ベントレーは、サステナビリティを重視した12か月限定生産のリミテッドエディション「オデッシアン エディション」を発表した。
3.0リッターTFSI V6ガソリンエンジンと100kWモーターで構成されるシステム
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2021年、フライングスパーに初めて設定されたオデッシアン エディションは、2035年のラグジュアリーモビリティを見据え、「ビヨンド100」戦略の一環として製作されたコンセプトカー「EXP 100 GT」を参考にしてデザインされた。
このオデッシアン エディションもフライングスパーのそれと同じくハイブリッドパワートレインを搭載し、最高のパフォーマンスを実現する。
ハイブリッドパワートレインはV6ガソリンエンジン、電気モーター、改良された18.0kWhバッテリーを組み合わせ、ほぼ無音で走るゼロエミッションのEVモードからスリリングなフルスロットルの加速まで、実に様々な走行シーンに対応。また、電力のみの航続距離はWLTPで45km以上に向上している。
3.0リッターTFSI V6ガソリンエンジンと100kWのモータージェネレーターからなるシステムは、全体で最高出力462PS、0-100km/hはわずか5.3秒、最高速は254km/h。ゼロ回転からフルトルクを発生する電気モーターの特性を活かしたハイブリッドだからこそ、息を呑むほどのエフォートレスなパワーを体感が可能となっている。
現在、ベントレーでは14モデルのうち7つにハイブリッドの設定があり、全ラインアップの50%が電動化されている。
キャビンの素材においてもサステナビリティを追求
パワートレインだけでなく、キャビンの素材にもサステナビリティへのこだわりが感じられる。センターコンソールに使用されるオープンポア仕上げのコア材は、ハイグロス仕上げのウッドパネルに比べてラッカー使用量が90%少ないため、コア材が持つ美しくナチュラルな風合いが引き立つ。
オープンポアのウッドパネルは杢目の美しい最高のコア材を厳選し、ラッカーを3層だけ重ねて仕上げるが、ラッカー塗膜は3層合わせて、わずか0.1mmという薄さである。
フェイシアとウエストレールにはシンプルで洗練された「ピアノリネン」のウッドパネルが使用される。インテリア全体を彩るレザーは、このモデルのために用意された
3色のカラーパレットで新鮮な趣を演出。長期使用に耐える天然レザーも新素材同様にサステナブルな素材であり、キャビンの多くの箇所に使用される。
キャビンにはその他に、英国産ウール100%のツイード生地を使用したパネルも使用される。褐色の糸で織られた天然素材の高級ツイード生地はベントレーのために特別に製作されたもの。
レザーは「ベルーガ」、「ポーポイズ」、「クリケットボール」、「ブルネル」、「バーントオーク」の5色から選択したカラーに、明るくモダンなレザーである「リネン」を組み合わせ、アクセントカラーとしてソフトで温かい印象の「オータム」を配置。
こうして完成する3色のカラーパレットは第2世代のベンテイガでは初採用となる。乗降時にはオデッシアンエディション専用のトレッドプレートが目に入る。このトレッドプレートはDピラーのエクステリアバッジと統一されたデザインとなっている。
さらに、フライングスパー オデッシアン エディションに採用されたオンブレ(ぼかし)仕上げの刺繍が、ベンテイガ オデッシアン エディションの各シートにも施され、刺繍糸で微妙なグラデーションが表現されている。
エクステリアについては、ボディの低めの位置にあるブライトウェア(前後バンパー、ヘッドライトサラウンド、テールライトサラウンド、ボディサイド下部のクローム)と22インチ10本スポークホイールにアクセントカラーとして「ペールブロッガー」のペイントが施され、静謐な雰囲気を漂わせる。
エクステリアカラーはアクセントカラーの「ペールブロッガー」と調和するように考え抜かれた6色が推奨カラーとして用意されるが、全60色以上のカラーパレットから選択することもできる。
贅沢な標準装備でウェルビーイングと快適性を約束
