Porsche 911 Turbo S
ポルシェ911ターボS
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非常事態だからこそ実現した空港イベント
ポルシェ・カーズ・オーストラリアは、ポルシェ911ターボSの発表イベントを、シドニー空港の全長2.2kmの滑走路を使って行った。
新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大以前、シドニー空港はオーストラリアで最も利用者の多い空港だった。大型旅客機の発着が可能な3本の滑走路を保有し、年間4400万人の乗客と30万回以上のフライト発着実績を持っている。
しかし新型コロナウイルスの感染拡大により乗客数が97%も減少。今回、ポルシェ・カーズ・オーストラリアは、オーストラリア政府や感染対策機関の協力を得てシドニー空港の滑走路を一時的に閉鎖し、新型「ポルシェ911ターボS」の発売を記念した発表の場にした。
48名の招待客が911ターボSで滑走路をドライブ
今回のお披露目イベントは、911ターボSのオーストラリア市場導入を受けて行われた。48名の招待客はボタニー湾に突き出た2本の滑走路のうちの1本、「16L/34R滑走路」を911ターボSでドライブする機会を得ている。
ドライビングの指導やサポートは、ポルシェ・トラック・エクスペリエンスのインストラクターであり、「バサースト1000」レースでの勝利経験を持つルーク・ヨールデンが担当。参加者のひとりは、「ウィリー・ウォンカのゴールデン・チケット(映画『チャーリーとチョコレート工場』)を手に入れた気分です。最も特別な自動車イベントへの搭乗チケットを手に入れたのですから・・・」と、興奮をあらわにしていた。
最新仕様のタイプ992、911ターボSは最高出力478kWを発揮する3.8リッター水平対抗6気筒ツインターボを搭載し、0-100km/h加速2.7秒という高性能を誇る。今回行われた前代未聞のお披露目イベントにおいて、目の前に広がる広大な滑走路を舞台に参加者は抜群の加速性能を体験することになった。
入念に進められたイベント開催準備
「タイプ992の911ターボSを発売するにあたって、何か特別なことをしたいとずっと考えていました」と語るのは、ポルシェ・センター・シドニー・サウスのマーケティング&イベントマネージャーを務めるベリンダ・コーン。
今回の滑走路閉鎖イベントが実現に至るまで、十数人の関係者により何ヵ月もの綿密な準備が必要だったという。「実現可能だと関係者全員が認めるまでに、何度も現場を視察しました。まず考慮すべき安全性に関する問題が、とにかくたくさんあったのです」と、コーンは振り返る。
実現に向けた準備としては、敷地全体のチェックと地表面の評価からスタートした。滑走路は4発ジェット旅客機用に設計されているが、果たして航空機用の路面サーフェイスが、911ターボ Sの走行にも適しているのか判断する必要があったのである。
「滑走路の長さと、そこで自動車が走行可能な速度域を理解するために、多くの作業が行われました。そこから逆算して全ての状況をカバーできるようにしたのです」
アイデアを実現させるための準備作業を経て、ついにシドニー空港管制塔から“離陸”が許可されることになった。
「これはとてもユニークで特別なイベントになりました。まさに一生に一度の機会ですし。正直、こんな機会は二度と訪れることはなさそうです」と、コーンは笑顔で語っている。
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