アストンマーティンの歴史上、最も成功したスポーツカーがヴァンテージである。高性能モデルとしての“ヴァンテージ”ファミリーの歴史を紐解きつつ、後編ではその最新モデルの実力についてのリポートもお届けする。
高性能グレード名から高性能モデル名へ
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2020年、アストンマーティンのVantage(ヴァンテージ)ファミリーが生誕70周年を迎えた。
そもそもアストンマーティンは、1913年に、ロバート・バムフォードとライオネル・マーティンが創業した「バムフォード・アンド・マーティン」をルーツとする。その後、英国のアストン・クリントンで行われたヒルクライム競技で、マーティンが成功を収めたことからアストンマーティンを名乗るようになったという。
いくたびかの経営難を経て、1947年に実業家のデイビッド・ブラウンがアストンマーティンを買収したのが、現在にも続く“DB”シリーズのはじまりで、“DB”は、デイビッド・ブラウンのイニシャルに由来する。
ヴァンテージの名称は、1950年のDB2のヴァンテージ仕様ではじめて使われた。【Vantage】は英語では、「有利な」とか、「優勢な」といった意味で、当初は独立のモデル名ではなく、ハイパワーバージョンのレッテルであった。以降DB4、DB5、DB6にもヴァンテージ仕様が設定されている。
ヴァンテージが初めて独立のモデル名として使われたのは、1967年に登場した初代DBSの最終モデルでのことだった。「AM Vantage」の名称で70台のみが生産された。
1977年には、AM V8 Vantageが登場する。アストンマーティンはイタリアのカロッツェリア、ザガートと深い関わりがあり、V8 VantageをベースとしたV8 Vantage Zagatoが52台、Volante(オープン)が8台、いずれもザガートで生産された。
1990年代になると、ヴィラージュの高性能版がシンプルにVantageと命名された。1994年には、23年ぶりにDBシリーズが復活し、DB7が誕生する。丸みを帯びたデザインは、フォード、TWR、ジャガーのデザインディレクターを歴任したイアン・カラムの手によるものだった。1999年、それをベースに最高出力420hpを発揮する5.9リッターV12エンジンを搭載したDB7 V12 Vantageがデビューしている。
新時代の幕開けもVantageが飾った
2000年になると、ドイツ人エンジニアのDr.ウルリッヒ・ベッツがCEOとなり、アストンマーティンは大変革期を迎えた。BMW在籍時にはZ1を、ポルシェでは911の開発やモータースポーツプログラムに従事してきたDr.ベッツによって、911をライバルと目する新しいスポーツカーの開発が進められた。それが、2003年のジュネーブモーターショーにおいて発表されたAM V8 Vantage Conceptとして結実し、2005年に独自のVH(バーティカル・ホリゾンタル)アーキテクチャーという接着アルミニウム製シャーシをベースとしたプラットフォームを採用した新生V8 Vantageがデビューし、アストンマーティンの新時代の幕開けとなった。
Dr.ベッツは自らドライバーとしてこのV8 Vantageでニュルブルクリンク24時間レースに参戦するほどのカーガイであり、またV8 Vantageの信頼性を高めることにも貢献した。このレースがきっかけで当時参戦を始めたトヨタ自動車の豊田章男社長と親しくなり、トヨタiQをベースとしたアストンマーティン・シグネットが誕生したというのは有名なエピソードだ。
この新世代V8 Vantageはクーペが1万5458台、ロードスターが6231台生産され、アストンマーティン史上最大のヒット作となった。
2009年には、この新型V8 Vantageに510psを発揮する5.9リッターV12エンジンを搭載したV12 Vantageを発表する。2012年にはザガートとのコラボレーションによるV12 Vantage Zagatoを、さらに2013年には、最高出力を565psにまで高めたV12 VantageSを追加、ヴァンテージはアストンマーティンの市販車として最速のモデルへと進化した。
“カーガイ”によって逆境を乗り越えてきた真のスポーツカーメーカー
2014年、日産自動車の副社長だったDr. アンディ・パーマーがCEOに就任する。実はDr. パーマーも、日産時代にはGT-Rの開発現場に訪れて自らテストカーをドライブし、ニュルブルクリンクの北コースを8分台でラップするほどの腕の持ち主だ。
そして、2017年に現行型Vantageを発表、さらに2019年にはあえて速さより操る楽しさを求め7速マニュアルトランスミッションを採用したVantage AMRを追加した。アストンマーティンは100年を超える歴史において幾度も経営危機にさらされてきた。そしてそのたび現れる“カーガイ”によって逆境を乗り越えてきた真のスポーツカーメーカーなのだ。後編では、最新のV8 Vantageのインプレッションをお届けする。
文・藤野太一 写真・アストンマーティンジャパン、柳田由人 編集・iconic
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