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メルセデス・ベンツのデザインセッター、3代目CLSに試乗した

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メルセデス・ベンツのデザインセッター、3代目CLSに試乗した

メルセデス ベンツCLSは、Eクラスをベースとした4ドアクーペで、初代のデビューは2004年。その大胆なスタイリングに加えて、あのお堅いメルセデスがこういうルックス重視のクルマを出すということ自体が、衝撃的だった。しかもその国際試乗会の舞台があの歴史の都ローマだったというのも、意表をついていた。

それから14年後の今年、初代と2代目がきっちり7年ずつの生涯を終えて、3代目にモデルチェンジした。今回もEクラスのプラットフォームをベースにしたモデルで、ボディは背の低い4ドアクーペという基本ラインに変化なし。

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そのスタイリング、メルセデス最新のデザインランゲージを駆使したものだそうで、2代目とは雰囲気がだいぶ変化している。低く流れるようなルーフラインを持つボディはたしかにスタイリッシュではあるが、すでに2代目がそうだったように、初代が出たときのようなインパクトはないというのが正直なところだ。

その一方で、インテリアはインパクトに溢れている。グレーのアッシュウッドを曲線的に配したダッシュボードには、航空機のエンジンをイメージしたというエアアウトレットが多数並び、それが室内温によって赤や青に照明される。メーターはもちろん、近年のメルセデスに共通するデジタルディスプレイの超ワイド版だ。

W124やW126あたりまでの、上質だが質実剛健なインテリアに馴染んだ旧来のメルセデス好きが見たら、ぶったまげるデザイン感覚だろう。逆に、ここに心地好さを感じる層も当然いるに違いない。敢えて書けば、僕は前者の一人だが。

いかにスタイリング重視のクルマとはいえ、全長ちょうど5mの4ドアサルーンだから、居住空間に不足はない。フロントシートはもちろんだが、リアシートに収まっても、レッグルーム、ヘッドルームともに、充分な余裕がある。

さてこの新型SLS、日本では現在、220dスポーツと450 4MATICスポーツの2モデルがラインナップされているが、東京をベースに箱根まで往復する今回の試乗会では、その両方をドライビングすることができた。

最初に乗ったのは220dスポーツで、まずは東京から箱根を目指す。エンジンは2リッター直4ディーゼルターボで、194psのパワーと40.8kgmのトルクを発生、9段ATを介して後輪を駆動する。車重はオプションによって1820-1860kgある。

とはいえ、今や2リッター直4のディーゼルターボで5m前後のボディを走らせるのは常識とでもいわんばかりに、CLS 220dは充分な勢いで加速し、街中でも首都高でも東名でも、パフォーマンスに不満を感じさせることはない。

ディーゼルエンジンのサウンドとバイブレーションは、ガソリンエンジンではないことを思い出させはするが、だからといってディーゼル感が気になるというレベルではない。全長5mのボディが寛容にそれを包み込んでいる、という印象。

フロントが4リンク、リアがマルチリンクのサスペンションは、220dスポーツには本来コイルスプリング仕様が標準だが、試乗車は450 4MATICスポーツに標準のエアサスペンション、AIR BODY CONTROLがオプション装着されていた。

そのためもあって、乗り心地はボディサイズ相応に適度にソフトで快適なものだといえる。ただし不整路面では、19インチAMG Vスポークアロイホイールに履いたダンロップスポーツMAXXのバネ下の動きが、決して強くはないけれどわりと正直に伝わってくるのがちょっと意外だった。

一方、箱根のワインディングロードでは、ボディサイズを意識させない身のこなしを見せて、コーナーの連続を気持ちよく走り抜けていく。コーナリングやブレーキング時にはスプリングレートを硬くするエアサスペンションも、効果を発揮しているのだろう。

箱根から東京への帰路は、450 4MATICスポーツに乗った。エンジンは新開発の3リッター直列6気筒ツインターボで、それとトランスミッションの間に48VのISG=Integrated Starter Generatorを加えて、パワーブーストと回生を実現している。メルセデスはそう表現していないが、いわゆるマイルドハイブリッドである。

こちら、エンジン自体が367psのパワーと51.0kgmのトルクを発生、4MATIC=4WDであることも影響して車重は1950-1970kgに増えるが、もちろんパフォーマンスは明確に向上している。

軽く踏み込むだけで即座にトルクが湧き出して、2トン弱のボディを苦も無く加速させるという印象。それに加えてさすがストレート6、パワートレーンのスムーズさとサウンドの心地好さも、明らかに220dを上回る。

乗り心地の面では、こちらも不整路面におけるタイヤの上下動がボディに伝わってくるのは220dと同じだが、車重が増えているだけにいい意味の重量感が増していて、より快適に感じられた。

その一方で、コーナーでの身のこなしはこちらもナチュラルな印象で、ワインディングロードでもボディサイズを持て余す印象はない。さらに悪天候のなかを走る際などには、4MATICの強みも生きてくるはずである。

そういうクルマ本来の性能に加えて、車線内走行をキープするアクティブステアリングアシストや、ウインカーを点滅するだけで車線変更できるアクティブレーンチェンジングアシストなどの運転補助機能の作動の正確性も、印象に残った。

メルセデスというブランドが持つパワーと、4ドアの実用性は欲しいけれど、定番のサルーンのスタイリングでは物足りないという、ない物ねだり的なニーズを満たすためのクルマとも表現できるCLS。

車両本体価格は220dスポーツが799万円、450 4MATICスポーツが1038万円で、その差は239万円。どうせない物ねだりのクルマを買うのなら、パワートレーンにもシャシーにも贅を尽くした後者を選ぶ方が男らしいのではないか、と思った。

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