現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタ「ヴェルファイア」がほぼ廃止へ? アルファード人気に押された姉妹車の行く末

ここから本文です

トヨタ「ヴェルファイア」がほぼ廃止へ? アルファード人気に押された姉妹車の行く末

掲載 更新 88
トヨタ「ヴェルファイア」がほぼ廃止へ? アルファード人気に押された姉妹車の行く末

■いよいよヴェルファイアがワングレードに絞られる!?

 トヨタの上級ミニバンとして、「アルファード/ヴェルファイア」があります。この2車種は基本部分を共通化した姉妹車ですが、ヴェルファイアが選択肢を大幅に見直すことになるようです。

アルファードを超える? トヨタが新型高級ミニバン「マジェスティ」発表!

 トヨタの販売店は次のように述べています。

「アルファードとヴェルファイアは、2021年4月28日に、オートライト(ライトを自動的に点消灯させる機能)の装着など、法規に対応する改良を実施します。このときにヴェルファイアのバリエーションを大幅に整理します。

 従来はアルファードと同じくグレードを豊富に用意していましたが、改良後のヴェルファイアは、特別仕様車の『Zゴールデンアイズ』のみです。

 一般的なグレードは廃止されるので、ベーシックな『X』や最上級の『エグゼクティブラウンジ』が欲しいお客さまは、今後はアルファードから選んでいただくことになります」

 ヴェルファイアが特別仕様車を残してグレードを廃止する背景には、アルファードとヴェルファイアの大幅な販売格差があります。

 2021年1月から3月の登録台数を平均すると、アルファードは1か月平均で1万1368台ですが、ヴェルファイアは1061台に留まります。ヴェルファイアはアルファードの9%と売れ行きが大幅に下がったので、グレードを廃止するわけです。

 ちなみに2015年にアルファードとヴェルファイアが現行モデルにフルモデルチェンジされたときの登録台数は、ヴェルファイアのほうが多かったです。

 発売の翌年となる2016年の登録台数も、アルファードが1か月平均で3697台、ヴェルファイアは4515台でした。

 アルファードを扱うトヨペット店は全国に約1000店舗、ヴェルファイアのネッツ店は約1500店舗なので、販売規模の違いも影響していました。

 ところが2018年1月に実施されたマイナーチェンジで、両車の販売順序が変わります。両車ともフロントマスクを変更しましたが、アルファードでは存在感の強いデザインになり、人気を高めています。

 2018年の登録台数はアルファードが1か月平均で4901台、ヴェルファイアは3054台です。その後もアルファードが上まわりました。

 そして2020年5月には、東京地区に続いて、全国のトヨタの販売店でトヨタの全車を買えるようになりました。

 従来はアルファードとヴェルファイアを販売していなかったトヨタ店やカローラ店でもアルファードが好調に売れ始めた結果、アルファードとヴェルファイアに大きな販売格差が生まれています。

■ヴェルファイアからアルファードへ乗り換えるユーザーも

 以前ヴェルファイアを専門に扱って、大量に販売していたネッツ店からは次のような話が聞かれました。

「最近ではヴェルファイアからアルファードに乗り替えるお客さまが増えています。中高年齢層のお客さまからは、ヴェルファイアは若い人向けのデザインだという意見を聞きます。

 いまは若いお客さまが少ないので、アルファードが好調に売れています。今後ヴェルファイアは、特別仕様車を除くと整理されるので、いつかは車種自体が廃止されるかもしれません」

 一方、以前からアルファードを販売してきたトヨペット店は次のようにコメントしました。

「ヴェルファイアはスポーティで精悍な印象が強く、ブラックのボディカラーが似合います。これも魅力的ですが、多くのお客さまが高級車に求めるのはやはりホワイトパールでしょう。

 このボディカラーがピッタリなのは、豪華さを併せ持つアルファードのフロントマスクです。

 とくにアルファードには『ホワイトパールクリスタルシャイン』に加え、ヴェルファイアには用意されていない『ラグジュアリーホワイトパールクリスタルシャインガラスフレーク』も設定しています」

