メルセデスのルイス・ハミルトンは今季これまで、フリー走行で速さを見せながらも、予選になるとライバルに比べて相対的にパフォーマンスが低下するという問題に長い間苦しめられてきた。
ハミルトンはチームメイトのジョージ・ラッセルよりもこの問題に苦しめられてきたが、F1スペインGPで3位表彰台獲得と勇気づけられるステップアップの後、メルセデスが予選での苦闘から「何か掴むことができた」と考えているようだ。
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そしてメルセデスが根本的な問題解決に取り組んでおり、予選で起きているのは今季マシンW15の特性ではなくタイヤに関係しているとハミルトンは明かした。
ハミルトンは、この問題を解決する道のりがどれほど長かったのかを振り返りつつ、今後に向けてポジティブな見方を示した。
「どうすれば自分たちに足りない部分を改善できるか、膨大な量の分析とチームからの多くの情報がチームからもたらされた」
ハミルトンはオーストリアGP前にそう語った。
「単純にタイヤの問題で、セッションごとに自分たちのプロセスを改善し続けることが重要だ」
「通常、予選になると状況は少し変わる。言うまでもなくマシンは軽い状態だし、DRSの出番も増えている。時間が解決してくれるだろう。でも僕らは何かを掴んだと思う。今はそこから築き上げようとしている」
またハミルトンは、メルセデスが現行マシンの空力バランスの妥協点に対処する必要があるのと同様に、予選前のタイヤ準備も重要だと示唆した。
「マシンは空力的に、ギリギリのところにある」とハミルトンは言う。
「高速域から低速域まで、メカニカル面と空力面のバランスを取るのは簡単じゃない。その構成を整えるのは難しい」
「しかしタイヤ温度とアウトラップの走り方がカギになる。それは全てのチームが上手くやろうとしているところだ」
「モントリオールでQ2敗退となったフェラーリを見れば分かる。彼らは速いマシンを持っているし、これまでレースも勝っているが、タイヤ温度だけの問題だったのかもしれない。タイヤが作動しなくなるのも、逆にタイヤを使いすぎてしまうのも簡単なんだ」
「タイヤは間違いなく、僕の記憶にあるどのシーズンよりも繊細だと思う」
なお、スペインGPで今季初表彰台を獲得したハミルトンは、これまで厳しい戦いを強いられてきただけに、こうした好結果や接近戦が必要だったと語った。
「ああいうレースができるのはいい気分だよ」とハミルトンは語った。
「競り合ったり、楽しくてチャレンジングなオーバーテイクができたりするレースはなかなかない。本当に良かったし、僕的には楽しかった」
「バルセロナはいつも良いレースを提供してくれる。僕は何年も強いレースができている。僕らには、まだ戦えるし闘志が消えていないと教えてくれる、ああいう良い日が必要なんだ。ただ、それを続け、炎を絶やさない必要がある」
なおオーストリアGPのフリー走行1回目ではハミルトンが5番手、ラッセルが8番手だった。ただラッセルはソフトタイヤでのタイム計測に失敗しており、ハミルトンはソフトタイヤ自体を使用しなかった。
オーストリアGPはスプリント形式での開催となるため、FP1の後にスプリント予選を実施する。メルセデスとハミルトンが抱える問題は実際に解決に向かっているのか? チームは早速、試練を受けることになる。
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