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クルコンにシートヒーターにABSまで付いてる……ってこれバイクの話ですよ! クルマ好きには目から鱗なビッグスクーターの世界

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クルコンにシートヒーターにABSまで付いてる……ってこれバイクの話ですよ! クルマ好きには目から鱗なビッグスクーターの世界

 この記事をまとめると

■国産ビッグスクーターはいわゆるスクーターに比べてラグジュアリー志向となっている

世界中で大人気のスクーター「ベスパ」には4輪車もあった! 聞くも涙の「イタリアを名乗れなかったフランス車」激レアな「ベスパ400」ってナニモノ?

■手軽なオートマシフトや座り心地の快適なシートやふんだんな収納スペースなどを備える

■クルーズコントロールやABSや6軸IMUなどの豪華な装備も満載されている

「ビッグスクーター」と「スクーター」は似て非なる乗りもの

 限られた環境における適応化をガラパゴス化なんて呼んだりします。いまは懐かしいガラケーなども、日本独自の進化を遂げたものの、世界の潮流からは一線を画したガラパゴス化と呼ばれたものです。ガラケーこそスマホに駆逐されてしまいましたが、限定的な環境における進化それ自体は決して悪ではなく、なかにはユニークな到達点を迎えることすらあるのです。

 たとえば、ブームが去って久しいとされる国産ビッグスクーターですが、進化の歩みは止まることなく続き、いまや門外漢ならば目を剥くような頂に達しているのです。ベーシックグレードのクルマで不満を漏らすくらいなら、いますぐビッグスクーターに乗ってください。10mも走らないうちから、快哉を叫ぶこと請け合いです。

 スクーターといえば、かっぽう着姿のおばちゃんや高校生の通学向けなどと相場が決まっているかと。これらは、50ccや80ccの実用スクーターであり、クルマでいえば軽トラくらいのポジションでしょうか。それに比べると、ビッグスクーターは排気量どころかキャラクターまで違い、ラグジュアリーなフルサイズセダン的な商品。

 そんなビッグスクーターの御三家といえば、ヤマハT-MAX、ホンダ・フォルツァ、そしてスズキ・スカイウェイブといって差しつかえないでしょう。いずれも大型二輪の免許が必要となる排気量をもちつつ、スクーターならではのオートマシフトや、普通のバイクでは望みえないシートの座り心地、ふんだんな収納スペースを誇るもの。原付と同じく実用に供することも可能ですが、オーナーの多くは快適なツーリングに使ったり、カスタムを施してサーキット走行をしたりする強者だっているのです。

 また、ビッグスクーターならではのゴージャスな装備もグイグイと進んでいます。たとえば、クルーズコントロールやABSなんてのは当たり前で、とりわけブレーキの進化は目をみはるものがあります。なかでも6軸IMUを搭載した新型T-MAXは、前後輪の速度情報を演算し、ABS作動時の前輪・後輪のブレーキ圧力を制御するほか、バンク角に応じたブレーキコントロールするという優れモノ。

 つまり、速度・姿勢の変化によって不安定になりがちなバイクながら、いかなる場面でも安心してフルブレーキが使えるということ。ビッグスクーターは車重も大きいため、こうしたライダーデバイスは嬉しい装備といえるでしょう。

 全身を風と熱にさらすライダーを労ってくれる数々の快適装備

 また、ホンダ・フォルツァの2025モデルは海外向けながら、スロットルバイワイヤ+DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を搭載し、ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール (HSTC) がきめ細かく後輪トルクを調整、DCTとリンクして最適なパワーデリバリーを実現しています。これも、路面状況に走りが左右されるバイクならではのサポートで、雑なアクセル操作でもスリップなどは起こらず、いつでも最高のトラクション、走りが得られるというもの。使えば使うほど、ありがたみがわかる装備です。

 かつて、スズキのフラッグシップスクーターだったスカイウェイブ650LXにしても、至れり尽くせりとしかいいようのないゴージャス装備を全部載せ! 冬のライディングを快適にするグリップヒーターとタンデムシートも暖めるシートヒーターをはじめ、スイッチひとつで調整できる電動スクリーン、高級セダン並みの電動格納ミラー、そして、シート下にはフルフェイスヘルメットを2個いれても余裕がある収納スペースなど、挙げはじめたらキリがありません。

 もちろん、ハード面でも抜かりはなく、アイドルスピードコントロール付きエンジンのおかげで冷間時の始動性が向上したり、6段変速マニュアルモード付の電子制御式CVTはちょっとしたスポーツバイクを追いかけまわすほどのパフォーマンスを約束してくれるのです。

 個人的にビッグスクーターが羨ましいと思うのは、高速走行時の防風性と、エンジンからの発熱がライダーを攻撃しないところでしょうか。全身をさらし、風に抗って走ることは意外と体力を消耗するものですし、エンジンの熱は、たとえレザーウェアを着用していても低温やけどを負うことすらあるのです。こうしたリスクを最低限に抑えたビッグスクーターなら、たしかに何百キロも走るツーリングだって楽しいはず。

 後席に乗ったパートナーからケツが痛いなんてクレームもないだろうし、ツーリングの帰りはお土産だって満載できます。それでいて、大排気量のパワーが存分に味わえるときたら、ちっちゃなクルマであくせく走るのが色あせてくること間違いないでしょう。

 無論、大型車ゆえの燃費や、原付とは比べ物にならない車重による厄介な取りまわし、あるいは車検のことが気になる倹約家もいらっしゃることでしょう。ですが、ビッグスクーターに一度でも乗ってしまえば、その味わいは病みつきなること請け合い。バリっとしたスポーツカーにも通じる楽しみがあるといっても過言ではないのです。

文:WEB CARTOP 石橋 寛
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みんなのコメント

7件
  • dar********
    風防の類が全く付いていないバイクで走ると、前から直接風があたるのが意外に厳しいのに気付く。頭や腕や胴体もだが、太腿や膝下も意外にこたえて体力を奪う
  • kazu kazu
    昔のように日本人にあったシート高のビクスクに原点回帰すれば日本でもっと売れる。
    スクーターに限らずシート高で諦めるケース意外に多い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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