20年の歴史に幕 電動化へ注力
ベントレーは、限定モデルのバトゥールを最後に、W12エンジンの生産を2024年4月に終了する予定である。2030年までにすべてのモデルを電動化するという戦略「ビヨンド100」を推し進めるためだ。
【画像】ベントレー伝統のW12エンジン、生産終了へ【有終の美を飾るバトゥール、コンチネンタルGT、フライングスパーを写真でじっくり見る】 全59枚
ベントレーのW12エンジンは、2003年の導入以来、10万台以上が生産された。同社は今後、V8およびV6ハイブリッド車に力を入れ、W12の生産ラインをこれらの新しいパワートレイン用に切り替える予定だ。
最終型の6.0L W12は吸排気と冷却システムを一新し、コーチビルド部門のマリナーが製作するバトゥール(18台のみの限定生産)の動力源となる。最高出力750psと最大トルク102kg-mを発揮し、同社の市販車向けエンジンの中で最もパワフルなユニットである。
また、トランスミッションのキャリブレーションが変更されたほか、ターボチャージャーコンプレッサーの設計が変更され、従来よりも33%大きいダクトが採用されている。
バトゥールはすでに完売しているが、コンチネンタルGTマリナーとフライングスパー・マリナーではまだW12を選択することができる。しかし、いずれも需要が高いことから今年12月に注文が締め切られる見込みだが、残り台数については明らかにされていない。
ベントレーのエイドリアン・ホールマーク会長は、「2003年にW12を初めて発表したとき、モデルとブランドを力強く前進させる強力なエンジンができたと確信しました。20年の歳月と10万台以上の生産を経て、電動化に向けて前進する今、この象徴的なパワートレインを引退させる時が来ました。これまでに作られた中で最もパワフルなバージョンで、最高の見送りをしなければなりません」と述べている。
W12エンジンを市販車として初めて搭載したのは2001年のアウディA8で、ベントレーはその2年後にツインターボ仕様を導入した。最初はコンチネンタルGTとフライングスパーに搭載され、2015年のベンテイガ発売に合わせて全面的にオーバーホールされた。
ベントレーは今後、W12を担当した約22名のエンジニアを再教育し、PHEVを含めたハイブリッド・パワートレインに注力する。2025年までに、全モデルにPHEVが設定される予定だ。
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みんなのコメント
本来ならこういうエンジンは存続が望ましいのですが、時代背景に逆らえないのは残念です。