AIエージェントや自動運転など新技術が盛りだくさん!
トヨタ自動車は10月25日から一般公開される第46回東京モーターショー2019に、コンセプトカー「LQ」を出展すると発表した。アメリカで人工知能や自動運転・ロボティクスなどの研究開発を行うTOYOTA Research Instituteと共同開発したAIエージェント「YUI」や、自動運転を搭載した電気自動車だ。
【意外と知らない】電気自動車にトランスミッションがないのはナゼ?
LQは2017年1月の「2017International CES」で初公開した「TOYOTA Concept-愛i」で示した未来の愛車体験コンセプトを忠実に再現。LQはConcept-愛iをもとに、来年計画している公道デモのために走行できるよう改良したコンセプトカーとなっている。
Concept-愛i から車両コンセプトである“Learn, Grow, Love ”はLQにも引き継がれている。LQの車名の由来は新しい時代の愛車(Beloved CarのL)を提案するきっかけ(Q/Cue)になれば、という思いを込めている。AIエージェントのYUIが人を知り、ともに育ち成長し、時を経てユーザーのパートナーのような存在になることを目指すという。
車両デザインは内燃機関が少ない分キャビンを前に出し、ホワイトを基調とした未来的なシルエットとした。車両中央にあるAIエージェントのYUIを起点に、車両の内外をシームレスに連続させる「インサイドアウト」をテーマとした。また、材料や部品、色、機能がそれぞれ自然に切り替わっていく様子を、内外装のデザインに組み入れている。
外装はドアの下部もガラス面とし、ドア部分と車内空間がシームレスにつながり、洗練された造形を表現。コンセプトカーには、表情が切り替わる丸目のライトがついているが、あくまでショー用で、公道で使用する際には左右のライン状に設置されたヘッドライトが点灯する。また、Concept-愛iではガルウイング仕様だったが、LQでは一般的な車両と同じ横開きのドアとなっている。
内装ではエアコンの吹き出し口を乗員から見えない場所に配置したことで、インパネ周辺の凹凸が少ないシンプルなデザインとした。
AIエージェントのYUIはユーザーひとりひとりに寄り添い、嗜好や状態に合わせた移動体験を提供する。乗員の表情や動作から感情、眠気などの状態を推定し、YUI側から話しかけるなどのコミュニケーションを図るほか、覚醒・リラックス誘導機能付きシート、音楽、車内イルミネーション、空調、フレグランスなどを用いて働きかけ、安全、安心、快適な移動に貢献する。
東京オリンピックにて先導車として活躍する予定
トヨタがコンセプトカーを作り続ける理由について、開発責任者の井戸大介さんは「LQを使って市販車に先行して技術を発表していくことで、実車で実現しているというリアリティの強みや利用者の声を市販車開発へフィードバックする」といったメリットを挙げた。LQではAIエージェント開発や効率的な少量生産への挑戦、新技術の見極めを行なっていくという。
LQにはさまざまな最新技術も取り入れられている。SAEレベル4に相当する自動運転をはじめ、無人で隣接する車両と20cm感覚で駐車できる無人自動バレーパーキングシステム、AR表示ができるヘッドアップディスプレイを採用した。また、車内外のライトの切り替えによって路面の状況やコミュニケーション手段としても使用することができる。
さらに、トヨタで初めてとなる有機ELメーターは高い視認性を確保しながら、ディスプレイを大きく曲げることで先進的なインパネを際立たせた。
環境面では、「走れば走るほど、空気がきれいになるクルマ」として期待される、大気浄化塗料を採用する。オゾンを酸素に分解する新開発の触媒塗料をラジエターファンに塗布することで、車両走行時に光化学スモッグの原因となる地表付近のオゾンを分解することができる。この技術は今後、市販車両への採用を検討しているという。
LQは東京オリンピック・パラリンピックの運営もサポート。聖火リレーの隊列車両やマラソン競技などの先導車として活躍する。またトヨタが主催する、このLQに一般公道で体験試乗ができるイベント「トヨタYUIプロジェクトTOURS2020」を、2020年6月~9月まで、東京・お台場のメガウェブや豊洲周辺の公道実施する。詳細は今後特設サイトに掲載される予定なので、ぜひチェックしてもらいたい。
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