 アルファードのホワイトパール系のボディカラーが人気となるには理由があるようです。前出のトヨペット店のスタッフはこのようにいいます。

「アルファード 2.5S・Cパッケージのホワイトパールは、中古車市場での人気もきわめて高いです。登録して2年程度なら値落ちがきわめて小さく、2年半ほど使われた車両を420万円で下取りしました」

 アルファード S・Cパッケージは、2.5リッターエンジンを搭載してエグゼクティブパワーシートなどを備える上級グレードです。価格は466万4000円でカーナビなどは標準装着されています。

 アルファードのホワイトパール系のボディカラーはどちらもオプション価格が3万3000円です。

 このボディカラーを選び、多少のオプションを加えると車両価格は490万円前後ですが、2年半使って420万円なら値落ちはかなり少ないといえます。

 販売店では「このように高値で売却できるという話をすると、大半のお客さまがアルファードのホワイトパール系の色を選びます」と説明します。人気がさらなる高人気を呼んでいるわけです。

 アルファードが人気車になるのは好ましいですが、ヴェルファイアは可衰想な気もします。

2008年に2代目アルファードの姉妹車として登場したときは、大柄なボディと睨みの利いたフロントマスクで一躍人気車になりました。それが結局はアルファードに負けてしまったのです。

 全店で全車を扱う販売体制はユーザーにとっては便利ですが、好調に売れる車種はますます台数を伸ばし、そうでない車種は落ち込みます。

 日産では全店が全車を扱う体制になり、「デイズ」「ルークス」「ノート」「セレナ」以外はほとんど売れなくなりました。ホンダも「N-BOX」「N-WGN」「フィット」「フリード」以外は低調です。

 ヴェルファイアがアルファードの9%しか売れなくなった現状を含めて、全店が全車を扱う販売体制は、残酷な結果を招きます。トヨタは以前から車種を削減する方針を打ち出しており、この販売格差も想定通りなのでしょう。

