次世代電動サルーン パサートの実質的後継か
フォルクスワーゲンは、米ラスベガスで開催中のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、新型EV「ID.7」のプロトタイプを公開した。
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ID.7は、これまでコンセプトカーの「Aero B」として知られていたリフトバック式の5ドア・セダンで、いずれはステーションワゴンも導入される予定だ。
フォルクスワーゲンのIDシリーズの6番目にあたり、当初はアルテオンやパサートと並んで販売される予定となっている。アルテオンとパサートについては、直接の後継にあたる電動モデルの計画がなく、ID.7が実質的な後継モデルとなる見込みだ。
フォルクスワーゲンのトーマス・シェーファーCEOはAUTOCARに対し、次のように語っている。
「世界的に、セダンセグメントは消滅しつつあります。中国でも、低価格帯のセダンではすでにそうなっています。欧州においては、トルコなど一握りの市場を除いて下火になりつつあることから、フォルクスワーゲンが多くのセダンモデルを投入することはないでしょう。これがその1台(ID.7)であり、内燃機関を手放したときに、これに収斂されるのです」
MEBプラットフォームをベースとするID.7は、全長4940mm、全幅1859mm、全高1529mmで、ホイールベースはID.Buzzと共通の2969mmである。現行のアルテオンやパサートよりも大きい。
米国CESで披露されたプロトタイプは、スタイリングを隠すためにQRコードから着想を得た特別なカモフラージュが施されている。完全な公開は2023年の第2四半期に行われ、その後に発売される予定である。
このカモフラージュは「エレクトロルミネッセンス(Electroluminescent)」と呼ばれ、40層に積み重ねられた塗料からなる。これに電流を流すことで、車体の22か所が発光するようになっている。
1回の充電で最大700km 内装も一新
今のところ、ID.7の詳細はほとんど明らかにされていないが、最大700kmの航続距離を持つことが確認されている。これは、IDシリーズではまだ採用されていない大型バッテリーを搭載したモデルのもの。当初は従来の77kWhバッテリーが搭載される予定だ。
これまでコンセプトカーとして使われていたAeroという名称は、空力に特化したボディ形状を指すもので、最終的な量産タイプではCd値0.23という低い空気抵抗係数が期待されている。
インテリアは、これまでのIDシリーズから大きく進化したものとなっている。インフォテインメント・システムを一新し、15インチのタッチスクリーンのメインページに温度コントロールが表示されるほか、スクリーン下の物理的な温度調節スライダーには、夜間でも使えるように照明が施された。
また、キーが近くにあることを検知すると、自動的に車内の冷暖房を開始し、必要に応じてステアリングホイールを加熱するスマートエアベントも搭載されている。ARヘッドアップディスプレイも標準装備する。
ID.7は、ドイツのエムデン工場でID.4とともに生産され、そこから中国を除くすべての市場に輸出される予定。中国向けの車両は、現地の合弁会社によって生産される。
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