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「ストラトス」「131アバルト」「037ラリー」! イタリア往年の名門ラリーカーに昂ぶるオートモービルカウンシル2021

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「ストラトス」「131アバルト」「037ラリー」! イタリア往年の名門ラリーカーに昂ぶるオートモービルカウンシル2021

博物館級の名車が4台も展示!

 4月9日(金)から11日(日)までの3日、千葉県・幕張メッセで「オートモビルカウンシル2021」が開催されている。同イベントは日本の自動車文化を継承していくために2016年から行われている。毎年、主催者の展示テーマが発表されているが、今回は「時代を進めたラリーカーの戦闘美」としてイタリアの往年の名ラリーカーたちが展示されている。早速紹介をしていこう。

実用セダンを「肉食獣」に進化させたアバルトの魔法! WRCで暴れまくった「フィアット131アバルトラリー」とは

ランチア・フルヴィア・クーペ 1.6HF

 1966年に登場したフルヴィア・クーペHFは、狭角V型4気筒エンジンをフロントに縦置きしたFWD駆動車。1966年のモデルは1.2リッターだったが、翌年の1967年には1.3Lエンジンに拡大し、同年のツール・ド・コルスなどで優勝を遂げている。

 そして1969年後半には、さらに排気量をスープアップし、1.6Lエンジンを搭載。1972年には、サンドロ・ムナーリがモンテカルロラリーで初優勝。翌年はよく知られているかの「ストラトス」へバトンを渡してゆくが、フルヴィアこそ、「ラリーのランチア」のイメージを定着させた1台だ。

 今回展示されたマシンは、ランチアのレース部門「HFスクアドラ・コルセ」が実戦に用いたワークス・ラリーカーそのもの。18台製造されたうち最後の1台で、なんとのちに日産のサファリ偉業を成し遂げるレジェンド・ラリードライバー、シェカー・メッタ/マイク・ダウティ組が1974年にイースト・アフリカン・サファリラリーに出場し11位でフィニッシュした経歴を持っている実車である。

ランチア・ストラトス HF Gr.4

 ランチア・ストラトスを一言で表すなら、ラリーで勝つために産まれた「パーパスビルドカー」に尽きる。ちょうど日本では、スーパーカーブームが巻き起こり、ランボルギーニ・カウンタックやミウラに継ぐ人気車種だった。WRC(世界ラリー選手権)は、1973年からスタートしていたが、ストラトスは1974年10月のサンレモラリーから参戦しデビューウィンを飾っている。さらに、74、75、76年のWRCマニュファクチュアラー・タイトルをランチアにもたらしている。

 全長は3.7mとコンパクトながら、全幅は1.7mという特殊なディメンションを採用。ボディデザインを担当したのはベルトーネ時代のガンディーニで、成層圏に向かう宇宙船のような大胆なウェッジシェイプスタイルが印象的だ。ホイールベースは2180mmと軽自動車のホンダ・ビートよりも短く(2280mm)、ラリーのような峠の多いコースにはうってつけのコーナリングマシンに仕上がった。エンジンはディーノ246GTのV型6気筒をジャン・パオロ・ダラーラが設計したモノコックフレームに搭載していた。

 展示されている個体は、2012年のランチア・ランチ開催2日前に日本に上陸している。当時からロスマンズカラーを纏っており、1981年のスペイン・ラリー選手権、翌82年はスペイン・ツーリングカー選手権に出場し、いずれもシリーズチャンピオンを獲得している。エンジンはクラウディオ・マリオーリがチューンした2バルブのビッグバルブ仕様が搭載されている。

フィアット・アバルト 131ラリー

 1974年にフィアット124の後継モデルとして発売された大衆車の131ミラフィオーリをベースに、当時のWRCのグループ4の車両規定(生産台数400台)に対応したラリーマシンとして開発されたのがアバルト131ラリーだった。

 太いタイヤを収めるためのフロントオーバーフェンダーは、フロントスポイラーと一体化。今回、一緒に展示されているランチア・ストラトスにも似ているルーフスポイラーと、ダックテール型のトランクリッドはエアロダイナミクスも突き詰められた最先端のデザインを採用。ベースモデルのミラフィオーリと見比べても明らかに違う。

 ボディはランチア・ストラトスやランボルギーニ・カウンタックのデザインを手掛けていたベルトーネが担当をしていた。エンジンは2L4気筒をフロントに搭載しリヤ駆動で大暴れした。

 世界ラリー選手権への出場は1976年シーズンの途中からで、77年、78年、80年の3度にわたりフィアットにメイクスタイトルをもたらした。アリタリアカラーを纏った展示車は1977年のモンテカルロラリーでジャン-クロード・アンドリュー/“ビシェ”組が2位に導いたマシンそのもの。

ランチア・ラリー 037 エボリューション2

 1982年から始まるGr.Bカテゴリーで争われるラリーが決定すると、ランチアは再び、「パーパスビルドモデル」を製作。同社のベータ・モンテカルロをベースに、機能と美を追究したラリーは、シャーシはダラーラ、開発と製作はアバルト、ボディはピニンファリーナという豪華な陣容だ。開発車両コードには「SE037」が付けられた。マニアから「037ラリー」とも呼ばれる理由は、これに由来している。

 ライバルのアウディ・クワトロはフルタイム4WDを採用したが、ランチアはまったく違うアプローチでラリーに挑んでいた。ターボ全盛期の時代に、あえて2L4気筒に機械式スーパーチャージャーを組み合わせ(アバルトチューン)、ミドシップマウントにしたものだった。

 残念ながら1982年に成績を残すことはできなかったが、翌1983年のモンテカルロラリーを皮切りに5勝を挙げ、アウディとの互角の戦いを見せつけた。

 展示車は、アッティーリョ・ベッテガのドライブでアクロポリスラリー5位入賞を果たした経歴を持つ、ランチア・マルティニ・レーシングの由緒正しきワークスカーの1台。

 テーマ車だけでもお腹がいっぱいになりそうな主催者テーマ展示。もし次に見られる機会があるのなら、その走る姿をひと目見てみたいと誰しも感じるはずだ。

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みんなのコメント

3件
  • >2021/04/12 00:38 Auto Messe Web

    もう終わってるのね。。
    終わってから記事にするぐらいなら、開催前にもっと告知してほしいね。
    初日はプレス向け開催とかもやってるんだろうし。
  • 037を見るために会場に行ったがフルヴィアと131、ストラトスと037がそれぞれ対角に展示されていて車の前から眺めると一つ前の世代or一つ後の世代の車が後ろに見えるのは歴史が感じられてとても良かった
    ただ4台横に並べるという手もあっただろうに凝ってるな、と感じた
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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