 そして先ほど販売店のコメントにあった通り、仮にヴェルファイアが廃止されると、売れ行きが低調だったとはいえユーザーの選択肢が減ります。

 全店で全車を買えるから便利では済まされません。ヴェルファイアとアルファードの販売格差は、ユーザーの選択肢が減っていく今の国内販売を反映しているように思います。

こんな記事も読まれています

ホンダ新型「“スポーティ”SUV」公開! ターボエンジン搭載でめちゃ楽しそう! 精悍エアロ採用の「リミテッドE」比国に登場
ホンダ新型「“スポーティ”SUV」公開! ターボエンジン搭載でめちゃ楽しそう! 精悍エアロ採用の「リミテッドE」比国に登場
くるまのニュース
“今年の10台”に選ばれた ホンダ新型「フリード」はなぜ人気? 全長4.3mのコンパクトミニバンがヒットした理由とは
“今年の10台”に選ばれた ホンダ新型「フリード」はなぜ人気? 全長4.3mのコンパクトミニバンがヒットした理由とは
VAGUE
「自信」を高めた勝田貴元と「夢」を叶えたパヤリ。フル参戦復帰のロバンペラにラトバラ代表が期待
「自信」を高めた勝田貴元と「夢」を叶えたパヤリ。フル参戦復帰のロバンペラにラトバラ代表が期待
AUTOSPORT web
【グリーンが夜の麻布台ヒルズに映える】ベントレー最新モデルをクリスマスイベントで特別展示!
【グリーンが夜の麻布台ヒルズに映える】ベントレー最新モデルをクリスマスイベントで特別展示!
AUTOCAR JAPAN
タイヤも回る本格仕様!「ワーゲンバス」型ティッシュケースが予約販売開始
タイヤも回る本格仕様!「ワーゲンバス」型ティッシュケースが予約販売開始
レスポンス
ずらり並んだ「絶品干物」を自ら選んで定食化! お箸が止まらなくなる「ヒモノ食堂」は素通り厳禁【懐かしのドライブイン探訪その6】
ずらり並んだ「絶品干物」を自ら選んで定食化! お箸が止まらなくなる「ヒモノ食堂」は素通り厳禁【懐かしのドライブイン探訪その6】
WEB CARTOP
不変のオーテック愛「AOG湘南里帰りミーティング2024」は愛車とオーナーの同窓会だ!
不変のオーテック愛「AOG湘南里帰りミーティング2024」は愛車とオーナーの同窓会だ!
旧車王
アウディ史上最強・最速の電動スポーツカー誕生、912馬力の『RS e-tron GT パフォーマンス』
アウディ史上最強・最速の電動スポーツカー誕生、912馬力の『RS e-tron GT パフォーマンス』
レスポンス
ピアストリ、スタート違反でペナルティ「厳しい夜だった。7位が精一杯」首位マクラーレンとフェラーリの点差が縮小
ピアストリ、スタート違反でペナルティ「厳しい夜だった。7位が精一杯」首位マクラーレンとフェラーリの点差が縮小
AUTOSPORT web
トヨタのお膝元にホンダ・シビックで行ってきました|WRCラリージャパン2024取材の裏側
トヨタのお膝元にホンダ・シビックで行ってきました|WRCラリージャパン2024取材の裏側
motorsport.com 日本版
アーティスト・俳優 佐藤友祐(lol)の「あの“絶版旧車”に乗りたい!」──Vol.11 ヤマハRZ250
アーティスト・俳優 佐藤友祐(lol)の「あの“絶版旧車”に乗りたい!」──Vol.11 ヤマハRZ250
GQ JAPAN
1000万円超え!? ホンダ新型「シビック“タイプR”」公開! 320馬力「直4」×MTのみ設定! 迫力エアロがカッコイイ「グループA」比国に登場
1000万円超え!? ホンダ新型「シビック“タイプR”」公開! 320馬力「直4」×MTのみ設定! 迫力エアロがカッコイイ「グループA」比国に登場
くるまのニュース
ランボルギーニの新型電動スーパーカー『テメラリオ』、英YASAの新開発モーター搭載
ランボルギーニの新型電動スーパーカー『テメラリオ』、英YASAの新開発モーター搭載
レスポンス
MotoGPのテスト中無線システム、バニャイヤ超辛辣な評価……使用拒否で「毎回ペナルティだろうね」
MotoGPのテスト中無線システム、バニャイヤ超辛辣な評価……使用拒否で「毎回ペナルティだろうね」
motorsport.com 日本版
[音を良くするコツをプロが指南]「スマホ」をシステムの中心に据えて良い音を楽しむ方法を伝授!
[音を良くするコツをプロが指南]「スマホ」をシステムの中心に据えて良い音を楽しむ方法を伝授!
レスポンス
3位&4位のフェラーリ、ドライバーたちに不満が残るレースに。サインツはピット指示に苛立ち、ルクレールは僚友に激怒
3位&4位のフェラーリ、ドライバーたちに不満が残るレースに。サインツはピット指示に苛立ち、ルクレールは僚友に激怒
AUTOSPORT web
レッドブル、今季の”最低地点”はイタリアGPだと振り返り「タイトルが遠ざかっていく瞬間だった」
レッドブル、今季の”最低地点”はイタリアGPだと振り返り「タイトルが遠ざかっていく瞬間だった」
motorsport.com 日本版
トヨタが2025年参戦体制を発表。ロバンペラが3冠目指しフルシーズン復帰、勝田を含む4名がフル出場へ
トヨタが2025年参戦体制を発表。ロバンペラが3冠目指しフルシーズン復帰、勝田を含む4名がフル出場へ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

88件
  • 販社のしばりが無くなったんだからグレードは絞って当たり前。 グレードどころか車種も減らしてもよいくらい。 ヤンキーミニバンが減るから助かります。 
  • ヴェルファイアが廃止になっても、何も困らない
    廃止になった車種はいくらでも有る
    他の車を購入すればいいだけ
    むしろ車種は少ない方がいい・・・。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

655.0892.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.01899.0万円

中古車を検索
ヴェルファイアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

655.0892.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

25.01899.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村