3月18~19日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されるENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Powered by Hankook第1戦『SUZUKA S耐』。今季も多くの見どころがあるが、ぜひご注目いただきたいのが、ST-Xクラスの2台のメルセデスAMG GT3による戦いだ。2022年からST-Xクラスに戦いの場を移したTKRI松永建設AMG GT3、そして今季から参戦する中升 ROOKIE AMG GT3という2台だが、どちらも中升 ROOKIE AMG GT3の監督兼ドライバーである片岡龍也に関係するチームなのだ。
今季第1戦となる鈴鹿のST-Xクラスには、2台のメルセデスAMG GT3が参戦する。1台は2022年から継続してDAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴のトリオで参戦するTKRI松永建設AMG GT3、もう1台は、今季から鵜飼龍太/蒲生尚弥/平良響/片岡龍也という体制で参戦する中升 ROOKIE AMG GT3だ。
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■片岡龍也が立ち上げたT's CONCEPT、そしてTKRI
そんな2台だが、実はどちらも片岡に関係があるチーム。もともと片岡は2017年、自らの経験を伝えるためのステージを準備するべく、『T's CONCEPT』というチームを立ち上げスーパー耐久のST-4クラスに参戦を開始した。ここでドライバーのひとりとして加わったのが、知り合いづてに紹介され、レースをともに戦っていたDAISUKEだった。
「僕は若い頃からレースをやりたかったのですが、お金もなかったですし、どうやったらいいのか分からなかったんです」というのはDAISUKE。しかし会社経営者となり、40歳を過ぎ、知人に「今やらないともうレースはできない」と諭されモータースポーツへの挑戦を開始した。その知人に紹介されたのが、当時GT300でもトップドライバーとして君臨していた片岡だった。
「それから食事をしたり、筑波で一緒にレースをしたりしていたのですが、僕ももっとスーパー耐久などにステップアップしたかった。一方で片岡さんもジェントルマンドライバーや若手の育成を組み合わせたチームを構想していて、そこでやり始めたのが『T's CONCEPT』だったんです」
このT's CONCEPTはトヨタ86でST-4クラスに挑戦を開始するが、その後、さまざまなドライバーが参戦するなかで、小倉康宏や豊田大輔やMORIZOも加わり、新たにROOKIE Racingが誕生。片岡はチームを率いる存在として、ROOKIE Racingの監督となった。
一方で、片岡とDAISUKEは、「ジェントルマンドライバーにとっての最高峰はGT3(片岡)」というターゲットを定め、「新たに僕のチームとしてTKRIを作り、AドライバーとしてDAISUKE選手に参戦してもらいました」と片岡は新チームを立ち上げ、2020年からST-Zに挑戦した。
TKRIは『Tatsuya Kataoka Racing Invitation』の略。ST-2クラスに参戦するKTMSにもTKRIのロゴが貼られているが、ジェントルマンドライバーと若手を「自らの経験を伝えるためのステージ」に誘うというT's CONCEPTのコンセプトがTKRIとKTMSに受け継がれていると言っていいだろう。
そのコンセプトのもと、DAISUKEはメルセデスAMG GT4でのST-Z、そしてAMG GT3でのST-X挑戦とステップアップのレールどおりにスーパー耐久に挑戦し、片岡から誘われチームに加わった元嶋と中山という良き“先生役”とともに速さを磨いてきた。2022年、勝利には届かなかったものの、表彰台獲得の活躍をみせたDAISUKEはその挑戦が認められ、スーパー耐久機構からジェントルマンドライバー賞も贈られている。
■まさかの同クラス&同車種対決に
一方でROOKIE Racingは、『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』をコンセプトとし、片岡はTKRIのエントリーやチーム運営、予算組みまですべてのマネージメントを自ら進めながらROOKIE Racingの監督を務めてきたが、「まさか、同じクラスに同じクルマで、しかも自分がドライバーとして乗る想定はまったくしていませんでした(笑)」と2023年、中升 ROOKIE AMG GT3の参戦により、まさかの同クラスでの“対決”が実現してしまった。
「もしコース上で遭遇してしまった場合、『ある意味自分のクルマ』と争わなければいけないわけです。万が一接触でもしようものなら、自分が修理代を出さないといけない(笑)。すごくフクザツな状況です」と片岡。
「それとTKRIのメンバーからは『いったい片岡さんはどっちの味方なんですか!?』と言われています(笑)。ちなみに、もしファイナルラップでDAISUKE選手がトップを走っていて、僕が2番手で追いついてきたシチュエーションが来たとしましょう。『抜きますか!?』というね。まあ抜くでしょうけど(笑)、その後は相当イジられるでしょうね」
一方、DAISUKEは「まさか片岡さんがライバルチームの監督兼ドライバーになってしまいましたが、もともとトヨタで育ってきたドライバーですからね。そりゃそうだよねと(笑)。逆に、そこで確固たる地位を作ってもらいたいと思いますし、側面から応援したいと思っています。でも、まさかね、です(笑)」と片岡の参戦には理解を示した。そして、これはあくまでスーパー耐久。もちろん負ければ悔しいが、そこまでむやみに勝敗にこだわるレースでもない。片岡も「ある意味スーパー耐久だからこその状況だと思いますね」と笑顔をみせた。
そんな縁ある2台の対決だが、ふたりの関係以外にもファンにとっては注目どころも多い。2022年、ST-Xで最速のパフォーマンスをみせたと言っていいTKRIの元嶋に対し、ROOKIEの蒲生が「静かな闘志を燃やしているはずです(片岡)」という対決も見どころ。TKRIで抜群の安定感をみせた中山に対し、今季ST-X初挑戦で速さをみせつけたい平良、さらにそこに加わる片岡というラインアップはワクワクせずにはいられない。
さらに、TKRIの河野高男エンジニア、ROOKIEの東條力エンジニアという対決も見逃せない。メルセデスを熟知する河野エンジニアはROOKIEの参戦が決まったときから東條エンジニアに包み隠さず情報を提供しているが、ふたりが練る戦略なども大いに見どころだろう。
3月17日に行われた占有走行1回目では、中升 ROOKIE AMG GT3がトップタイム。TKRI松永建設AMG GT3が0.182秒差で2番手だった。タイムはすでに接近している。あくまでDドライバーということもあり、ドライブする時間が多いわけではないが、片岡が恐れる(?)事態が早くも開幕戦で出てくる可能性もあるかもしれない。
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