現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > アストンマーティンの最新モデル「DB11 AMR」は何が違うのか?《動画レポート有り》

ここから本文です

アストンマーティンの最新モデル「DB11 AMR」は何が違うのか?《動画レポート有り》

掲載 更新
アストンマーティンの最新モデル「DB11 AMR」は何が違うのか?《動画レポート有り》

多くのレースシーンで培われた技術をロードカーに転用することを特徴とするアストンマーティンAMRシリーズ。しかし、その最新モデルとなる「DB11 AMR」は、他のAMRはもちろん、従来のDB11とも一線を画する。果たしてその内容とは? 絶妙な融合を見せているという。REPORT/大谷達也(Tatsuya OTANI)

ついにup!にGTIが登場!13年振りにGTIが3車種同時ラインナップ!

変更はわずかながらも、その効果は絶大!

 ラピードとヴァンテージに続いて“AMR”の名が与えられた「アストン・マーティンDB11AMR」。しかし、AMRが意味する“Aston Martin Racing”とは裏腹に、DB11AMRは決してサーキット向きのマシンではなく、あくまでもストリートユースを念頭に置いて開発されたという。

 では、ベースとなったDB11に対してどのようなチューニングが施されたのかを、まずご説明しよう。

 ダンパーはピストンスピードの遅い領域のみ減衰率を高めるとともに、フロント・アンチロールバーの直径を0.5mm拡大。また、リヤサブフレームとボディを結ぶゴムブッシュにはDB11 V8でデビューしたのと同じ硬めの仕様を用いる。実は、足まわりの変更点はわずかにこれだけ。言い換えれば、ピストンスピードの速い領域の減衰率、リヤ・アンチロールバーのサイズ、タイヤの銘柄やサイズ、そして前後のサスペンション・スプリングはいずれも現行型のDB11とまったく変わらないことになる。

 こうしたチューニングの狙いを、チーフエンジニアのマット・ベイカーは次のように説明する。

「足まわりを少し硬めることで路面のフィーリングを確実にドライバーに伝えることを目指しました。また、ダンパーの減衰率を高めたのはコーナリング中にボディが斜め方向に動くのを抑える効果を狙ったものです(ダイアゴナル・ロールの抑制)。フロントのアンチロールバーを0.5mm太くするかどうかについては、乗り心地の悪化を恐れる声が社内にもありましたが、結果的には快適性を保ったまま力強いターンインが可能になりました」

ベイカーの言葉からは、ステアリングフィールやスタビリティの改善を目指しながらも、乗り心地はできるだけ損ないたくない開発陣の思いが伝わってくる。

 ドイツ・ニュルブルクリンク周辺の公道を舞台に行なわれた今回の国際試乗会では、DB11AMRがベイカーらの狙いどおりに仕上がっていることが確認できた。

 これまでのDB11よりも足まわりが硬くなっていることは、走り始めの直後から感じられた。いかにもダンピングレートの高いサスペンションらしく、ボディの動きがどっしりしているように思えるのだ。しかも、同じく減衰力を高めた効果なのだろう、ステアリングをわずかに切っただけでもノーズの向きが的確に反応するようになった。

 さらにステアリングを通じて感じられる路面フィールも申し分なく、タイヤが路面をしっかりと捉えている様子が克明に伝わってくる。これに伴って路面からのかすかな振動も感じられるようになったが、その度合いはごくわずか。スポーツカー好きのドライバーであれば、ステアリングフィールと接地感が格段に向上したことを真っ先に歓迎するはずだ。

 ただし、足まわりが硬くなったことで快適性が損なわれたとは思えない。それどころか、リヤブッシュの硬度が引き上げられたことでボディがしゃっきりとしたように感じられる。率直にいえば、足まわりに衝撃が加わった直後の振動の収束が素早くなったためボディ剛性が上がったと錯覚するくらい。おかげでダンピングレートが上がっても不快には感じられず、むしろクルマ全体のソリッド感が増して快適になったと思えるほどだ。

 いっぽう、コーナリングではスプリングレートを変更しなかった恩恵で、ブレーキングやコーナリングに伴う姿勢変化がほどよく感じられ、自分がいまタイヤの性能の何割くらいを使っているかが手に取るように把握できて心強い。ただし、適切なダンパー・チューニングによりサスペンションの沈み込んでいくスピードが絶妙にコントロールされており、ドライバーに不安感を与えない。前述したステアリングフィールと微舵応答の改善と相まって、クルマを操っている醍醐味を満喫しながら、安心してタイヤ・グリップの限界近くまで攻め込めるシャシーに仕上がったといえる。

