スーパーフォーミュラの開幕戦では、9位に入った岩佐歩夢(TEAM MUGEN)の無線に注目が集まった。岩佐は日本人、担当エンジニアも日本人……にも関わらず、彼らは英語で無線交信をしていたのだ。
その理由について、岩佐本人に聞いた。
■岩佐歩夢が語る、レッドブルとRBのF1マシンの違い。いずれもシミュレータで経験「求めている方向性が違うように感じる」
昨年までFIA F2に参戦し、スーパーライセンス発給条件を満たした岩佐。彼は今季、レッドブルのシミュレータドライバーを担当しつつも、日本のスーパーフォーミュラに参戦。日本とイギリスを行ったり来たりの日々を過ごしている。しかも先日は、急遽スーパーGTの合同テストに#100 STANLEY NSX-GTから参加。連日慌ただしい。
岩佐が日本国内のレースに本格的に参戦するのは、実は今年が初めて。フランスF4、FIA F3、そしてFIA F2と、海外のフォーミュラカーレースで実績を積んできた。
そんな岩佐らしいとも言えるが、スーパーフォーミュラの開幕戦で彼は、チームと英語を使った無線交信をしていた。ただ担当エンジニアの小池智彦氏も日本人……日本語で交信すればいいのにと思うところだが、これには意味があったようだ。
「僕と小池さんで話して決めたことです」
岩佐はそう語った。
「僕はF1を目指していますし、小池さんも海外で活躍したいという意向を持っています。しかも彼は、昨年リアム(ローソン)を担当し、英語で交信することに抵抗はないと言っていました。そういうことを考えた時に、『じゃあ英語でやらない理由はないですよね』ということになったんです」
「ピットに入る時など、メカニックをはじめ周りの人たちにも分かってもらわなきゃいけないので、日本語で話すことはあります。でも、レース中ふたりのやりとりは、基本的に英語でやっていました」
岩佐は昨年末に鈴鹿サーキットで行なわれたルーキードライバーテストで、スーパーフォーミュラのマシンを初めて本格的に走らせた。その時に日本語でやりとりするのに違和感を感じたという。
「ルーキーテストの時、日本語でフィードバックするのに違和感があったんです。最初は日本語でトラフィックの状況などを聞いていたんですけど、返事はやっぱり『COPY!(了解!)』なんです。そういうふうに、英語がぽろっと出ちゃうことがあったんです」
長く海外でレースをしていると、英語でのやりとりが増え、日本語でのやりとりが不自然になる、そういうドライバーもいる。いや、誰とは言わないが……。しかし岩佐は今も、不自然なところがまったくない、綺麗な日本語を話す。
岩佐にそう指摘すると、日本語と英語が混ざってしまうことが往々にしてあると言う。
「でも、小池さんと僕のチーム内でのレポートなんかには、変に英語が混じっているんです」
そう岩佐は笑う。
「『オーバーステアすぎる』と書くところでも、『オーバーステア too much!』と書いてあったり、するんですよ。あ、カタカナじゃなく、ちゃんと英語で書いてありますよ」
その状況は、日本語と英語を混ぜて使うことで人気の芸能人、ルー大柴氏のようだ。これからは岩佐のことは、”ルー歩夢”と呼ぶのがよろしかろう。
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角田選手ですかねー