2020年2月14日に国内正規販売が開始されたホンダ「ADV150」。見るからに旅が似合うこのマシンでさっそくソロキャンプに出かけてきました。今回は高速道路でのインプレを中心にお伝えします!
「149cc」と見て受ける印象は?
発売前の2月10日の段階で、Honda二輪車正規取扱店の受注状況はすでに約4000台。年間計画台数は3000台だったとのことで、早くも大ヒットを記録しています。
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そんな「ADV150」。125cc未満の原付二種ではなく、排気量は149cc。高速道路を走れるわけです。
でも僕が真っ先に思ったのは「ちゃんと走れるの?」ということ。
実験あるのみ。
首都高から東名→新東名へとスイッチし、日本でも数カ所しかない制限速度120km/h区間へ。そんな一気乗りで感じたレポートをお届けします。
【アンケート】ADV150は高速道路をどのくらいのペースで走れると思いますか?
元サイトで投票・回答
いきなり首都高、ちょっと震える……。
新橋の編集部を出て、わずか1kmほどでいきなり首都高。正直、緊張している。
200ccのバイクで高速道路を走った経験は何度かある。そのときは普通に走れた。けど、それよりも50ccも小さい。っていうか原付二種と25ccしか変わらない。ホントに乗っていいものなのか!
料金所でお金を払うとすんなり通してくれて、さっそく高速道路の旅が幕を開けた。
合流がのっけから上り坂、だけど夜明け前ということもあり、道はガラガラ。すんなりと本線に出られて、最初の関門はクリアした。
ブルブル震えながら首都高に入ったものの、いくつかの高速カーブを曲がるうちに、気づいた。
「ADV150、意外と普通に走れるっ!!」
前のクルマと適度な距離を置き、離されることもない。遅すぎるクルマが現れれば右車線へ移り、パスもできる。
当初の不安はすっかり解消されたころ、東名高速の東京インターが見えてきた。
ここからは、3車線になり、周りのクルマの速度も上がる。果たして、交通の流れにちゃんと乗れるのか?
東名高速 東京インターから足柄SAへ
結論、全然余裕だ。
発進から出したい速度まで、一定の加速力で、スムーズにスピードを上げていく。
スクーターならではのリニアな挙動は、言ってみれば「分かりやすい」。ギアチェンジもないから、開けたら開けた分進んでいく。
ニーグリップはできないものの、フットボード前方に足を置くことができ、踏ん張りがきく。また、シートにはライダー側とタンデマー側で段差があり、お尻(腰)のグリップもいい感じ。
これにより、「下半身はフレーム」というイメージを持つことができ、安定感が増した気がした。
まだ暗い東名高速は空いていて、三車線の場合は真ん中車線で軽快にゆく。驚くほど振動はなく、エンジン音も風で流れてしまいほとんど聞こえない。ADV150が辛いのか楽勝なのか、いまいち音や振動からは判断できない。
トップスピードが気になるところだが、東名高速ではADV150の真の力を出し切れない。新東名が待ち遠しい!
足柄SAで燃費を計測
首都高&東名高速での平均燃費は、約32~33km/L。
僕の体重は75kg。キャンプ道具を積載していたので、ウエアと合わせて約90kgといったところ。
この数値が、いいのか悪いのか。このあと別のシチュエーションで計測した数値もお見せします。
新東名高速の120km/h区間へ
御殿場から新東名にスイッチし、目指すは120km/h区間。日はのぼり、視界良好。気温は5度くらいで寒いものの、路面はドライ。絶好のコンディションだ。
新東名の制限速度120km試行区間は、新静岡IC~森掛川IC間。
しばらく走っているとついに現れた。「120」の電光掲示板が! 周りのクルマも加速し始める。いよいよだ、出るのか120km!?
105km/hまではスムーズに加速。フルスロットルにすると、90km/hくらいからもじわじわと速度を上げていく。
このまま120km/h行けるか!? 106……107……108……109……110達成! と、ここで、横風に煽られる。
横風が吹くと、頑張ってフルスロットルにしても、なかなか105km/h以上出ない。あと、怖い!
ADV150は250ccのビッグスクーターと比べれば、だいぶ小ぶりだが、やはり風を受ける面積は大きい。橋では気を抜いていると、左右に1mほどスライドした。
120km/hへの挑戦は、トンネルもしくは風のない平地に絞る。
そして、そのときがきた。
108……109……110………111………112………113…………114…………115……114……115……114……115…114…115…114…115…あれ!?
115km/hに到達すると急激に押さえつけられる。リミッターかっ!!