 試乗の舞台をアウトバーンに移すと、それまでのダイナミックな印象がすーっと消え、オリジナルのDB11が有していた快適性がぐぐっとクローズアップされる。つまり、ワインディングロードではスポーツカー並みのダイレクト感を伝えるのに、ハイウェイではいかにもグランドツアラーらしい心地よさを味わえるのである

 もともとのDB11と比べれば、低速域のゆったり感と引き替えにスポーティな味わいを高めつつも、高速域では従来と同等の快適性を維持したように思う。このスポーツ性とグランドツアラー性の絶妙な融合こそ、DB11AMRの真骨頂なのだろう。

【SPECIFICATIONS】
アストンマーティン DB11 AMR
■ボディサイズ:全長4750×全幅1950×全高1290mm ホイールベース:2805mm 
■車両重量:1870kg 
■エンジン:V型12気筒DOHCツインターボ 
 総排気量:5204cc 
 最高出力:470kW(639ps)/6500rpm
 最大トルク:700Nm/1500rpm 
■トランスミッション:8速AT 
■駆動方式:RWD 
■ステアリング形式:パワーアシスト付きラック&ピニオン(電動式) 
■サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク 
■ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク 
■タイヤサイズ:前255/40ZR20 後295/35ZR20 
■環境性能(EU複合) CO2排出量:265g/km 燃料消費料:11.4ℓ/100km 
■パフォーマンス 最高速度:334km/h 0→100km/h加速:3.7秒

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「クルマの左寄せ」苦手な人が多い!? よく見えない「左側の車両感覚」をつかむ“カンタンな方法”がスゴい! JAFが推奨する“コツ”ってどんなもの?
「クルマの左寄せ」苦手な人が多い!? よく見えない「左側の車両感覚」をつかむ“カンタンな方法”がスゴい! JAFが推奨する“コツ”ってどんなもの?
くるまのニュース
全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
くるまのニュース
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
Merkmal
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
ベストカーWeb
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
WEB CARTOP
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
AUTOSPORT web
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
レスポンス
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
乗りものニュース
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
ベストカーWeb
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
motorsport.com 日本版
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
くるまのニュース
ラリージャパン2024がついに走行開始。シェイクダウン1走目の最速はヌービル/WRC日本
ラリージャパン2024がついに走行開始。シェイクダウン1走目の最速はヌービル/WRC日本
AUTOSPORT web
ダイハツが新型「軽SUV」発表! 打倒「ジムニー!?」な“5ドア”モデル登場! タフすぎる「ゴツ顔×カクカクボディ」採用した“新型タフト”138万円から発売!
ダイハツが新型「軽SUV」発表! 打倒「ジムニー!?」な“5ドア”モデル登場! タフすぎる「ゴツ顔×カクカクボディ」採用した“新型タフト”138万円から発売!
くるまのニュース
MotoGPマシンデビューの小椋藍選手 初走行の印象は……【MotoGPバルセロナ公式テスト】
MotoGPマシンデビューの小椋藍選手 初走行の印象は……【MotoGPバルセロナ公式テスト】
バイクのニュース
ゼンリン、パナソニックのカーナビ「Strada」向け最新地図データ発売へ…12月2日
ゼンリン、パナソニックのカーナビ「Strada」向け最新地図データ発売へ…12月2日
レスポンス
下取り額爆上がり? アルヴェルのドアの速さまで変えられるトヨタの[KINTO FACTORY(キントファクトリー)]がすごい!
下取り額爆上がり? アルヴェルのドアの速さまで変えられるトヨタの[KINTO FACTORY(キントファクトリー)]がすごい!
ベストカーWeb
チャンピオン争いで明暗を分けた要因と変化がもたらす2025シーズンへの期待/MotoGPの御意見番に聞くソリダリティGP
チャンピオン争いで明暗を分けた要因と変化がもたらす2025シーズンへの期待/MotoGPの御意見番に聞くソリダリティGP
AUTOSPORT web
メルセデスが好発進、ハミルトンがトップタイム。RB勢は下位に沈み角田裕毅19番手|ラスベガスGP FP1
メルセデスが好発進、ハミルトンがトップタイム。RB勢は下位に沈み角田裕毅19番手|ラスベガスGP FP1
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2580.02870.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1158.02600.0万円

中古車を検索
DB11の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2580.02870.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1158.02600.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村