シリーズ3連覇王者でWEC世界耐久選手権レギュラーでもあるダニエル・セラや、同じくシリーズ3冠を経験するリカルド・マウリシオを擁し、南米大陸を代表する人気ツーリングカー選手権SCBストックカー・ブラジルでトップチームに君臨するユーロファーマRCが、シリーズ44年目の開幕を迎える“レース・オブ・ダブルス”に招集する国際ゲストドライバーを発表した。
2月12~13日にインテルラゴスで開催されるイベントに向け、同国パラナ出身のアウグスト・ファーフスはダニエル・セラとパートナーシップを結び、ポルトガル出身のフィリペ・アルバカーキはリカルド・マウリシオのチームメイトに指名されるなど、ともにGTやスポーツカー耐久で幾度もの勝利を経験する強力ラインアップが構築された。
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この週末にアメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催される伝統の24時間耐久レースで、セラとファーフスはともにGTDプロクラスに参戦し、それぞれフェラーリ488 GT3 EvoとBMW M4 GT3をドライブしライバルとして対峙する。しかし、その半月後に迫ったSCB最高峰カテゴリー“プロ・シリーズ”の開幕戦では、シボレー・クルーズのシートをシェアすることが決まった。
同様に、デイトナ24時間3勝を誇るアルバカーキも、引き続き最高峰DPiクラスのアキュラ10号車をドライブしており、セラ、ファーフス、アルバカーキの3人は24時間のチェッカーフラッグを受けた直後に、ブラジルのF1トラックに向けて出発する準備を整えている。
「ダブルレースに戻ってくることができてとてもうれしい。最後に参加してからしばらく経つし、そのときは表彰台に上がることもできた。僕はブラジルのレースが大好きだし、ストックカーでのレースが大好きなんだ。才能あるドライバーがたくさんいて、ユーロファーマRCからこの招待を受けたことは特別な栄誉だったよ」と、アレクサンダー・ロッシやリッキー・テイラーとともに、今季もコニカミノルタ・アキュラARX-05をドライブするアルバカーキ。
そして、2021年のSCBでは年間最多勝も記録しているマウリシオは、ひさびさ復活の“ダブル”に向け「このパートナーシップにはとても満足し、ワクワクしている」と抱負を語った。
「僕にとっては2015年に優勝経験もあるイベントだし、フィリップは経験豊富なドライバーだ。彼はインテルラゴスを熟知しており、長距離レースで幾度もの優勝を飾るなど世界的な実績を誇る男。僕の期待も最高潮だ! このペアでトラックに戻ることを楽しみにしている」
■2020年はコロナ禍で霧散したプランが2年越しで実現へ
一方、2019年、2020年とデイトナ24時間のGTLMクラス連覇を達成したファーフスと、WECではル・マン24時間で2年連続クラス優勝を果たしているセラは、ともにGTの世界で長年活躍を演じながら、これまで一緒にレースをする機会には恵まれてこなかった。
2020年にはSCBの“レース・オブ・ダブルス”に向けタッグ結成が発表されていたものの、パンデミックによるレーストラックの閉鎖とそれに伴うイベントキャンセルで、夢の実現は一旦延期となっていた。
「ファーフスは紹介する必要のないビッグネームだね。彼はほとんどすべての主要なGTレースで優勝しており、僕がいつも尊敬している男だ。僕らは2020年に一緒にレースをする夢に近づいたが、今回ようやくそのプランが現実になるだろう」と2年越しでコクピットを共有し、パートナーシップ再開を期待するセラ。
その言葉に対し「確かに、それがすぐに実現できなかったのは残念だったけど、僕はいつだってストックカーとダニエル・セラの大ファンであり、素晴らしい友人であり続けた」と応じたファーフス。
「彼はブラジルを代表するドライバーで、僕らの国を代表する観光大使としても最高の例だと言えるね。このペアリングにより、素晴らしいレースをするためのすべての資格が整ったと思っているよ」
2014年に同じくインテルラゴスで初開催されたダブルスは、これまで4度開催されたうちの2戦でユーロファーマRCが勝利を飾っており、2015年には本人の言葉どおり、マウリシオがネストール・ジロラミとのペアでレースを制し、2018年にはシリーズ連覇中だったセラが、こちらも日本でお馴染みジョアオ・パオロ・デ・オリベイラと組んで勝利を挙げている。
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