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マセラティMSGレーシングのギュンター選手がフォーミュラE「東京 e-Prix」初代チャンピオンに! 日産ローランド選手は2位表彰台を獲得

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マセラティMSGレーシングのギュンター選手がフォーミュラE「東京 e-Prix」初代チャンピオンに! 日産ローランド選手は2位表彰台を獲得

 3月30日、ABB FIAフォーミュラE世界選手権2023/2024年シーズン10、第5戦「東京E-Prix」が開催され、マセラティ MSG レーシングのマクシミリアン・ギュンター選手がトップでチェッカーフラッグを受け勝利した。日産のオリバー・ローランド選手は予選1位、決勝レースは2位表彰台を獲得した。

 大会前から多くの注目を集めた2024年のフォーミュラE「東京E-Prix」。29日に行われたシェイクダウンとフリー走行1回目は雨上がりの難しいコンディションの中の開催となった。

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 ニッサン・フォーミュラEチームのサッシャ・フェネストラズ選手は29日のフリー走行1回目で濡れた路面の中、ピットアウトしようとした際に他車に突っ込まれ、セッション終盤は走れなかった。

 翌30日の予選・決勝日は朝から晴天に恵まれた。

午前中のフリー走行2回目を経て、10時20分からはドライバーズワールドチャンピオンシップの順位に基づいて、奇数の順位のドライバーを「グループA」、偶数のドライバーを「グループB」に振り分けタイムアタックを実施。車両出力を300kWに制限した公式予選が開始した。

 最初にグループAの11台が出走。12分間のセッションでは、ホームレースを迎えたニッサン・フォーミュラEチームのオリバー・ローランド選手がトップタイムを記録し、マヒンドラ・レーシングのエドアルド・モルタラ選手、ジャガーTCSレーシングのニック・キャシディ選手、アンドレッティ・フォーミュラEのジェイク・デニス選手の上位4台が対戦方式で争われる「デュエルステージ」に進んだ。

 しかし、セッション終了後にキャシディ選手に対して技術違反の審議が掛けられ、最終的にベストタイム抹消の処分が下された。これでジャガーTCSレーシングのミッチ・エバンス選手が繰り上がりでデュエルステージ進出となった。

 続く10時37分からは予選グループBのセッションがスタート。マセラティMSGレーシングのマキシミリアン・ギュンター選手がトップタイムを記録。ERTフォーミュラEチームのセルジオ・セッテ・カマラ選手、ABTクプラフォーミュラEチームのニコ・ミューラー選手、タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームのパスカル・ウェーレイン選手がデュエルステージに進出した。

 ニッサン・フォーミュラEチームのサッシャ・フェネストラズ選手はターン2終わりでジャンプをした際、壁にわずかにぶつかり左リヤタイヤのアライメントが狂ってしまいタイムを出すことができず、グループB10番手で敗退となった。

 勝ち残った上位8名は準々決勝で対戦し、車両出力が350kWへと引き上げられ、 ノックアウト方式の予選に挑んだ。

 そして、予選ファイナルにはマセラティMSGレーシングのマキシミリアン・ギュンター選手と、ニッサンホームレースの期待を背負うオリバー・ローランド選手が進出。

 タイトなコーナーが連続するコース最初のセクションではギュンター選手がローランド選手を引き離すものの、高速セクションではローランド選手がタイムを詰める。完璧な走りをみせたローランド選手が0.021秒差でギュンター選手を下し、ニッサン・フォーミュラEが母国でポールポジションを獲得した。

 14時34分より決勝レース進行が開始され、レース前のスターティンググリッドには、岸田文雄内閣総理大臣が駆けつけた。グリッドに姿を表した岸田首相は、東京都の小池百合子都知事と共に国家独唱を見届けた。

 15時04分にシグナルがブラックアウトして決勝レースがクリーンにスタート。ホームレースを迎えたニッサン・フォーミュラEチームのオリバー・ローランド選手を先頭に、2番手にマヒンドラ・レーシングのエドアルド・モルタラ選手が1コーナーを抜けていく。ギュンター選手は3番手に後退。好スタートを切った5番グリッドのデニス選手が4番手にポジションアップ。オープニングラップを終えて、リタイヤはなく全22台が2周目へ突入した。

 2周目、タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームの2台、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ選手とパスカル・ウェーレイン選手のチームメイト同士がバトル。その後方では、ABTクプラフォーミュラEチームのニコ・ミューラー選手とアンドレッティ・フォーミュラEのノルマン・ナト選手が接触するも、2台はコースに留まる。

