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タイヤ選択と雨に泣かされたスーパーフォーミュラ第4戦公式予選。悔しさの残るドライバーたち

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タイヤ選択と雨に泣かされたスーパーフォーミュラ第4戦公式予選。悔しさの残るドライバーたち

 スーパーフォーミュラ第4戦の公式予選は雨に翻弄された。降っては止む雨に、各チームとドライバーは頭を悩ませる。今大会の予選で、悔しい結果に終わったドライバーたちには、なにが起きていたのだろうか。予選後に取材できてドライバーたちのコメントをもとに、彼らの予選での選択を振り返る。

 Q1の最後に本降りとなった雨は、Q2を迎える前にやみ、Q2が始まるころには路面もドライに向かっていた。ただ、路面はまだ少し濡れており、判断が難しい状況。レインタイヤかドライタイヤかで、判断が分かれた。セッション開始後はレインタイヤで走れるコンディションではなく、レインタイヤを選択したドライバーはタイヤ交換を行っている。

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 このような状況のなかで、スリックタイヤを最初から履いたドライバーが必ずしも有利だったわけではなかった。というのも、スリックタイヤを選択していながらQ2敗退を喫したドライバーもいるからだ。

 DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの松下信治は最初からスリックタイヤを選んだドライバーのひとり。10番手に終わった。

「アタックラップで、ヘアピンでスピンをしてしまったんです。縁石が濡れていて、それに足を取られてしまいました。自分のミスです。次の周には雨が強くなってきていたので、もうダメでしたね」

「タイヤの選択は迷いませんでした。チームも対応してくれて、そこはよくやってくれたと思います。ただ、ドライビングで普通しないようなミスをしてしまいました。Q2は流してでも通過できたと思います。データ上は、ですけどね」と苦笑する松下。濡れた路面に足をすくわれ、Q3進出を逃した。

 また、松下のチームメイト、野尻智紀はセッション後半の降雨とウエット路面に翻弄され、まさかのQ1脱落。前戦のポールシッターである野尻だったが、Q1のノックアウトゾーンからタイムを更新できないままセッションの折り返しを迎え、雨が落ちたことでスリックタイヤでの走行を強いられた。DOCOMO TEAM DANDELION RACINGにとっては厳しい結果となってしまった。

 松下と同様に、スリックタイヤ勢のなかでもQ2でセッションを終えたのが山下健太(KONDO RACING)だ。ウエットでのセッションとなった朝のフリー走行で、トップタイムだった山下。雨でも調子がよく、今週末初のスリックタイヤでの走行となったQ1でも感触はよかったという。そしてスリックタイヤで挑んだQ2。山下は12番手でQ3進出を逃してしまう。

「今回いけるぞ、と思っていたのですが、Q1の終わりで雨が降ってきてしまいました。タイヤ選択は悩みませんでしたね。ただ、雨が降ると思っていたので、(早々にタイムを出すつもりだったのに)予想と違いました」

「レインタイヤからドライタイヤに交換したクルマが、僕のアタック中に前に出てきたんです。一番タイヤがいいときに。それでアタックをやめてもう一度トライしましたが、もうタイヤが終わっていました。普通の予選だったら楽勝でQ3にいけていたと思います。それを考えると悔しいです」

■ただひとりレインタイヤを選択した一貴、ユーズドタイヤによりフロントロウ獲得ならず
 レインタイヤ勢がタイヤ交換を行ったことで、アタックでクリアラップがとれなかった山下。Q2で敗退を喫した山下とは対照的に、レインタイヤでコースに出て、ピットインを行いスリックタイヤに交換したことが功を奏したのが国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING)だ。国本はQ3まで進み、8番グリッドを獲得した。

「Q2のタイヤ選択は迷いましたね。あんなに乾いているとは思いませんでした。7分間のセッションで、最初からコースインするとコンディション悪いなかを入らないといけませんが、タイミング(レインタイヤで一度コースインして、すぐにピットインしてタイヤ交換)がよかったのかなと思います。いいタイミングでアタックできました。ただ、計測1周目しかできない状況だったので焦りましたけどね。アウトラップからほとんど全開でいかないといけませんでしたから」

 タイヤ交換がQ2通過の要因のひとつになったという国本。Q2はトップタイムをマークし、「このままドライコンディションでいけば、ポールも狙えるかなという調子だった」と言う。ただ、Q3ではウエット路面とほんの数秒に泣いた。

 Q3はQ2とは逆に、本降りの雨が降り始めた影響でドライからウエットに路面コンディションが変わった。中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)を除く7人のドライバーはスリックタイヤを選択。しかし路面状況から、すべてのドライバーがレインタイヤに履き替えている。

 国本はタイヤを交換したあとの残り時間が数秒足りず、1周でアタックを終えることになった。国本の前にいた山本尚貴(TEAM MUGEN)は、国本より1周多くアタックを行い、2番手を獲得している。

「ウエットは朝から不調が続いていました。今までもずっとグリップ感がなく、それをうまく対策できていなかったんです。さらに、残り2、3秒が足りず、計測も1周しかできませんでした」と国本は悔しさをにじませた。

 そんなQ3でただひとり、最初からレインタイヤを履いたのが一貴だった。タイヤ交換を必要とせずドライタイヤを選択した7人に比べてアドバンテージがあるはずだったが、その一貴にしても最後は4番手という結果に終わった。一貴にとって今季最上位の予選結果ではあるが、唯一、最初からウエットタイヤを装着していながらなぜ4番手止まりとなってしまったのか。

 これについて、一貴は「ユーズドタイヤだっため、1周でタイヤが終わってしまった」と明かす。

「(Q3の)最初、すぐに戻ればいいと思ってウエットで出たんです。そうしたら雨が降ってきて、このまま降ればいいと思ったのですが、1周アタックしてセクター3で雨がやみました。ユーズドタイヤだったので、あの1周でタイヤが終わってしまったんです」

「タイヤを履いてみないとわかりませんが、ニュータイヤだったとしても一緒だったかもしれません。僕がアタックしたとき、セクター3で雨が降っていてその雨が移動してきていたので、タイミングだと思います」

 雨によるタイヤ選択、アタックのタイミングなどによって悲喜こもごもが入り混じった予選。明日の天候次第では、決勝レースがいつもとは違った展開になるかもしれない。

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