なわれている素晴らしい活動を(F1は)大きくしようとしていない」
「僕たちの業界では、その辺りを表現することが全体的に不十分だ。若くて素晴らしい(女性)ドライバーがF1に行くための道筋もない」
「人によっては『今後女性F1ドライバーが見られることはないだろう』という人もいる。それは良いシナリオだとは言えない。だから僕たちにはもっとできることがある」
そして次のようにハミルトンは続けた。
「運営側のF1とリバティがこれだけうまくいっているのだから、そこ(Wシリーズ)に援助をするというのは彼らにとっても大したことではなかっただろう」
「若い女性の力になるために、僕たちはもっと努力しないといけない」
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オリンピックでも揉めたけど。