この速度を出していても、エンジンから伝わってくる振動はほとんどない。110kmを超えたあたりから、エンジンが無理をしているような感覚を察することができたものの、じわじわとながら速度は上がった。
しかし、115km/hで明らかにリミッターがきいて押さえつけられる。
スクリーンの高さを変えても、上体を起こしても伏せても、上り坂でも平地でもトンネルでも同じ現象が発生した。
つまりこのバイクは115km以上出させないよう造られているのだ。
1度だけ一瞬、116km/hの表示が見えましたが。
ただ、114km/hと115km/hを行ったり来たりしている間に怖さはなく、この速度域でも安定して走れることが分かった。バイクには悪い気がして、長くは続けたくないけど。
タイヤは前14インチ・後13インチと小径なものの、ホイールベースは1325mmとそこそこ長い。直進安定性は想像していたよりも高かった。
【まとめ】ADV150の巡航速度
今回は森掛川ICを降りて静岡県森町と浜松市の境付近にあるキャンプ場へと向かいました。
足柄SAから森掛川ICまでの平均燃費は、約30km/L。
シタミチは51kmしか走らなかった。給油量が少なすぎて参考になるか分からないけど、平均燃費は約32.8km/L。
やっぱり高速走行はバイクが無理をしている状態のよう。
当初はビクビクしていたものの、走りだすとだんだん身体がなじんできて気持ちに余裕も生まれた。
だから行きと帰りでは、休憩の回数も速度もまったく異なる。
なのですっかり馴染んだ帰りの巡航速度のお話をします。
120km/h区間なら110/km前後。100km/h以下の区間は、制限速度で走れます。
僕はレース経験はなく、スピード狂でもありません。
普段の愛車が大型バイクで120km/h走行を普通に感じていて、仕事柄いろいろなバイクに乗っているというだけの、いちツーリングライダーです。
同じように、120km/hでの走行に慣れている人なら、ADV150でも僕と同じように走れると思います。
ただ、「普通二輪免許を取り立てで、初めてのバイクがADV150」というのなら、話は別です。
やはり110km/h巡航というのは、リミッターのチョイ手前。限界がすぐそばの状態。最高速度180km/hが出るバイクの110km/hとはまったく別物。
だから、110km/h巡航だと、疲れます。なんて言うんでしょうか、まれに二輪業界の大物の方や、有名芸能人の方とお会いする機会があるのですが、あのときの感覚に似てる。
ちゃんと仕事ができたときも、なぜかどっと疲れている。
つまり「無理してる」ってことでしょうね。
今回はソロツーリングだったからいいけど、グループツーリングで仲間が大型バイクばかりだとかなりきつそう。そういうときは無理をしないで、「ペース落として!」とちゃんと伝えることが大事です。
燃費的にも60km/hや80km/h巡航がよさそうな気配だし、もしADV150を所有したら、シタミチを中心としたツーリングを満喫したいな。
ただ、せっかく149ccで販売されたのだから、高速にも乗りたい。片道300km・往復600kmなんて日帰りツーリングはしんどいけど、今回のように片道250kmを走って旅先で1泊し、翌日帰るような旅はまったく問題なし。
もし「ADV125」として販売されていたら、そうはいきませんからね。
見た目は排気量同様、原付二種以上、250ccスクーター以下のサイズ感。だけど乗っかってみると窮屈さは皆無。150のスクーターに乗っていることを忘れるライディングポジションでした。
僕の身長は175cm。ハンドルまでの距離もフットボードまでの距離が絶妙にちょうどよかった。
足つき性はご覧のとおり。シートの手前に座ればかかとまで接地するものの、奥に座るとつま先立ちに。
僕の場合、脚が短いうえに太いので、シートの幅の影響が如実に表れます。同じ身長でも足が細くて長い人なら奥にしっかり座ってもベタツキとなるかもしれません。
シートは街乗りでは異様に硬く感じたものの、ずっと座っている高速道路走行では、超快適。往復約500kmを走って、お尻が痛いと感じることはなかった。
注意しなければいけないのは、「一気の急加速ができない」ということ。120km/h区間を90km/h前後で走行しているトラックを抜くのは大変でした。
同じように、合流時もちょっとヒヤヒヤする。上手くクルマの来ないタイミングで入れればいいけれど、前のクルマがのんびりしていると、苦しくなる。
だから、SAから出るときは、前後にクルマがいないタイミングを見計らって出発しました。
スクーターの場合、低いギアに落として回転数を上げて急加速することができませんからね。
ただそれでも、総じていえば、149ccという排気量で受けるイメージより何倍も普通に走れた。
購入後にETC車載器を搭載するか悩む人も多いと思います。もし僕が買ったら、納車前に付けてもらっちゃうでしょう。
通勤通学やお買い物だけに使うにはあまりにもったいないポテンシャルを持つADV150。今回のキャンプツーリングの節々で、旅バイクとしての優れた性能を実感した次第です。
積載性などキャンプに関するお話はまた次回の記事でお伝えします。
文・写真:西野鉄兵
Honda ADV150 主なスペックと価格
全長×全幅×全高:1,960×760×1,150mm
ホイールベース:1,325mm
最低地上高:165mm
シート高:795mm
車両重量:134kg
エンジン形式:水冷4ストOHC単気筒
総排気量:149cc
ボア×ストローク:57.3×57.9mm
圧縮比:10.6
最高出力:11kW(15PS)/8,500rpm
最大トルク:14N・m(1.4kgf・m)/6,500rpm
燃料タンク容量:8.0L
変速機形式:無段変速式(Vマチック)
タイヤサイズ(前・後):110/80-14M/C 53P・130/70-13M/C 57P
ブレーキ形式(前・後):シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格(消費税10%込):45万1,000円
レブル250でも高速道路インプレを行ないました。
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