アウディのF1プログラムの経営陣にトラブルが起きているとのうわさがある。アウディ技術開発部門の責任者であるオリバー・ホフマンとザウバー・グループCEOのアンドレアス・ザイドルが対立し、お互いを追い出すために争っているというのだ。
2025年初めの加入に向けてカルロス・サインツを獲得できず、来年のニコ・ヒュルケンベルグのパートナー候補についてよい選択肢がなくなるリスクがあることで、アウディの経営陣の緊張は高まっている。また、ザウバーが今年まだポイントを獲得していない唯一のチームであるという事実が、社内の雰囲気の改善に役立っていないのは確かだ。
F1パワーユニット開発に取り組むアウディ、すでにレース距離のシミュレーションも実施。他カテゴリーでの経験が大きな資産に
エグゼクティブ・アドバイザーとしてアルピーヌF1に加わったフラビオ・ブリアトーレが、アルピーヌのマシンにメルセデスのパワーユニットが搭載されることを保証でき次第、サインツは彼らのオファーを受けるのか、それによりバルテリ・ボッタスがウイリアムズに行く可能性が高くなるのか、程度の差はあるが誰にとってもはっきりとしていない。ボッタスのマネジメント陣とジェームズ・ボウルズ代表の間の交渉は現在全速力で行われている。また、エステバン・オコンは、彼に近い情報筋によるとザウバーよりはハースに行くことを望んでいるという。
そのため、ザイドルは現在リアム・ローソンを確保しようとしている。先週末にマネージャーのマーク・ウエーバーは、オーストリアでザイドルとかなりの時間を過ごしたが、ローソンの将来はレッドブルの手に委ねられており、彼は角田裕毅のチームメイトとして2025年にRBに留まる可能性がある。
そうなるとザイドルの選択肢は、ケビン・マグヌッセンやダニエル・リカルドのような苦戦しているベテランか、現ドライバーの周冠宇、または実績のない若手ドライバーのフェリペ・ドルゴビッチ、ポール・アーロン、ガブリエル・ボルトレート、チームのジュニアドライバーのゼイン・マローニらに限定されることになる。そして、これらの見通しはどれもアウディの取締役会を喜ばせることはなさそうだ。
舞台裏では、ホフマンとザイドルの間で絶え間ない戦いが繰り広げられている。ドイツの情報筋によると、ホフマンはアンドレアス・ザイドルを解任し、後任としてアストンマーティンのマイク・クラックを引き入れてアウディF1のチーム代表に据え、自身はザウバー・グループCEO兼アウディ最高代表に就任するつもりだという。同時に、同じ情報筋によれば、ザイドルはホフマンを解任するよう取締役会に圧力をかけており、彼が最高代表として持っているすべての権限によって、やはりクラックをチーム代表に任命するということだ。
しかしホフマンは、アウディの上層部からも圧力を受けているようだ。ドイツのメディアは、同社の最高経営責任者であるゲルノート・デルナーが、市販車プロジェクトの開発が行き詰まっていることをホフマンの責任として彼の解任を望んでいると報じている。
トップがこれだけ不安定になっていることから、サインツと彼のマネジメント陣が、アウディのF1プロジェクトへの参加にあまり熱心でないのも不思議ではない。下位組織の技術部門でさえ、主要メンバーの一部が積極的に外部で仕事を探している兆候が見られている。彼らはザイドルがチームのCEOになってからというもの、この18カ月の進歩の欠如に幻滅しているのだという。
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