オデッシアン エディションは「アズール」として展開されているモデルと同じく、乗員のウェルビーイングと快適性に重きを置き、移動距離に関係なく、どんなドライブでもリラックスできるように考えられている。3.0リッターV6ガソリンエンジンと電気モーターの強力なコンビネーションで、街中でも郊外でも変わらず、静かで洗練されたドライビングエクスペリエンスを提供。
さらに、デザイン、テクノロジー、クラフトマンシップの融合を通して乗員のウェルビーイングを促進するため、「フロントシート コンフォート スペシフィケーション」を標準装備している。シートを最大22段階に調節できるほか、体温を適切に維持し、快適ですっきりとした気分で過ごせるよう、ヒーターとベンチレーターの機能も備えている。
また、ドライブをさらに安全かつ穏やかでリラックスした時間にするため、各種ドライバーアシスタンスシステムが揃った「ツーリングスペシフィケーション」も標準装備。アダプティブクルーズコントロールは、あらかじめ設定した車間距離を維持しながら先行車に追従走行し、先行車が減速(または停止)すると自車も減速または停止。先行車がいなくなると、設定速度まで自動的に加速する。
さらに、レーンアシスト、トラフィックアシスト、ベントレーセーフガード、そして車両に搭載された各レーダーと各カメラが周囲の交通状況と道路を常時監視する。
効率に優れたハイブリッドモデル
走行モードには、EVドライブモード、ハイブリッドモード、ホールドモードといった3種類のEモードがあり、各モードを切り替えるためのボタンがある。ドライバーはバッテリー残量を見つつ、ボタンを操作して走行モードを選択できるが、バッテリー残量の管理をシステムに任せることもできる。
クルマの電源を入れると、まずは都市部や短距離の移動に最適なEVドライブモードになり、可能な限り電力だけで走行する。電力のみの走行からハイブリッド走行へと切り替わったことは、「ベントレー・ハイブリッド・エフィシェンシー・アクセルペダル」を踏み込んだときの感覚でドライバーに伝わる。
「ベントレー・ハイブリッド・エフィシェンシー・ナビゲーション」による予測データに基づき、ジャンクションに近づいたり法定速度がそれまでより低くなったりしたときは、アクセルペダルが振動してドライバーに減速を促す。それによってエネルギーの節約と回生エネルギーの確実な回収が可能になる。
Eモーターから内燃エンジンに切り替わるポイントをアクセルペダルを介してドライバーに体感的に伝えると、EVドライブモードをできる限り維持しようとするため、効率性のさらなる向上につながる。EVドライブモードでは135km/hに達するまでEモーターが駆動する。
ハイブリッドモードは、インテリジェントなナビゲーションシステムのデータに基づき、効率性と航続距離を最大限に引き出す。長距離ドライブに適したモードであり、ナビゲーションシステムの走行ルートにしたがいながら、Eモードの予測機能とエンジンの惰性回転を利用。ナビゲーションシステムに目的地を入力すると、走行シーンごとに適切なドライブモードが自動的に選択され、バッテリーの電力を最も効率的に利用するための計算が絶えず行われる。EV走行が最も有効と思われるシーン、例えば都市部に進入したときなどに備え、バッテリーに電力が蓄えられる。
ホールドモードでは、エンジンと電力がバランスよく使い分けられ、必要なときに電力で走行できるように高圧バッテリーの充電量が維持される。ドライブダイナミクスモードのスポーツモードを選ぶとデフォルトでホールドモードになり、ブーストと回生が確実に行われる。
「ベントレー・ハイブリッド・エフィシェンシー・ブレーキ」は、Eモーターと従来の油圧ブレーキの制動力をシームレスに協調させ、違和感のないペダルフィールで快適なドライビングを実現すると同時に、回生エネルギーを最大限回収することを可能にする。
このオデッシアン エディションは2023年第1四半期の生産開始に先立ち、2022年11月に受注を開始する。
※日本への導入は未定
関連情報
https://www.bentleymotors.jp/
構成/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
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