現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > [知ったかぶり]していないですか? 今さら聞けないクルマ用語

ここから本文です

[知ったかぶり]していないですか? 今さら聞けないクルマ用語

掲載 16
[知ったかぶり]していないですか? 今さら聞けないクルマ用語

 クルマに関する用語のなかには、うろ覚えのまま“何となく”使っているものが案外多い。普段からよく耳にはするけど、よくよく考えるとちゃんと説明できない……なんてクルマ用語、ありませんか?

文/井澤利昭、写真/トヨタ、Tesla, Inc.、日産、ホンダ、マツダ

[知ったかぶり]していないですか? 今さら聞けないクルマ用語

■同じようで違うクルマのボディタイプ

メーカーが正式に認めているものではないが、国産車のなかで「サルーン」といえばやはりトヨタセンチュリーだろう。現行モデルの存在感ある大柄なボディや気品あふれるインテリアは、欧米の「サルーン」にも決して引けを取らない

 クルマの購入を検討している時、車種やメーカーとともに気になるのがクルマの外観や構造を表すボディタイプだ。自動車メーカー各社のカタログやウェブサイトを見ると、そのラインナップをボディタイプ別に分類しているところも多い。

 ボディタイプには「軽自動車」や「コンパクト」、「ミニバン」、「SUV」といった聞き慣れたものがある一方、クルマ系のニュースサイトや雑誌の記事などでは見かけるもののなかには具体的にはどんなクルマなのかがわからない用語もあったりする。

 例えば、「セダン」の一種である「サルーン」などは、いざ説明するとなると困ってしまう用語のひとつだ。

 最近では各社のカーラインナップから消えつつあるものの、古くからのクルマ好きには根強い人気を持つ「セダン」はご存じのとおり、客室と荷室、エンジンルームが各々独立してる4ドアのボディを持つクルマのこと。

 そのなかでも「サルーン」と呼ばれるモデルは、4ドア「セダン」の基本スタイルこそ変わらないものの、国内においてはより豪華で高級感のあるモデルを意味している。

 さらに、4ドアでありながら、かつては2ドアのクルマのことを指していた「クーペ」を名乗る「4ドアクーペ」なるものも最近では登場してきているのがなんともややこしいところ。こちらは4ドアでありながらルーフがより低くなだらかなフォルムが特徴で、欧州車を中心に展開されている。



記事リンク















前の記事





「敵性語」って知ってる? 英語禁止の時代にはクルマの部品は難読漢字に……















次の記事





昭和世代じゃなくてもグッとくる!?  ちょい[イケてるクルマ]にまつわる言葉8選















■オープン? カブリオレ? オープンカーはややこしい

マツダロードスターも2ドア2シーターモデル

 また、見た目には同じに思えてしまうにもかかわらず、さまざまな呼び方がされるのがオープンカーだ。「コンバーチブル」や「カブリオレ」、「スパイダー」、「ロードスター」など、同じメーカーでも車種によって名称が異なることもある。

 このうち「ロードスター」や「スパイダー」は、オープン専用に設計されたボディを持つ、2ドア2シーターのクルマを指すことが多い。

 言葉の意味するところは同じではあるが、「ロードスター」はイギリスやドイツ、「スパイダー」は主にイタリア車で使われている。同じクルマをベースとしながら、マツダ“ロードスター”とイタ車であるアバルト124“スパイダー”では車名が異なるのは、こうした理由からだ。

 一方、「コンバーチブル」や「カブリオレ」は屋根があるクルマをベースとした4人乗りのオープンカーのこと。屋根を閉じた状態が基本で、「コンバーチブル」はアメリカなどの英語圏、「カブリオレ」はフランスやドイツで主に使われている。

 なお、オープンカーは布やビニールなどをルーフの素材としている「ソフトトップ」と、金属や樹脂などの固い素材が使われる「ハードトップ」という2タイプに分かれるが、この「ハードトップ」という用語はBピラーを持たないクルマを示すこともあり、こちらも少々ややこしい。

■全部同じと思うなかれ、思った以上にいろいろな種類があるAT車

現在のほとんどのモデルは2ペダルのAT車となる

 国内を走るほとんどのクルマがAT車である現代。ところが、この「AT」や「オートマ」という用語の意味を、きちんと説明できる人は案外少ないのではないだろうか。

■ATとは?

