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「ベントレー ミュルザンヌ スピード」100周年を迎えた孤高の世界観を再考【動画レポート】

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「ベントレー ミュルザンヌ スピード」100周年を迎えた孤高の世界観を再考【動画レポート】

BENTLEY MULSANNE SPEED

ベントレー ミュルザンヌ スピード

「ベントレー ミュルザンヌ スピード」100周年を迎えた孤高の世界観を再考【動画レポート】

自らアクセルを踏み込でこそ味わえる“トップ・オブ・ベントレー”

ベントレーのフラッグシップ・サルーン「ミュルザンヌ」のステアリングを握るチャンスに恵まれた。世界にその名を知られるプレミアム・ブランドのベントレー、しかもその頂点を極めるミュルザンヌのキャビンに身を委ねるのならば、快適なリヤシートでショーファードリブンの世界を楽しむべきだろうという声も聞こえてきそうだが、ベントレーはあくまでもそのドライブを自分自身で楽しんでこそ、すべての価値が理解できると、これまでの経験から熟知しているつもりだ。しかも今回試乗するのは、シリーズの中でも最もパフォーマンスに優れた「ミュルザンヌ スピード」。やはり自らアクセルを踏み込んでこその1台だろう。

伝統に最新技術を加えて進化するベントレー

このミュルザンヌ スピードに限らず、ミュルザンヌの生産はベントレーが1946年から使用しているイングランドのクルー工場で熟練したクラフトマンの手作業によって行われる。ボディパネルのプレスなどには機械による工程もあるが、ここからラインをシャープに削り出していくのは、やはり彼らならではの仕事。インテリアももちろん同様で、結果的に1台のミュルザンヌが完成するには400時間もの作業時間が必要になるという。それだけのクラフトマンシップ、そして高級車のハイエンドブランドたるベントレーの誇りがミュルザンヌには込められているのだ。

職人のプライドが築くハイエンドの世界

ドライバーズシートに着席すると、前方に広がるのはやはりベントレー伝統のダッシュボードのデザインだ。ベントレーの“B”ウイングをモチーフにした、鳥の羽のように左右にほぼ対称に広がるそのデザインは、キャビンの広さを演出するには重要な部分。最上級のレザー素材とウッドパネルによるコンビネーションは相変わらず見事で、試乗車にはリネンとベルーガ・カラーのレザー、そしてピアノ・ブラックのウッドパネルという組み合わせにより、実に落ち着きのある仕上がりを見せている。新たにデザインされたというダイヤモンドキルト仕上げのシートも、もちろんそのステッチのひとつひとつが職人による手作業によるものだ。ベントレーの歴史、そしてクラシックモデルに詳しいエンスージアストなら、ドリルドアロイのスポーツフットペダルやローレット加工が施されたシフトレバーにも特別な感情を抱くだろう。

1100Nmの最大トルクが極上の走りを生む

ドライブ・モードを最もスタンダードな「B=ベントレー」にセットし、8速ATのセレクターレバーをDにシフトする・・・。アクセルペダルを踏み込むと、ミュルザンヌ スピードは全長5575×全幅1925×全高1530mm、車重では2770kgという重量級のボディを静かに加速させた。搭載されるエンジンは6.75リッターの(というよりもベントレー流に表するなら「6 3/4L」と書くほうがしっくりとくる)ツインターボチャージドV型8気筒。そのルーツは実に半世紀以上も前に遡ることに驚かされるが、逆に当時それを設計したエンジニアは、半世紀後にまだ存在することに驚き、そして誇りに思うに違いない。最高出力は537ps、最大トルクは1100Nmで、この最大トルクは1750rpmで発揮されるから、軽くアクセルペダルに足を乗せただけで、滑らかな加速を見せる。

どこまでもフラットかつナチュラルな乗り心地

前後に21インチサイズのタイヤを装着しながら、その動きを巧みにコントロールし、快適な乗り心地に終始させるサスペンションの制御もまた見事だ。今回は残念ながら一般道でしかミュルザンヌ スピードの走りを楽しむことはできなかったが、乗り心地はどの速度域でも一貫してフラットであり続けたし、またステアリングとサスペンションの動きも常にナチュラルな感覚に終始していた。いかに技術が進歩しても、伝統とブランドの価値を変えようとしないのがベントレー流。ミュルザンヌ スピードの走りは、まさにそれをドライバーに体感させてくれる。

REPORT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

PHOTO & MOVIE/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)

https://www.youtube.com/watch?v=z9X6TkOKyqQ

【SPECIFICATIONS】

ベントレー ミュルザンヌ スピード

ボディサイズ:全長5575 全幅1925 全高1530mm

ホイールベース:3270mm

車両重量:2770kg

エンジン:V型8気筒OHVツインターボ

ボア×ストローク:104.0×99.0mm

総排気量:6752cc

圧縮比:8.9

最高出力:395kW(537ps)/4000rpm

最大トルク:1100Nm/1750rpm

トランスミッション:8速AT

駆動方式:RWD

サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク

ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク

タイヤサイズ:前後265/40ZR21

最高速度:305km/h

0→100km/h加速:4.9秒

CO2排出量(EU):342g/km

車両本体価格(税込):3873万9600円

【問い合わせ】

ベントレーコール

TEL 0120-97-7797

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