コラピントごめんね！ 1点を競い合う熾烈なランキング争い、ファステスト”奪った”オコン「決断には疑問もあったけどね」

　F1アメリカGPでは、フェラーリが見事なワンツーフィニッシュを飾った裏で、ウイリアムズのフランコ・コラピントとアルピーヌのエステバン・オコンによるファステストラップの奪い合いが起きていた。

　3位を巡ってタイトルコンテンダーのマックス・フェルスタッペン（レッドブル）とランド・ノリス（マクラーレン）が激しく争い、ペナルティ基準について物議を醸すなどトピックが多かったアメリカGP。ファステストラップを巡っても争いが繰り広げられた。

　レース終盤、ファステストラップの権利を持っていたのがコラピントだ。ローガン・サージェントの後任としてイタリアGPでF1デビューを果たしたコラピント。まだキャリアは僅か4戦だが、アメリカGPで2回目の入賞を果たした。

　ハードタイヤを履いてスタートし、クリーンエアの中を走れたことで素晴らしいレースを展開したコラピント。39周を走り終えたところでミディアムタイヤに交換し、46周目に1分37秒611をマークしたのだ。

　しかし、コラピントからファステストラップを奪ったのが、アルピーヌのオコンだった。オコンは51周を終えたところでピットストップし、ソフトタイヤに交換。53周目に1分37秒330をマークしたのだ。

　アルピーヌはコンストラクターズランキング9番手。わずかな差で先行するウイリアムズを追いかけている立場だ。オコンはポイント圏外を走っていたため、ポジションを犠牲にしてでも、コラピントの追加ポイント獲得を阻止することを選択したのだ。

「ウイリアムズとコラピントからそれを奪うことができた。普通なら10位でファステストラップのボーナスが得られることなんてないから、（ストップの）決断にも疑問があった」とオコンはmotorsport.comに説明した。

「結局僕はポイントをもらえなかったけど、今は理解できるよ。コンストラクターズ選手権は非常に接近していて、トップ10に入った者だけに（ファステストラップの）1ポイントが与えられる。正直なところ、彼（コラピント）には申し訳ないと思っているよ」

　ライバルからポイントを奪ったアルピーヌは、コンストラクターズランキング8位となる可能性を残している。ウイリアムズとは4ポイント差しかない。だがアルピーヌは夏休み明け初戦のオランダGP以来ポイントを挙げていないため、奇跡を願わなければならない。

　コラピントは、1点を失ったことを悔やみ、「ファステストを出していたけど、オコンが新しいタイヤでタイムを出したんだ」と振り返った。

「彼はそれ以前の段階で、（ファステストには）程遠かった。僕はその数周前、もっと古いタイヤでタイムを出したんだ」

「彼らはニュータイヤと、より燃料が少ない状態で僕たちからポイントを奪おうとした。ペースの面で彼らは僕たちと近くなかったけど、それもレースの一部だ」

「ポイントを失ったけど、すぐに取り戻せるだろう。僕たちはポイントを獲得できるような良いマシンを持っている。だから、もっと強くなれると確信している」