 「AT」とはオートマチックトランスミッション(Automatic Transmission)の略で、エンジンから出力された駆動力をタイヤへと伝える変速機(トランスミッション)を文字どおり自動化したもの。MT(マニュアルトランスミッション)車のようなギアチェンジやクラッチ操作が必要ないため運転に集中でき、誰にでも変速時のショックがないスムーズな走りを可能としている。

 また、ひと口に「AT」といっても、いくつかの種類があるというのも知っておきたいポイント。なかでも最も一般的なのが「ステップAT」だ。

「トルクコンバーター」という流体と遊星歯車機構(プラネタリーギア)によってパワーを伝達する構造のため「トルコン式AT」とも言われる「ステップAT」は、1速、2速……というMT車と同じ段階的なギヤセットを持つのがその特徴。

 従来は3~5速が一般的だったが、近年では静寂性と燃費の向上を図るため多段化が進み、8速や9速のものも登場してきている。

■ATはCVTだけじゃない

 また、国内のコンパクトカーや軽自動車などでよく用いられている「AT」が「CVT」といわれるタイプだ。「CVT」(コンティニュアスリー・バリアブル・トランスミッション)とは日本語で言うところの「無段変速機」のこと。

 向かい合ったふたつの可変プーリーをベルトでつなぐ構造で、連続的に無段階で変速比を変更することができるのがその特徴だ。

「CVT」は最適な減速比へと無段階で変速できるため、効率のいいエンジンの回転数を維持しやすく、燃費効率に優れるというメリットがある。

 これら以外にもMT車の変速機そのままに自動化した「AMT」(オートメイテッド・マニュアル・トランスミッション)や、ふたつのクラッチを搭載することで「AMT」での変速時のタイムラグを短縮した「DCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)」といったタイプもある。

 ひと口に「AT」といってもその種類はさまざま。それぞれのタイプの特徴まで知っておけば、クルマ好きからも一目置かれる……かもしれない!?

■何となく知っているけど説明しにくい!? トルクとパワーの違い

数ある市販車のなかでトルクが最も大きいのがベントレーミュルザンヌだ。6.8LのV8ツインターボエンジンが生み出す最大トルクは、カタログスペック上で104.0kgm/1750rpmにも及ぶ

 クルマ用語のなかには同じように扱われがちながら、実は意味合いが異なるというものがある。カタログの諸元表などにも記載されている「パワー(出力)」と「トルク」も、そんな用語ではないだろうか。

 このふたつの用語は、いずれもエンジンの性能を示す言葉ではあるが、それぞれの違いをわかりやすく説明するとなると案外難しいもの。

 まず「トルク」はエンジンが発生する回転力を示すもので、「kgm」という単位で表されることが多い。トルクをわかりやすく説明するのによく用いられる自転車を例にとると、ペダルを踏み込む力がトルクであり、これが大きいほど加速性能が高いといえる。

 いっぽうの「パワー」はトルクに回転数をかけたもので、単位には「ps」や「馬力」が用いられる。この値が大きいほどスピードが出やすくなるため、他の条件が同じであれば、クルマの最高速はパワーで決まることになる。

 ちなみに1馬力は馬一頭の力……ではなく、75kgのおもりを1秒間に1m持ち上げる力を示しており、その単位である「ps」は、ドイツ語で馬の力を意味する「Pferdestarke」を略したものだ。

 なお、クルマ好きには昔からなじみのある「kgm」や「ps」、「馬力」といった単位は、国内ルールであるJIS表示を基本としているが、最近ではSI(国際単位系)に基づき、パワーを「kW」、トルクを「Nm」と表すことが一般的。自動車メーカー各社のカタログなどでは、両方が併記されていることが多い。

 クルマの話をする時には必ず必要となるさまざまな用語。その意味合いをよく知らずに使っているものがもしあるなら、一度きちんと調べておくと、後々恥をかかずにすむかもしれない。

【画像ギャラリー】知っときゃ安心!? クルマ用語のはじめの一歩(9枚)

投稿 [知ったかぶり]していないですか? 今さら聞けないクルマ用語 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

