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【海外試乗】ボルボS60に乗ると、きっともう一度、カッコいいセダンが欲しくなる

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【海外試乗】ボルボS60に乗ると、きっともう一度、カッコいいセダンが欲しくなる

ボルボのエステートづくりには定評があるが、最近ではSUVモデルの人気も高まっている。そんな中で注目を集めているのが、米国で生産される高性能セダン、S60だ。2019年と言われる日本導入を前にその詳細を紹介しよう。(Motor Magazine 2019年1月号より)

高性能でハイクオリティなセダンを求める市場は多い
207年にグローバルで57万1577台を販売したボルボ。これは対前年比+7%という好調ぶりだ。2018年1−10月のデータを見ても52万6062台を販売、対前年同期比(2017年1−10月)+14.0%を記録している。

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この要因は、米国や中国での好調な販売だ。2018年1−10月でみると北米が8万1256台を販売し+27%(前年同期比)、中国は10万7275台を販売し+15.2%(同)を記録している。ちなみに欧州でも+7%(同)となる26万572台を販売した。

そんなボルボの好調な販売を主力はXC60であり、XC90でありXC40であり、そしてS90である。この販売台数を見るとXCシリーズが相変わらず好調だが、意外とセダンのS90が好調だということがわかる。台数もV90の2万6889台に対してS90は4万7811台、1.5倍近い台数だ。

でもよく考えればこれはそれほど不思議ではない。カッコ良くて、安全で、高性能で燃費のいいセダンを求める市場はまだまだ多いのだ。そんな市場のひとつがアメリカであり中国である。ということは、そこに生産工場を作るというのも自然な流れだろう。

S60 T8 ポールスターエンジニアード
アメリカ チャールストンから日本へも輸出される新型S60
前置きが長くなったが、新しいボルボS60は大きな需要の見込めるアメリカに新設された生産工場、サウスカロライナ州チャールストンで作られる。ちなみにボルボのアメリカの生産工場はここが初だ。これによりボルボは欧州にふたつの製造工場とひとつのエンジン製造工場、中国に3つの製造工場とひとつのエンジン製造工場を持つことになる。

チャールストン工場は、SPAプラットフォームを使う新型S60を生産する。さらに2021年からは次世代のXC90も生産されるという。つまりS60は、ここから日本をはじめ世界へ輸出されることになるのだ。そんなS60 T8 ポールスターエンジニアードとT6 AWD Rデザインにカリフォルニア州サンタモニカで試乗した。

パワートレーンは、T6が2L直4ターボ+スーパーチャジャー、T8 ポールスターエンジニアードはT6のエンジンにモーターを加えたPHEVである。どちらも8速ATを組み合わせる。

まず試乗したのはT8ポールスターエンジニアードである。ポールスターはボルボカーグループの高性能エレクトリックカーをつくる会社だが、そこがチューニングしたのがT8 ポールスターエンジニアードというわけだ。だから当然、PHEVのT8を手がけた。

まず乗り込む時に目に飛び込んでくるのがゴールドのシートベルトである。そういえば上海で発表されたポールスター1にもこのシートベルトが装着されていた。まず視界から“ポールスター”らしさが認識できるわけだ。

さらに差別化として、黄金色のブーレキキャリパー、ブラッククロームエキゾーストエンド、ポールスターエンブレムなども上げられるが、他にもオーリンズのショックアブソーバーやブレンボのブレーキシステムが装備される。これらはポールスター1と同じエレメントとなるのだから、思わずにやりとせずにはいられない。

走るとバッテリーの進化が感じられた。V90 T8の満充電でのEV走行距離は“PURE”モードも40km程度だったが、このS60 T8 ポールスターエンジニアードはかなり走ってもEV航続距離がなかなか減らないのである。

試乗開始時のEV航続距離は7kmほどしか残っていなかったので、まずセンサスでチャージを選んでバッテリーに電気を貯めながら走ることにした。当然、その間の燃費は悪くなるが、やはりPHEVの走りを確認したかったのだ。

S60 T6 AWD Rデザイン
スポーティではあるが乗り心地はコンフォートだ
EV航続距離が14kmになったところで、走行モードを“ハイブリッド”に変更したが、この時の走行フィーリングはとても気持ちがいい。「クリーンでスマート」と表現してもいい運転感覚は、慣れてしまうと他には戻りたくなくなるほどだ。

S60 T8 ポールスターエンジニアードでもそれが実現され、さらにそこにスポーティさも加わっている。かなりスポーティな方向なのだが、だからといって乗り心地がまったく犠牲になっていないところがいい。コンフォートな乗り心地はまさしくT8らしい上質さが表現されていた。

そんなことを思いつつ試乗していたのだが、ふとメーターを見るとEV航続距離はまだ7kmほど残っている。かなり走ったにもかかわらず、あまり減っていないことに驚いた。これはどうしてなのか、日本導入時にあらためて確認してみたいが。まあ嬉しい誤算である。

ただひとつだけ気になる点も残った。それはブレーキのタッチである。S60 T8 ポールスターエンジニアードはブレンボ製ブレーキを装着しているが、それがうまくマッチしていないのか、止める時のスムーズさに欠けていた。このあたりをエンジニアに確認したところ、「プロトタイプなのでこれから修正する」ということなので市販まではこの問題は解決することだろう。

S60 T6 AWD Rデザインもスポーティに仕上がっていた。なにしろ最高出力316ps、最大トルク400Nmを発生するのだから、性能に不満が出るわけがない。Dセグメントセダンとしては3シリーズやCクラスと互角以上の完成度を持っていると感じられた。

ボルボ S60は2019年中に日本に導入される予定だが、T8 ポールスターエンジニアードは、ぜとも日本でその完成度を確認したい1台である。その時がいまから待ち遠しい。(千葉知充)

ボルボ S60 T8 ポールスターエンジニアード 主要諸元
●全長×全幅×全高=4761×1850×1431mm
●ホイールベース=2872mm
●車両重量=1800-2000kg
●パワートレーン=直4DOHCターボ+スーパーチャージャー+モーター
●エンジン排気量=1969cc
●エンジン最高出力=328ps/5800-6100rpm
●エンジン最大トルク=430Nm/4500rpm
●モーター最高出力=65ps/117rpm
●モーター最大トルク=240Nm/0-50rpm
●トランスミッション=8速AT
●駆動方式=4WD
●0→100km/h加速=4.7秒
●最高速=250km/h(リミッター)

ボルボ S60 T6 AWD Rデザイン 主要諸元
●全長×全幅×全高=4761×1850×1431mm
●ホイールベース=2872mm
●車両重量=1800-2000kg
●エンジン=直4DOHCターボ+スーパーチャージャー
●排気量=1969cc
●最高出力=316ps/5700rpm
●最大トルク=400Nm/2200-5100rpm
●トランスミッション=8速AT
●駆動方式=4WD
●0→100km/h加速=5.6秒
●最高速=250km/h(リミッター)

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