フェラーリF1のチーム代表にフレデリック・バスールが就任して1年半が経った。ドライバーのシャルル・ルクレールは、バスールの就任によってチームの文化がより良いものに変わったと明かした。
2023年に、マッティア・ビノットの後任としてフェラーリのチーム代表となったバスール。ビノット時代はパフォーマンス不足だけでなく、ミスを繰り返して結果を最大化できていないということが批判の的となっていたが、バスールは持ち前の「嘘やデタラメを言わない」というアプローチをチームに吹き込んだ。
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バスールの価値観は、昨年5月のmotorsport.comイタリア版によるインタビューで明らかとなった。彼は「自分のやっていることが良いと自信を持ち始めたら、それは終わりの始まりだ」として、自己主張を排除するアプローチを明かしていた。
そういったバスールの考えが根付いたことで、フェラーリの風土は多くの点で変わったとルクレールは言う。ミスや欠陥がより早く認識されるようになり、それがより迅速な解決策の発見に繋がり、良い結果にも繋がっているというのだ。
ルクレールは次のように語る。
「みんな多くの責任を負い、100%の力を発揮するためにより適材適所に置かれている。そしてフレッド(バスール)からの信頼を得ている。それらは良いことだ」
「フレッドは常に、スタッフが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、可能な限りベストなコンディションに置くことに長けている。これこそが本当に変わったところであり、アプローチの変化なんだ」
そういった変化を象徴する出来事と言えたのが、スペインGPでのフロアアップグレードだ。フェラーリはフロアの変更により車両が跳ねるバウンシングが副作用として現れたため、そのアップグレードを最大限に活用することができず、苦しい時期を過ごした。
「3、4レースかかってしまったけど、弱点はどこだったのか、マシンに何がもたらされたのかをみんな認識していた」とルクレールは言う。
「昔は、おそらく今ほど簡単ではなかったと思う。今はチームとしてより良い位置にいると思う」
「僕たちはバルセロナでのレースまでの7~8ヵ月にかけて大きな進歩を遂げてきた。バルセロナの件(失敗)は一過性のものだった。僕たちは自分に正直になり、どこが悪かったのかを理解したんだ」
「だから僕たちは良い形で戻ってくると確信している」
F1で最も歴史と名声のあるチームと言えるフェラーリは、地元イタリアメディアの容赦ない監視の下にあることを考えても、物事を進めることは簡単ではないと言える。これはルクレールも実感していることだ。
「僕たちがフェラーリであるという事実によって、フェラーリ内で何かが起きる度に、他のチームよりも混乱が巻き起こることがある」
「そのような時はいつでも、自分たちのことに集中し、ノイズを取り除き、そこから学んでポジティブに活用するんだ。でも、そういうことがあまりないことを願うよ」
フェラーリにとって最近のネガティブな話題を挙げるとするならば、テクニカルディレクターのエンリコ・カルディレが離脱してアストンマーティンに移籍したことだと言える。しかしルクレールは、バスールのビジョンへの信頼を強調する。
「この件に関しては、フレッドのやることに常に200%の自信と信頼を寄せている」
「エンリコがチームを去ったのは確かだ。フレッドが(暫定的に)テクニカルディレクターである状況は、それほど長くは続かないだろう。 可能な限り最善の方法で状況を管理するフレッドを、僕は全面的に信頼している」
「最終的にチームに影響を与えることはないと確信している。特定のひとりというより、グループのことが大事なんだ。もちろん、できるだけ早く解決しなければならない状況だけど、フレッドはそれに取り組んでいる」
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