新型コロナウイルスの感染が、世界中で拡大している。この結果、様々なモータースポーツのシーズンが中断もしくは延期されることとなった。そしてその空白期間を埋めたのは、様々なシミュレーションレースであった。
このシミュレーションレースには、ポジティブな点とネガティブな点が存在した。ポジティブな部分は、このシミュレーションレースを使い、チャリティ基金の資金を調達することができたということだ。ネガティブな点は、ダニエル・アプトの件のように、替え玉や暴言など不正行為がいくつか発生したということだ。
■企画『eスポーツを知る』第4回:“二刀流”選手が語るリアル・バーチャルそれぞれの魅力
では、将来このシミュレーションレースはどうなっていくのだろうか? その可能性はどれほどのものなのだろうか?
マクラーレンでeスポーツ事業を担当する、シニア・マーケティング・マネージャーのリーストン・ブライアントは、新型コロナウイルスの危機によりモータースポーツが開催されない期間を埋めたことで、業界全体が劇的な成長を遂げたと考えている。
「我々全員が経験している最大のことは、eスポーツが、これまでとは違う形で公衆の意識の中にいるということだ」
ブライアントはそう語った。
「私の母親は、F1をプレイしているサッカー選手との関係を尋ねてきた。一方で隣人は、eスポーツにおけるマクラーレンの立ち位置について質問してきた」
「私はeスポーツの世界で2年間働いてきた。その間、eスポーツはずっと成長を続けている。だが、この2ヵ月間で“2年分”成長したと思う。これは非常に素晴らしいことだし、それを将来に向けて進めていかなきゃいけない」
F1は独自のバーチャルGPを立ち上げ、現役F1ドライバーだけでなく、元ドライバーや有名人、他のスポーツおけるスーパースターなどを参戦させ、ファンの拡大に挑んだ。
F1のeスポーツ部門を率いるジュリアン・タンは、実際のレースが再開された際に、シミュレーションレースがどんな形でモータースポーツ界の一部を成すのかを知りたいと考えているという。
「他の業界と比較すれば、シムレーシングはるかに高い成長率を見せている。だから、可能性はあると思う」
タンはeスポーツのオンラインセミナーでそう語った。
「コロナウイルスが世界に与えた影響、そしてこれを乗り越えた後、我々が経験する世界は、これまでとはとても異なって見えると思う」
「ゲームやeスポーツが現在経験している成長と注目度は、新型コロナウイルスの危機が終わった後の世界に、大きな影響を与えると思う。その影響がどんなモノなのか、それを今言うのは難しいと思う。でもここにいる全員が、今は宇宙空間を進んでいるようなモノだ。途方もない量のことを学び、物事を実行し、別の方法を試している。我々は今後、新たな課題に取り組むための良い準備ができているんだ」
「レースが再開された時、バーチャルGPが今と同じように見られるかどうか、それを言うのは時期尚早だと思う。しかしバーチャルGPの要素は、より幅広いeスポーツのプログラムや、より幅広いスポーツに実装できる可能性があると思っている」
一方でマクラーレンのブライアント曰く、スポンサーたちは新たなチャンネルを通じて存在感を維持することを熱望しているため、通常のレースと並行して、eスポーツのカテゴリーで活動することによって獲得できるモノもあるのではないかと考える。
「マクラーレンのスポンサーの皆さんと、eスポーツについて話すことがある。そして、いつレースが再開されるのかということも話し合われている。おそらく休みがあったり、オフシーズンになったりすると、今回のようなアクティビティを再び開催することができるかもしれない。そうすれば、24時間365日、レーシングファンを楽しませることができるはずだ」
そうブライアントは語った。
「我々は、人々が常に”電源がオン”にできることが期待されている世界に住んでいる。だから、ファンに付加的な体験を与える方法を見たいと思う。eスポーツやシムレースは、それを行なうことができるかもしれない」
「今と同じレベルになることはない。しかし、今後何年にもわたって、大きな影響を与えることになると思う」
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