フォーミュラE第7戦ベルリンePrixレース1の決勝が行なわれ、エドアルド・モルタラ(ヴェンチュリ)が制した。
舞台となるのはドイツ・ベルリンのテンペルホーフ空港の駐機場跡地に設置された、1周2.35kmのサーキット。序盤はテクニカルな低速セクションが続き、その後は複数のストレートをヘアピンでつなぐコースレイアウトだ。
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昨年の最終戦と同様に、今年もここベルリンは土・日2レース開催のダブルヘッダー。土曜日の第7戦はコースを反時計回り、第8戦は時計回りに周回する。
その予選ではモルタラが自身初のポールポジションを獲得。セバスチャン・ブエミ(日産)のタイム抹消によりグループ予選繰り上がりとなったアレクサンダー・シムスがデュエルを勝ち上がり2番手にならんだ。
1列目は意外なふたりが顔を揃えたが、2列目にテチータ勢、3列目にはポルシェ勢と強豪も上位にひしめいている。チャンピオンシップ2番手のジャン-エリック・ベルニュ(テチータ)が4番グリッドを獲得した一方で、ランキング首位のストフェル・バンドーン(メルセデス)は8番手、ライン3番手のミッチ・エバンス(ジャガー)は9番手、現チャンピオンのニック・デ・フリーズ(メルセデス)は12番手と追い上げが必須となる。
45分+1周の決勝レースの幕が開けると、モルタラが好スタート。シムスが3番手アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(テチータ)に攻められるも2番手を死守。ベルニュを抜き4番手にアンドレ・ロッテラー(ポルシェ)が上がってきた。
後方では、ミスがあったか8番手スタートのブエミが15番手にまで大きく順位を下げたものの、大きな混乱はなかった。
ダ・コスタはロングストレートで再びシムスに仕掛け、ターン6でオーバーテイク完了。シムスはロッテラーやベルニュにも抜かれ、徐々に順位を下げていった。
ただ、レース序盤から各車の差を大きく開いていかず、スリップストリームのトレイン中で走った。このコースではストレートが続くこともあり、回生には不向き。各車はレース終盤に向け、バッテリーを温存して走っているようにも思えた。
その中で6番手パスカル・ウェーレイン(ポルシェ)がアタックモード1回目へ。シムス、アンドレ・ロッテラー(ポルシェ)と続いて上位勢もアタックモードを起動した。第7戦のアタックモードはターン6のアウト側に起動ゾーンが設置され、ストレートも多いことから順位が至るところで変動していった。
モルタラはライバル勢から少し遅れてアタックモード1回目を起動し、2番手まで浮上していたロッテラーに一度首位を明け渡したものの、すぐさま抜き返した。
その後ろでは、予選では振るわずスタートでも順位を下げていたバンドーンがアタックモードも駆使して上位勢に食い込み、残り15分を前にシムスを抜き4番手に上がった。アタックモードなしで3番手ベルニュを抜き去り、2番手ロッテラーに追いすがった。
迫られたロッテラーは2度目のアタックモードへ入り、バンドーンも翌周にアタックモードへ飛び込んだ。トップのモルタラは残り10分を切ったところでアタックモードに入り3番手で復帰した。
ただ、モルタラは先行を許したふたりに対してアタックモードの残り時間でアドバンテージがあり、バンドーンが先にアタックモードが切れたロッテラーに仕掛けたのに続いてオーバーテイク。バンドーンは首位に立ったものの、アタックモードを残り2分ほど残していたモルタラにターン6で首位の座を明け渡した。
4番手ベルニュは2台に抜かれたロッテラーをパスし、ファンブーストを味方にバンドーンも続けざまにオーバーテイク。しかしここでも各車の差は大きく開かず、モルタラ、ベルニュ、バンドーンのトップ3がテール・トゥ・ノーズで周回を続けた。
残り時間が少なくなるとベルニュがターン6でモルタラの前を伺った。しかし、ベルニュはブレーキングで深く攻めすぎたことで抜けず、逆に3番手バンドーンに迫られる形となった。
残り1分を切ったところで首位モルタラがコントロールラインを通過したことで、ファイナルラップ開始時点で上位ドライバーの残りバッテリー残量は2%に……全車が大きくペースを落としてチェッカーを目指した。
しかし電池切れに終わるマシンもなく、モルタラがトップチェッカー。キャリア4勝目を自身初のポール・トゥ・ウィンを達成した。ただ、モルタラは決勝前のピットレーンでの速度違反によりレース後の審議となっている。
2位にはここまで唯一全戦入賞中のベルニュ。ここまで勝利はないものの、手堅く4度の表彰台を掴んでいることでランキング2番手につけている。3位表彰台にはランキングリーダーのバンドーンが入った。
なお、フロントロウスタートのシムスはレースペースで振るわず9位フィニッシュ。ニック・キャシディ(エンヴィジョン・レーシング)は19番手からスタートしたものの、31周目にリタイアを喫している。
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