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apr製作車両での表彰台独占に「感無量」。LC500h GTはピックアップに苦しむも「抜かれない自信があった」

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apr製作車両での表彰台独占に「感無量」。LC500h GTはピックアップに苦しむも「抜かれない自信があった」

 両クラスで非常に多くのバトルが繰り広げられた2023スーパーGT第7戦『AUTOPOLIS GT 450km RACE』の決勝。GT300クラスでは、レース終盤にSUBARU BRZ R&D SPORTとの争いを制したapr LC500h GTが3位でフィニッシュし、待望の初表彰台を獲得した。

 10月14日に行われた予選で3番手につけたapr LC500h GTは、翌日15日の決勝でもスタートから快調な走りを披露。第1と第2スティントを小高一斗、第3スティントを根本悠生が担当すると、終盤のSUBARU BRZ R&D SPORTからの猛攻を防ぎきり、3位でチェッカーフラッグを受けた。

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 その第3スティントをドライブした根本。中継では背後に迫るSUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人からのプレッシャーを冷静に防いでいるかと思われていたが、実はタイヤカスを拾ってしまいグリップダウンを招く“ピックアップ”に苦しんでおり「もう本当に『勘弁してくれ』(苦笑)」というレースだったと言う。

「(交代して)1周目から調子が良くて『全然いけるじゃん!』と思ってノリノリで2周目を迎えたら、その周から『ちょっと怪しいな……』と。そして3、4周目からはリヤタイヤも厳しくなり、そこでGTの難しさを感じました」

 64周目には、周回遅れのシェイドレーシング GR86 GTにインを突かれた隙に、同一ラップで上位を争うmuta Racing GR86 GTにオーバーテイクを許してしまう。厳しいレースを戦う根本には、ピットでレースを見守る嵯峨宏紀と小高もアドバイスの無線を入れていたという。

「アドバイスを聞きながら縁石を使ってタイヤカスを取ろうとしたりして、いろいろなトライをしてみたんですけど難しかったです」と根本。スーパーGTでのオートポリスは初走行ということで、予選後に言及していた経験不足が出てしまった格好だ。しかし、そんな状況だからこそ得られた経験もある。

「一斗の1分48~49秒台というペースに1秒から1秒半ほど遅かったので、気温が下がったなどのいろいろな要因はあるにしろ、そこはドライバーで何とかなる問題だと思います。でも、初めてのオートポリスでのGTで、タイヤが厳しいなかで長距離を走り、ピックアップにも気をつけるという、本当にすごく勉強になるレースでした」

「さらに後ろからは井口選手も迫ってきていて、何とか抑えることができたので良かったですけど、純粋なパフォーマンスではスバルさんと井口選手が上だったと思います。けれど、今回は良いクルマを持っていたので、その良い部分というのは素直に受け止めたいですね」

「井口選手とのバトルに関しては、自分の走りをしていれば絶対に抜かれないという自信があったので、プレッシャーに負けることなく良い走りをすることができました。これでapr LC500h GTの初表彰台に貢献できたことは一安心ですし、大きな一歩だと思います。これからもたくさんの表彰台と、ゆくゆくは勝てるように頑張りたいです」

■金曽代表は初表彰台に喜びも、本当に嬉しいのはapr製作車両によるトップ3

 そして、apr LC500h GTを製作して走らせるaprの金曽裕人代表は、レース後にマシン初となる3位表彰台獲得に笑顔をみせていた。しかし、今回は優勝を飾った埼玉トヨペットGB GR Supra GT、2位のmuta Racing GR86 GTと、ブリヂストンタイヤ装着勢が速さを披露していたことで、金曽代表はその部分を含めてレースを総括する。

「今回はブリヂストンのワン・ツー・スリーに尽きます。タイヤがすごく良くて、もう“タイヤ勝ち”だね。でも、もし僕らが順位を落としてブリヂストンのワン・ツー・“フォー”だったら、全然喜びが違っていたと思います」

 GT300クラスでブリヂストンによる表彰台独占は2019年開幕戦岡山以来の快挙。そのことに貢献できた金曽代表は、自身が率いるaprが製作に関与したGRスープラGT、GR86 GT、LC500h GTのGTA-GT300規定車両によるトップ3独占にも喜びを語る。

「ブリヂストンのワン・ツー・スリーはすごく嬉しいですけど、今回は僕らが作ったクルマがワン・ツー・スリーを獲得しました。これはコンストラクターとしても幸せなことだと思っています」

 埼玉トヨペットGB GR Supra GT、muta Racing GR86 GTのベース車両となるGRスープラGTとGR86 GTは、走らせるチームこそ違うものの、元はaprが設計し、風洞実験や開発、そして製造などを手掛けた愛着のあるマシンでもある。

「今日はapr LC500h GTにとって初表彰台でしたけど、ウチ(apr)から生まれたクルマ3台が表彰台を独占することができたので、本当に感無量ですね」

 最終戦では、今回のレース結果によって埼玉トヨペットGB GR Supra GTとmuta Racing GR86 GTとのチャンピオン争いが繰り広げられることになる。このことについても、金曽代表は自分のことのように嬉しいという。

「もてぎはGT300規定車両がそれほど得意としていないので、apr LC500h GTはどうなるか分からないけど、まあ何とかなるかなと。それよりも、埼玉トヨペットGB GR Supra GTでもmuta Racing GR86 GTでもいいので、僕らが作ったクルマがチャンピオンを獲ってほしいと思っています。今日は自分のチームのクルマよりも、コンストラクター目線で良いクルマができ上がって良かったです」

 スーパーGTの前身である全日本GT選手権時代から、MR-2、MR-S、ガライヤ、カローラ、プリウス、そして現在のLC500hといった数多くの名車を走らせてきたapr。2023スーパーGT第7戦では、ブリヂストンタイヤとともに、その開発能力とレベルの高さが結果に結びついたと言えるレースだった。

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みんなのコメント

3件
  • v_m********
    嵯峨選手の来季が心配。
  • やふた
    2台のマシンを燃やしつくした、あのメンテ屋に指導をしてやってほしい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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