 6週目にはターン15で、マクラーレンのジェイク・ヒューズ選手がフロントからウオールに突っ込むクラッシュを喫して、ストップ。ヒューズ選手はコースに復帰するもこの日はマクラーレンは運に見放された。

 その後、同じくマクラーレンのサム・バード選手がERTフォーミュラEチームのダン・ティクトゥム選手とターン15で接触してしまい、押し出されたバード選手がバリアに突っ込んだ。バードは選手コースに戻るも、レースペースは戻らなかった。

 10周ほどを過ぎると隊列はローランド選手を先頭にトレイン状態が続いた。ローランド選手はモルタラ選手とギュンター選手をリードするものの、そのギャップはわずか1秒以内だった。

 トップ3の後方には、デニス、ウェーレイン、ダ・コスタ、フラインス、セッテ・カマラ、ミュラー、ナトーの各選手が続く。

 ローランド選手は12周目にアタックモード2を選択し、ギュンター選手をわずかに引き離したが、マセラティはまだ2回の50kWパワーブーストを残していた。ギュンター選手は14周目にモルタラから2番手を奪った。

 19周目には、コース上に落ちたパーツを回収するために今大会初のセーフティカー(SC)が導入。その最中にはABTクプラフォーミュラEチームのルーカス・ディ・グラッシ選手とマヒンドラ・レーシングのニック・デ・フリース選手が残念ながらリタイアした。

 セーフティカーは21周目に退去。先頭のローランド選手が引き続き隊列を引っ張るものの、この時点でローランドは2回の使用が義務付けられたアタックモードをすでに使用しており、2番手ギュンター選手と3番手モルタラ選手は、これからあと1回のアタックモードを残す状況に。バッテリーの残量もギュンター選手、モルタラ選手は数パーセント多く残していた。

 そして24周目、ターン9を通過した後のストレートでギュンター選手がローランド選手をパス! トップに立ったギュンター選手はペースを上げて1.7秒差をつけて逃げにかかった。

 現地ではローランド選手がギュンター選手に進路を譲ったかのように見える映像が映し出され、疑問が上がる声もあったが、レース後の声明によるとどうやら「エネルギーをセーブするためにトップを譲らなければならなかった」理由があるようだ。

 レースはセーフティカー導入分の時間を加味した2周が追加され、35周の争いに。ラスト3周には3番手にポジションを上げたタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEのダ・コスタ選手がローランド選手に襲い掛かり2番手の座を狙うが、ローランド選手はポジション死守する。

 アンドレッティ・フォーミュラEのジェイク・デニス選手は、ダ・コスタ選手がローランドとのバトルにより失速したチャンスを見逃さず、3番手に浮上する。

 2番手を守ったローランド選手は、ファイナルラップでギュンター選手にプレッシャーをかけていく。高速セクションでローランド選手は、インとアウトからギュンター選手を狙って並びに掛かるが追い抜くまでには至らず、35周目にチェッカーフラッグ。記念すべき日本初開催となった「東京E-Prix」はマセラティのギュンター選手が制した。

 ニッサンのホームレースをポールポジションからスタートしたローランド選手は、0.755秒差の悔しい2位も、多くの声援と拍手が鳴り響いた。3位にはアンドレッティ・フォーミュラEのジェイク・デニス選手が入った。

 ジャガーTCSレーシングのニック・キャシディ選手は19番手と後方からのスタートとなったが、着実に順位を上げていき8位フィニッシュ。アンドレッティフォーミュラEのノーマン・ナト選手がレース後5秒加算のペナルティを受けたため、7位に繰り上がり6ポイントを獲得した。ポイントランキングはタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEのパスカル・ウェーレイン選手に並ばれたものの、ニック・キャシディ選手は同点(63点)で首位をキープ。オリバー・ローランド選手が54点で3番手につけている。

 決勝は20番手からのスタートとなったニッサン・フォーミュラEチームのサッシャ・フェネストラズ選手は、着実に順位を上げ、11位完走を果たした。レース後ノーマン・ナト選手の5秒加算ペナルティでさらに順位を上げ、10位で1ポイント獲得を果たした。

 DSペンスキーのジャン-エリック・ベルニュ選手は11番手で完走もポイントまで一歩及ばなかった。

 DSペンスキーのストフェル・バンドーン選手は、トップから9.735差の16番手だった。

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