クライスラーのミニバン『ボイジャー』、米国で復活…4万ドル切る価格に
クライスラーのミニバン『ボイジャー』、米国で復活…4万ドル切る価格に
レスポンス
スズキ『V-ストローム800DE』、走行が不安定になるおそれ…リコール
スズキ『V-ストローム800DE』、走行が不安定になるおそれ…リコール
レスポンス
ホンダ斬新「最小・最安コンパクトカー」がスゴイ! “159万円”から&「5速MT」モデルあり! 全長3.8mボディの「ブリオ」とは?
ホンダ斬新「最小・最安コンパクトカー」がスゴイ! “159万円”から&「5速MT」モデルあり! 全長3.8mボディの「ブリオ」とは?
くるまのニュース
「信じられないけど 恐ろしく速いんだ」……ハリウッドNo.1 “カーマニア”の名優が愛した 52年前の「スーパーセダン」とは
「信じられないけど 恐ろしく速いんだ」……ハリウッドNo.1 “カーマニア”の名優が愛した 52年前の「スーパーセダン」とは
VAGUE
黒船襲来!! 補助金込みで475万円~! ジープ初の100%EV[ジープアベンジャー]を見に行ってきた! 日本にジャストサイズで大ヒット間違いなし!
黒船襲来!! 補助金込みで475万円~! ジープ初の100%EV[ジープアベンジャー]を見に行ってきた! 日本にジャストサイズで大ヒット間違いなし!
ベストカーWeb
クルマをぶつけて保険じゃなく「自腹で修理」! どこで直すのが正解か3つのパターンで考えてみた
クルマをぶつけて保険じゃなく「自腹で修理」! どこで直すのが正解か3つのパターンで考えてみた
WEB CARTOP
レッドブル、F1シート喪失リカルドにPR役をオファー?「陣営内にとどめておくことに興味がある」
レッドブル、F1シート喪失リカルドにPR役をオファー?「陣営内にとどめておくことに興味がある」
motorsport.com 日本版
ホンダのミニMOTO『ダックス125』、米国投入が決定…10月発売へ
ホンダのミニMOTO『ダックス125』、米国投入が決定…10月発売へ
レスポンス
マツダ車なのにフォードエンブレム!? [テルスター]は謎のカッコよさがあったのよ!! フォード専売店だった[オートラマ]とは
マツダ車なのにフォードエンブレム!? [テルスター]は謎のカッコよさがあったのよ!! フォード専売店だった[オートラマ]とは
ベストカーWeb
F1日本GPを0円で楽しめるチャンス! 鈴鹿サーキット、”若いファン”を対象にした特別招待企画の実施を発表
F1日本GPを0円で楽しめるチャンス! 鈴鹿サーキット、”若いファン”を対象にした特別招待企画の実施を発表
motorsport.com 日本版
トヨタ「ちょうどイイサイズのSUV」どんな状況? カローラSUVこと「カローラクロス」どんなクルマ?
トヨタ「ちょうどイイサイズのSUV」どんな状況? カローラSUVこと「カローラクロス」どんなクルマ?
くるまのニュース
【世界に挑む日本人ライダーの足跡】Moto3鈴木竜生選手、意識が変わった10歳の大怪我。「嫌い」が「好き」になったとき
【世界に挑む日本人ライダーの足跡】Moto3鈴木竜生選手、意識が変わった10歳の大怪我。「嫌い」が「好き」になったとき
バイクのニュース
MotoGPインドネシア予選|マルティンが驚速0.5秒差つけてポールポジション獲得! ヤマハのクアルタラロがセカンドロウ並ぶ
MotoGPインドネシア予選|マルティンが驚速0.5秒差つけてポールポジション獲得! ヤマハのクアルタラロがセカンドロウ並ぶ
motorsport.com 日本版
現代版[ヨタハチ]が復活か!? カプチーノも共同開発へ!! 1.3LターボのFRで名車たちが蘇る
現代版[ヨタハチ]が復活か!? カプチーノも共同開発へ!! 1.3LターボのFRで名車たちが蘇る
ベストカーWeb
めちゃ気になるタイヤにはさまった「小石」自分で取っちゃってイイ? 除去しちゃいけないこともある!? 正しい対処法とは
めちゃ気になるタイヤにはさまった「小石」自分で取っちゃってイイ? 除去しちゃいけないこともある!? 正しい対処法とは
くるまのニュース
ポルシェとアキュラに技術違反でペナルティ。GTPタイトル争いに重大な影響も/IMSAインディアナポリス
ポルシェとアキュラに技術違反でペナルティ。GTPタイトル争いに重大な影響も/IMSAインディアナポリス
AUTOSPORT web
100万円で売ってる中古車の仕入れ価格っていくら? 上乗せ価格が「利益」じゃない中古車販売事情
100万円で売ってる中古車の仕入れ価格っていくら? 上乗せ価格が「利益」じゃない中古車販売事情
WEB CARTOP
ド迫力の斬新「SUVミニバン」がスゴイ!  三菱「デリカ」ベース&めちゃ“ゴツゴツボディ”! まるで装甲車なブラーバ「オーカス」とは?
ド迫力の斬新「SUVミニバン」がスゴイ! 三菱「デリカ」ベース&めちゃ“ゴツゴツボディ”! まるで装甲車なブラーバ「オーカス」とは?
くるまのニュース

みんなのコメント

16件
  • ********
    知ったかぶりジドウシャメディア

    ベストカー
  • bla********
    トルクは[kgm]じゃなくて[kgf・m]もしくは[N・m]だ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村