11月29日、レクサスは、富士スピードウェイで開催中のSUPER GT第8戦でエアショーを実施した。例年のショーと異なるスペシャルな内容とは?
豊田章男社長の思いを実現
GT300に「RC F GT3」が参戦中のレクサスが、ファンに向けてダイナミックなフライトパフォーマンス「“Thanks for ALL” Yoshi MUROYA×LEXUS Special Flight@FUJI SPEEDWAY」を企画・実施した。
レクサスのロゴが入ったプロペラ機「エクストラ330SC」を操るのは、エアロバティックス・パイロットの室屋義秀氏だ。「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」に初のアジア人パイロットとして2009年より参戦、2016年の千葉大会で初優勝し、2017年には年間総合優勝も果たした。レース参戦以外にも全国各地でエアショーを実施しており、富士スピードウェイでおこなわれるSUPER GTでも例年、エアショーをおこなってきた。
しかし今年は、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、SUPER GTの開幕自体が遅れたうえ、無観客試合が続いたため、エアショーも開催が危ぶまれていた。しかし、10月の第5戦からようやく観客動員が実現し、最終戦である第8戦も、人数こそ制限されたものの、モータースポーツファンの観戦が叶った。
レクサスは、ファンを含むモータースポーツにかかわるすべての人がSUPER GT最終戦を迎えられたことを祝し、さらに2021年シーズンに向けた“希望”を伝えるべくエアショーを実施したという。
しかも、通常はデモフライトのみであるのに対し、今回は特別にレクサス「LC500コンバーチブル」やBMW「8シリーズクーペ」、メルセデスAMG「GT」、日産「GT-R」など計9台のクルマが、同時に本コースを疾走した。レクサスの企画に他ブランドのクルマが協力するのは稀だ。「今回は自動車業界の未来の発展のために、メーカーの垣根を超えた」という場内アナウンスがあった。
レクサスによれば、今回のエアショーでは、トヨタ自動車代表取締役社長でレクサスのチーフブランディングオフィサーの豊田章男氏の強い思いがあって、デモ走行とのコラボレーションが実現したという。
ちなみに、LC500コンバーチブルのステアリング・ホイールを握ったのは、なんと豊田氏本人だった。エアショーの冒頭、氏は観客に向けて「SUPER GTを応援いただいているすべての方の努力と情熱で本日、最終戦を皆様と共に迎えることができました。ありがとうございました!」と、力強く述べた。
エアショーでは、きりもみ回転などにくわえ、ホームストレート上空の超低空飛行もおこなわれた! そのとき、すぐ下ではLC500コンバーチブルを先頭に、9台のクルマが並んだ。“空”と“陸”の壮大なコラボレーションに多くの観客が湧いた。しかも、1回ではなく2回もおこなわれたのだ!
たった数分のエアショーだったが、見事なコラボレーションだった。新型コロナウィルスの感染拡大は止まらないが、来年もモータースポーツおよびSUPER GTが無事に開催されることをファンのひとりとして願う。
文・稲垣邦康(GQ) 写真提供:LEXUS 撮影:三橋仁明/ N-RAK PHOTO AGENCY
※富士スピードウェイ株式会社から特別な許可を得て撮影しています。
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