北海道留萌市在住の写真家・佐藤圭さんが撮った貴重な動物、風景写真をお届けする週末連載。
第34回は、北海道の真ん中を縦に貫く大雪山系の夏の風景を紹介します。
ETCはあるけれど、そろそろETC2.0に乗り換えたほうがいいのか?
可憐な高山植物の花々、幻想的な朝焼け、夕焼け、そして夜空を埋め尽くす満天の星空……。
夏の大雪山は、インスタ映えスポットだらけです!
写真・文/佐藤圭
【画像ギャラリー】暑さにうだって、雪渓で涼むヒグマの珍画像!
地球の息吹を感じるスケール感
大雪山は一つの山の名称ではなく、北大雪、表大雪、東大雪、十勝岳連峰の4つの山系からなり、2000m級の山々の集合体です。
アイヌの人々は、この山々をカムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)と呼びました。神々とは、大雪山に棲む野生動物のことを指したのでしょう。
僕は、そのカムイに会うために山に登っています。
今回は、黒岳から、巨大なカルデラの御鉢平を一周してきました。
そこで出会った絶景、そして、カムイの姿をお届けします。
まずは、大雪山系の登山口のひとつである黒岳ロープウェイのある上川町の層雲峡へ。私が住む留萌からは車で約2時間半です。
上川町は、日本一のラーメンの町と謳(うた)っています。僕が好きなラーメン屋さんは、『あさひ食堂』です。ここの『特味噌』が日本一だと思っています。
スキージャンプの高梨沙羅選手の故郷でもあります。町をあげて応援していますよ。
JR上川駅がある町の中心部から層雲峡黒岳ロープウェイまでは車で約30分です。このロープウェイに乗り、リフトに乗り継いで、黒岳の七合目まで上がることができます。ここから登山の開始です。
七合目から約1時間で黒岳の頂上に到着します。気温が高い夏でも、山の上の風は涼しく、肌寒く感じることもあります。上着の用意を忘れないようにしてくださいね。
山頂から、黒岳石室を通り、真っすぐ30分ほど歩くと御鉢平展望台に到着します。
ここからは、御鉢平の巨大なカルデラが見渡せます。このカルデラは、約3万年前の噴火でできたそうです。そのスケールに地球の息吹を感じます。
御鉢平のカルデラ全景
このカルデラを1周するのが御鉢回りです。1周、5時間ほどで回れます。
御鉢平展望台から、北海道第2位の標高の北鎮岳(2244m/1位は旭岳2291m)、中岳、間宮岳、北海岳とめぐりました。
絶景のなか、可憐な高山植物を見ながら登るので、あまり疲れることもなくぐんぐん進みます。
エゾツツジの群生の向こうにそびえる北鎮岳
砂礫がゴロゴロした斜面で、釣鐘状の淡い紫色の花を咲かせるイワブクロ
珍しい白いイワブクロ
北海岳からは、北海道3位の白雲岳(2230m)に縦走する登山者もいます。
その北海岳の登山道横では、雪渓で涼むヒグマの姿を見ることができました。
暑い日でしたので、雪の上で、ず~~~っと昼寝をしていました。たまに起き上がると、巨大で、まさにカムイの風格です。
雪渓の上でまどろむヒグマ
ときどきむっくり起き上がって、周囲の様子をうかがう
近くでヒグマに遭遇するのは避けたいですが、遠くから見るヒグマの自然な姿には感動しますよ。
北海岳から黒岳石室まで戻るルートは下るだけなので楽です。ゴールはすぐそこです。
北海岳から白雲岳へ縦走する尾根道
そのまま下山し、層雲峡温泉に泊まるのもいいんですが、黒岳石室かテント場に泊まるのもオススメです。
山から見る夕焼け、朝焼け、星空は、下界とは違った感動がありますよ。
朝霧に霞む日の出。右に見えるシルエットはまねき岩
黒岳より望む夕焼け
黒岳のテント場から見上げる天の川
密にはならない夏の大雪山、オススメです。
佐藤 圭 kei satou
1979年、北海道留萌市生まれ。動物写真家。SLASH写真事務所代表。MILLETアドバイザー。
日本一の夕陽と称される留萌市黄金岬の夕陽を撮影するために写真家の道に入る。北海道道北の自然風景と野生動物を中心に撮影を続け、各地で写真展を開催し、企業や雑誌、新聞などに写真を提供している。
2018年、エゾナキウサギの写真「貯食に大忙し」で第35回『日本の自然』写真コンテスト(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟、森林文化協会)で最優秀賞受賞。
ウェブサイト:https://www.keisato-wildlife.com/
Facebook:https://facebook.com/kei.sato.1612
インスタグラム:https://www.instagram.com/slashslash_photography/
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