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ピレリの新しい250cc用タイヤは最高にピレリらしかった

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ピレリの新しい250cc用タイヤは最高にピレリらしかった

■バイアス、ラジアルそれぞれの新タイヤ登場

 ピレリ・ジャパンは、250ccロードスポーツ用の新タイヤ、バイアスの「ディアブロ・ロッソスポーツ」とラジアルの「ディアブロ・ロッソIII」の発売に当たり、タイヤを販売する2りんかんのスタッフ向きに、白糸スピードウェイで試乗会を開催。ジャーナリスト向けの走行時間枠を設けて頂き、私、和歌山利宏が参加いたしました。

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 ミニバイクコースの白糸スピードウェイは、試乗車のニンジャ250やYZF-R25でも2速か1速でコーナーを回る低速コースながら、コーナーはバラエティに富み、シビアにハンドリングを見ることができます。さらに、比較用として、250cc用の定番バイアスであるIRC「RX-02」と、このクラスのラジアルタイヤとして定評を得ているブリヂストン「バトラックスTS100」も用意され、タイヤの特徴とポジショニングを知る良い機会となりました。

 結論を先に言ってしまうと、ピレリのバイアス、ラジアルそれぞれの新タイヤは、実にピレリらしいスポーティさが印象的だったのです。

■シャープな旋回性が特徴のロッソスポーツ

 ロッソスポーツはバイアスらしく進入からフルバンクまでリニアに特性が変化、素直な特性で、誰もがすんなり身体に馴染むはずです。ラジアルのように荷重を掛けてタイヤを潰し接地感を高めてやるといった意識を持つこともなく、日常走行にも向いています。

 ところが、このロッソスポーツは、一般的なバイアスとは一線を画すスポーティさを備えています。シャープにコーナーに切り込んでいくのは胸が透く気分です。

 その点、IRCのRX-02はスポーティさの中にマイルドさがあります。攻める意識を強要せず、乗り手に優しく、疲れないかもしれません。そして、一昔前のバイアスとは違い、バランスの取れた柔軟性による接地感が伝わってくるのが好印象です。

 このロッソスポーツも当然、今日的に進化したバイアスを思わせます。でも、コーナーに進入していくと、タイヤから「もっと寝かし込みながら早く向きを変え、スロットルを開こうよ」と挑発されるかのようです。もっとも、挑発に乗らなくともハンドリングはニュートラル性を維持、スパルタンなわけではありません。コーナーをさらに攻めるためのポテンシャルを秘めているということです。

 走り方としては、腰で狙ったラインを狙いすまし、トレースしていく感じがいいでしょう。バイアス時代のレーシングマシンの走りを思わせ、なかなか趣きがあります。ラインを躊躇すると、シャープな旋回性と軽快さが災いしてか、やや不安定になるきらいがありますが、それだけに乗りこなす面白さも奥が深いと言えましょう。

■フルバンクに向かって高い接地感と旋回性が維持されるロッソIII

 ラジアルタイヤは、柔軟なサイドウォールが撓(たわ)んで情報と吸収性を高めてくれる一方、ベルトで固められたトレッドが安定した接地力を提供してくれます。「タイヤをツブして曲げる」と表現されるのも、そうした剛性バランスゆえです。

 このロッソIIIは、一次旋回が終わるタイミングの荷重の高まりで、タイヤのツブレ感とそれによる接地感が強く明確に感じられます。しかも、ピレリの他のラジアルにはない柔軟性です。同じロッソIIIでもビッグバイク用とは異なり、軽量級向きにアレンジされていることは明らかです。

 もちろん、そのことで挙動を乱すことはありません。接地感と旋回力が高まるだけでなく、さらにはフルバンクに向かって接地感と旋回力が維持されていきます。この特性は、一次旋回が終わるタイミングで身体をコーナーに飛び込ませるように、大きく上体をインに入れていく走りに導いてくれます。今回は条件もあって私の走りはそうはなっていませんが、今風のレーシングスタイルに導いてくれそうなワクワク感があります。

 これからすると、バトラックスTS100はラジアルらしいツブレ感と接地感の高まりに勝るとも劣らないものがあっても、それが乗り手への安心感に生かされています。いざ本格的に寝かし込まんかというタイミングで、自信を与えてくれるのです。その意味で、多くのライダーに支持されそうな印象です。

 ラジアルのロッソIIIがコーナーをもっと攻め込もうという本能に応えてくれることは、バイアスのロッソスポーツにも通じる持ち味ですが、両者のライディングは異質です。

 腰でラインをトレースしていくロッソスポーツに対し、ロッソIIIはダイナミックに身体を動かしていくことになりますし、そうした大胆な走りにもマシンは安定性を維持、寛容性を持ち併せています。

 これらはどちらもピレリらしいうえに、バイアスとラジアルの特徴が生かされるだけでなく、軽量級向きに昇華されています。そのことはタイヤを技術的に注目すれば明らかなのですが、それはまた次の記事に譲りましょう。

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