1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、ランボルギーニ ディアブロだ。
ランボルギーニ ディアブロ(LAMBORGHINI DIABLO:1990ー2001)
ミウラ、そしてカウンタックと、スーパーカーを代表するモデルで世界に名を馳せたランボルギーニだったが、1974年のオイルショック以降は経営難が続き、現在のアウディ傘下に落ち着くまでに出資元が5回も替わるなど、波瀾万丈な歴史を持つ。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
ディアブロは、カウンタックの後継にあたるモデルだ。ディアブロ(Diablo)はスペイン語、またディアボロ(Diavolo)はイタリア語で、それぞれ悪魔を意味する言葉だが、伝説の闘牛の名前でもあるのだ。
ディアブロが開発された当時、ランボルギーニは米国クライスラー(当時)傘下にあったため、パワートレーンのレイアウトなど基本機構はカウンタックを継承するものの、デザインに関してはクライスラーの意向が反映された。そのため、ガンディーニが示した初期デザインは、シザーズドアこそ残されたがクライスラーのデザイナーによってエッジが削り落とされ、空力的には洗練されたものの大幅に変更されたという。カウンタックが持つ獰猛さや荒々しさとは一線を画すのは、そのためだ。
その一方でボディの軽量化に力を注ぎ、前後フェンダーとドアにアルミを使用するほか、バンパーやフロント&エンジンフードはランボルギーニが開発した複合素材のアウトクラーベを使用。全長4460×全幅2040mmという堂々たるボディながら、車両重量は1650kgに抑えている。また、ホイールベースはカウンタックより150mm長い2650mmとしたことで居住性が向上し、ディアブロのオーナーから賞賛された。
フェラーリ テスタロッサを意識したパフォーマンス
デビュー当初に搭載されたエンジンは、5.7LのV12 DOHC48バルブ。これを角断面のマルチチューブラーフレームのミッドに前後逆にして縦置きし、座席の間に収まるトランスミッションで出力の方向を180度変え、オイルパンを貫通する短いプロペラシャフトを介してデフに導くという、カウンタックで開発した方式がそのまま継承された。
最高出力は492ps、最高速は325km/h、0→100km/h加速は4.1秒、0→1000m加速が20.7秒と公称されたが、これは多分にフェラーリ テスタロッサを意識した数字(テスタロッサの公称値は390psと290km/h)といわれている。
この後、オープンモデルのロードスターやハイパワーバージョンのSVなど、ディアブロはバリエーションを増やしていく。ランボルギーニにとって幸運だったのは、クライスラーの資本をバックに4WDを開発できたことだろう。1993年に登場したVT(ビスカス トラクションの略)から始まる4WDスーパーカーは、これから先のランボルギーニの代名詞となっていく。
1999年のフェイスリフトで、これまでのリトラクタブルヘッドランプから固定式のヘッドランプに変更された。これは、ヘッドランプの昼間点灯を義務付ける国が増え始めた関係で、ランボルギーニ社がそれに対応したからだ。そのときに採用された固定式ヘッドランプには、日産フェアレディZ(Z32)のものが流用された。
ランボルギーニ ディアブロ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4460×2040×1105mm
●ホイールベース:2650mm
●車両重量:1650kg
●エンジン種類:60度V12 DOHC
●総排気量:5703cc
●最高出力:492ps/7000rpm
●最大トルク:59.1kgm/5200rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・100L
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前245/40ZR17、後335/35ZR17
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